見出し画像

アマゾンが始めた恐るべき調達プログラムとは?

アマゾンジャパンがついにクライメイト・プレッジ・フレンドリープログラムを開始しました。これは、リサイクル素材を活用したりエネルギー効率が良い商品があるとしますよね。すると販売ページに「緑の葉っぱ」が表示されるようになりました。


つまり購入時に類似品と比較しますよね。そのとき、その葉っぱが表示されている商品のほうが環境に配慮していると判断できます。もちろん、私は葉っぱが付いているからといって消費者が買うとは思いません。でもほぼ一緒なら環境に優しい方を買うでしょう。


またアマゾンビジネスの企業会員だとします。その場合、企業内の管理は調達部門が担当します。その際に調達部門が購入規制として葉っぱが付いている商品を指定することが考えられます。


これまで環境対応は建前でした。もっといえば「環境対策なんて、単なる企業のPRでしょ」と割り切っている人もいましたよね。


でも温室効果ガスの排出抑制がほんとうに温暖化防止に役立つかは別として、すくなくともアマゾンのようなプラットフォームが商品を査定し、それが売上に影響する時代がやってきそうです。


これは世界に影響を及ぼすでしょう。環境対応が実利につながるとなると方針が変わるはずです。


ところでみなさんは京都議定書ってご存知ですよね。


あれは1997年に京都で締結されましたが、1990年対比での温室効果ガス削減を各国に課しました。EUが1990年との比較で削減目標を設定するよう強く要求したのはカラクリがあります。それは、1989年には共産国家の多くが崩れ、その後に西欧式の新たな工場が建っていたからです。


つまりEUでは、二酸化炭素を莫大に出す古い工場から、環境対応をした工場に1990年には置き換わっていました。だから、EU各国は努力しなくても1990年基準を採用してもらえば温室効果ガス削減は達成できたのです。


私からいわせれば、日本は世界から「ハメられた」といえますね。日本は莫大なお金を温室効果ガスの排出枠の購入に費すことになり京都議定書は日本の失敗とも思われています。


しかし、おそらく世界のなかでもっとも真面目な日本企業は、他国企業がテキトーにやっているなかで、温室効果ガス削減を削減してきました。日本は極限まで節エネと節資源を実現しました。


辛酸をなめ、ハメられた事実が、むしろ日本企業を強くしました。


次期の米国大統領はトランプさんで、環境対策に懐疑的だと知られています。私も現在の温暖化対策が効果的かは疑問です。しかし、温暖化しているのは事実で、なにかの対策は必要になるでしょう。


これまで日本企業は表面的には「環境対応が重要だ」といいながらサプライヤの環境対応にはお金を払っていません。環境にすぐれたサプライヤを優先的に採用もしませんでした。


ただそれが自社の売上を大きく左右するようになれば、調達部門も調達品の温室効果ガス排出量を意識せざるをえません。


ここで、かなり適当な数字なのですが提案です。概算ですが一般的な機器を生産しようとすると100万円で4tくらいのCO2排出と考えてください。みなさんが100万円の機器を調達すると4tが生産過程でCO2が出ちゃうわけです。


現在、炭素税といってCO2が排出されるごとに課税しようという動きがEUであります。課税方法は決まっていないものの、1tで1万円くらいが想定されています。ということは普通の調達品なら100万円あたり4万円の税金が課されると仮定できます。


*あくまで仮定です。


すると違うサプライヤの価格が101万円だけれど、生産過程では2tのCO2しか排出しないのであれば、積極的な評価が可能だと思います。


つまり前者は104万円(100万円+税金4万円)と103万円(101万円+税金2万円)となり後者が安価と評価できます。


繰り返すと炭素税の課税方式は決まっていませんし、日本で導入をされるかもわかりません。しかし、私はトランプさんがどうであれ日本の強みをアピールしたほうがいいと思うんですね。


さらに日本の調達部門は世界でもっとも節エネと節資源を指導実現したのは間違いありません。だから、むしろこの実績を世界の企業にノウハウを販売したほうがいいと思うんですね。


今日の話は上記で終わりです。ところで私は日本企業の調達人材のノウハウを強化する教材を販売しています。下をご覧ください。
https://www.future-procurement.com/product/


<以下、追伸です>

↓イベントを紹介します。

●調達業務基礎を一日で徹底的に学ぶセミナー
2024年12月4日(水)13時00分~17時00分
https://www.future-procurement.com/event/tokyo28/

●調達業務講師育成講座(定員まで残1人)
2024年12月16日(月)19:00~21:00
https://www.future-procurement.com/event/procurementteacher/


今後のセミナー予定については表にまとめました。
https://www.future-procurement.com/2024semi.pdf

また下はお申し込み後すぐにご覧いただける教材も多数あります。

●「はじめて学ぶサプライヤとの型取引の適正化」セミナー
●CO?排出量の算定を取引先に指導できるようになるセミナー
●「労務費の適切な転嫁のための価格交渉」対策セミナー
●ChatGPTの調達業務への活用
……などなど。下のURLからご確認いただけます。
https://www.future-procurement.com/product/

いいなと思ったら応援しよう!