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サプライヤの大倒産時代に備えて知ってほしい3つのこと

曹洞宗の良寛和尚は「裏を見せ 表を見せて 散るもみじ」という句を作りました。私の好きな句の一つです。人生は表だけじゃなく裏もある。すべて含めて人生を肯定しようというもの。

コロナ禍でゼロゼロ融資がはじまりました。保証も利息もゼロで、企業の倒産を防止しようとしたものです。これはたしかに「表」の役割として効力を発揮しました。

しかし、2023年から2024年にかけて元本の返済期間が迫ると同時に倒産件数が急増しています。

・2021年:約6000件
・2022年:約6500件
・2023年:約8700件

そして2024年は前半だけで5000件になっています。通年で1万件は確実に超えます。この反動は「裏」といえる効果です。

なお上記の数は資金繰りの問題が生じた場合であり、廃業とは別。経営者が自主的に事業を終了する廃業は6万件にも達しています。それにしても、両方を足すとけっこうな数ですね。

ちなみに日本で企業数は300万を超えるので、倒産や廃業が頻発するわけではありません。でも注意したいものですね。

このところ出てきた単語でびっくりしたのが「コンプラ倒産」なるものです。つまり資金繰りが苦しくて金融機関に何度も返済延長をお願いして、決算書を何度も出しているうちに粉飾がバレてしまい融資がストップし倒産にいたる……。

まあ昔から粉飾はあったんでしょうが、ゼロゼロ融資の「裏」効果として、粉飾が目立つようになったんでしょうね。

こんな時代ですから、各サプライヤから決算書を提出してもらい、安全性を確認しましょう。また粉飾の可能性を見分ける確実な方法はありません。でも、確率をあげることはできます。

そのサプライヤの、直近と数年前の「売上債権の回収期間」を比較してください。そのサプライヤの決算書から、売掛金が月商の何倍あるか確認してください。

意味はわかりますか? 粉飾する際に、帳簿を誤魔化すのであって銀行口座にある現金の額は誤魔化せませんよね? だから、商品を売ったんだけれど、まだ回収できていない、と誤魔化しますね?

だから、これを直近の値と数年前の値を比べます。数年前は粉飾をしていないという前提ですね。たとえば数年前は売掛金が月商の2倍だったとしますね。それが直近の決算書では5倍になっていたとしましょう。

これあきらかにおかしいですよね? だってそりゃいろんな顧客がいるかもしれないけれど、そんな同業種で支払条件なんて違うはずないですよね?

もちろん完全な見分け方ではありません。ただ便利な尺度ですのでお伝えしました。

タイトルの3つとは、倒産が増加していること、粉飾が目立つことそして決算書を使った見分け方でした。

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