FPSS17th基礎#5 スタイリング発表会 Caoli
こんにちは、17期生のCaoliです。
これまでに引き続き、12月28日の感想レポートも参ります。
基礎講座もいよいよ最終回です。モニターさんを募集し、各診断をした上でお買い物のご提案をして臨んだ発表会になります。
ファッションテーマ
「パーソナルスタイリストらしいコーディネート」
ショッピング同行を想定したタブレットが入る鞄とローヒールのコーディネートを組みました。
スタイリストらしさ、として気をつけたのが2点。
印象に残る組合せやアイテムを使う
トレンドを放置はしていないとアピールできる程度に取込む
フリルたっぷりのデニムスカートは180debutで求めたもので、履いて歩けばお褒めにあずかる、自信をくれるお守りアイテムです。
ドレッシーなボリューム感があるのに、カジュアルな生地でランダムさが抜け感を出してくれる、様々なテイストに振ることができる便利アイテムでもあります。
シルエットはスカートのボリュームを活かす形で、ハーネスの存在感が活きるタイトトップスを選び、小物の赤とデニムの組み合わせでトレンド感を差し込んでいます。
血色が落ちやすい顔まわりの配色なので、血色カラーのメイクと顔の薄さを補う黒縁メガネで仕上げです。
診断に基づくスタイリングBefore＆After
まずは発表モデルを務めて下さったmitsuさんと、趣旨と関係ない募集を出させて下さったノンプロ研に感謝致します。
Before
バチっとお似合いになる色のカーディガンなので、残念な印象はありません。どこかのパーツが実際より膨らんだ印象もないし、のっぺりと物足りない印象もありません。「ダサい」とバッサリ評価されるような心配はないと思いますが、ナチュラルで飾らない雰囲気なので、ご要望にある「調えた印象」を目指してご提案をさせていただきました。
属性と着用シーンとご要望
50代女性 仕事は金融系のバックオフィス
通勤用の服のお見立て依頼
ドレスコードはオフィスカジュアル
通勤は電車
年齢層の広い女性が多い職場
日々調えて出社している印象を出したい
やるときはやる親しみやすいキャラが理想
たまには少しお洒落な食事をして帰りたい
靴は足に合うものがなかなかないので手持ちを活用したい(黒の紐靴)
コートも手持ちを活用できるとよい（黒のミディアム丈のウールコート）
鞄はPCが入るバックパック
着回しもできたらベター
メイクは軽くても健康的な印象が欲しい
診断結果
体型診断：I型寄りのA型
顔パーツ診断：F１×A７
パーソナルカラー診断：Autumn
体型診断からは、正面から見たときの細さ、華奢さ読み取れました。
重心が下がりやすいのがA型の特徴ですが、mitsuさんはバストもヒップも高め。重心を上げることよりも、重たい印象が出ないことに気をつけたいと思いました。
顔パーツ診断からは、そのまま大人っぽい女性像を作ることで、調った印象や、仕事をきちんとする印象、親しみやすい柔らかさや演出できそうです。
柔らかささや角のない形の印象は、体型と顔の相性に矛盾しないので大事にしたいポイントです。
パーソナルカラーはストロングトーンがベストなので、深みのあるオレンジやグリーンと靴やコートの黒でコントラストをつけようかなと考えていました。
Afterのご提案
下見していたアイテムは全部ひっくり返して、ショッピング同行の際に店頭で「これ着てみたい」とお申し出のあったスカートを起点にしました。
柔らかな質感の長め丈が女性らしく、気さくさを演出できる色のアイテムです。
きれいめのオフィスカジュアル、足首も出る丈なので軽やかで女性らしくて、親しみやすさも出せる。マットがお似合いになりやすいAutumnの中でも、艶感を極端に嫌いタイプではありません。またイエローベースではあるから深みを足せば印象として調うはず。決定済のお手持ちアイテムは黒だし、いける！
「大丈夫です、着たいもの着ましょう！！」と恰好つけましたけれど脳みそはフル回転ですｗ
使うことが決まっている黒という色と、スカートの艶のある明るい黄色の配色の問題は何でしょうか。
黄色は明るさが出やすい色なので、かなり強い色の差がつく組合せです。コントラストは艶感を強める働きがあるので、Autumnさんが纏うには少し和らげたいところです。クッション効果を狙って、スカートよりも黒の含有量が多くAutumnに似合うオリーブグリーンをレイヤードしました。
またコーデュロイのふんわりとした光沢がスカートの艶となじみましたし、凹凸感のある生地は上半身の華奢さを補ってくれます。柔らかい印象もＡ型になじむ質感です。
懸念点のひとつはテーラードデザインのマニッシュさがお顔となじまないことですが、靴の形の印象と黒の固い印象とは調和しますし、色目がやわらかいのでお顔の印象を打ち消すほどのマニッシュさではないように思えました。
ややオーバーサイズのフィット感は、着られている感が出る可能性がありますが、試着した限りではmitsuさんのバランスを大きく崩すほどの効果の強さではなく、バックパックというアイテムが持って来るカジュアルな印象との調和と、スカートのドレス感やお顔立ちの大人っぽさとのクッション効果が期待できたので、こちらのジャケットを採用しました。
トップスは何色か考えたものの、黒の繰り返しがいちばんバランスがよく思われたので、ジャケットが下げる重心を補う意味で高いネックラインをご提案しています。
ダークカラーはお似合いとは言え、顔回りに黒は重いので光るアクセサリーをこれも短めのもので足して、バックパックはきれいで丸い印象のアイテムを合わせてご提案コーディネートとしました。
最初にいただいたコメントは「気を使って組まれた、素人感のない印象が出せている」。
ご本人が合わせて来なかった素材、色の組合わせと、お作りになりたい雰囲気にはしっかり寄せたご提案ができてはいるのですが、もっとよくは「なる」わけです。
次に『「まず診断結果を素直に使う」原則からは外れている』。
例えば『A型体型の方にジャケット』は初手ではないのです。実際、下見の段階ではニット類を主にピックアップしていました。
具体的に添削が入ったのは２か所。
１つ目は丈感の問題、特に重量感のある生地であるジャケットです。
ひとまわり、丈が短く袖も短く、または細身ものを選べた可能性の指摘がありました。ジャケットをつまみ上げてみれば確かにMore Better、キレイです。
ただmitsuさんは純然たるA型ではなく、A型の割には重心が高いので看過できない程ではないので、どこまで詰めるかは匙加減という面もあります。
ボトムスを短くすることもできますが、今回はスカートが起点で素材も軽く、足首が見えない程の長さはないので、選択肢から外すほどの影響を感じられなかったのが正直なところです。
２つ目は丈が下がった分の補正です。スカーフを足して視点とともに重心を持ち上げること。
どれも視野に入っていた問題点ではあって、判断した上で許容した点です。口惜しいところではありますが『ただただ気づいていなかった、発想がなかった』とは異なる手応えがありました。強いて言うなら『但し書きが必要な選択』であり『許容を含む選択』ではあって、それを重ねても『概ねベスト』に収まるのかという話。
ショートジャケットだってお買い物中に探していなかったわけではないし、ジャケットを黒にする選択肢も持っていたけど見つけられなかった、という裏話は嘘でなくできるけれど、ソレは満足感にはハネたとしてもクオリティにはハネない。片手落ちです。
フィードバックシートからは
お褒めいただいた点は「ニーズにマッチしている」「ドレスとカジュアルの組合せ」部分。とても頭を悩ませた部分なので、お気づきいただき嬉しい限りです。
応援が来た点は「更にもっと似合う色あるでしょ」「Masculineに寄せすぎでは」の部分。これには全面的に同意しかない。
あのニットやあのブラウスなら、、、と今でも思うところですが、試着いただいた上で「予想ほど良くない」「身近に着てそうな人がいる」「ちくちくする」「戻ったら売り切れていた」などなどの理由で排した方に行っちゃったんですよね。ということはやはり、私の中でもベストをご提案できていたかというとそうじゃないんだなぁ。
もうひとつ裏話
実は1度、黄色と黒の接着剤をこのジャケットとは違うアイテムを決めたくだりがありました。
そちらも試着室を出ていらしたときに「素敵！」とは思えたのですが、後日「やっぱり着心地に気になる点が」とお申し出がありましたのでそれは返品、その前に迷った候補の中からジャケットをご提案し直した次第です。
実際に合わせた状態を拝見せず当日を迎えたので、内心はハラハラでした。
そして「お似合いです」と、不要なほどの力強さで背中を押してしまったのかもしれないと、いまだこっそりしょぼんともしています。
気付き
ヒアリングとお買い物同行を通しては、
嫌でない限りは試着してもらって、資料として写真を残すのは意味がある
相当気をつけないと押し売りならぬ押し買わせをしてしまう
スタイリストセレクトをバッチリ着てもらうより、ご自分で選んでクローゼットを作れるようになるサポートこそサービスにしたい
突然とんでもなくお洒落を目指すより、少しだけ背伸びするエスコートがしたい
お手持ちと着回しのご提案
着回しできたらベターというご希望もあったのでそのご提案もいくつか。
◆講座と講座の間の話を書いたものと一緒にマガジンにまとめているので、そちらもよろしくお願いします。
https://note.com/yoso01an/m/m188744f71e82
◆for*styleパーソナルスタイリストスクール（FPSS）の生徒による他の記事を読む
https://note.com/risahisano/m/m7d8f3f2d75a7
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