調達・購買なる世界でコンサルタント・講師になりたい方へ
「今後、自分は何をやって生活していこう」。そんな気持ちを抱く55歳以上の方は多いはずです。
下の文章は55歳以上の方に限るわけではありません。ぜひ若い方も読んでください。ただ、とくに55歳以上のセカンドキャリアを考えている方には参考になると思います。
「一緒に仕事がしたいんです!」という問い合わせ
私や牧野直哉さんが属する未来調達研究所に、「一緒に仕事がしたいんです」と問い合わせがあります。しかも、けっこうな頻度で問い合わせがあります。このような問い合わせがあったら、転送してもらって私も拝見します。さまざまな職歴(企業名)や経験を書いていただくケースが多いようです。
現在、終身雇用も崩れてきているし、退職金控除も減少するかもしれません。将来が不安ということもあるでしょう。今後も食っていけるか、誰もが心配です。
また、なにより調達・購買の世界でずっと仕事をしているので、何かご自身の経験を活かした第二のキャリアを進めないかと思う人はたくさんいますよね。それ自体は健全なことです。
実際に、応募からコンサルティング業務委託につながった人がいます。さらに講義の講師をお願いした人もいます。未来調達研究所の公開セミナーで講師を務めてもらった方もいるので、ご受講なさった方も多いでしょう。これからも協力いただける方々の募集を拡大したいと思います。
実際に未来調達研究所に仕事を求めて応募しようとしていた方々が、この記事の読者にいるかもしれません。
そこで、以下、調達・購買の世界でコンサルタントになりたい、あるいは講師になりたい方々にたいして、私が思うところを書きます。正直にいえば、ちょっと冷たく感じる文章かもしれません。
でも、読者に役立つように、できるだけ重要なことを説明します。なお、未来調達研究所に募集しなくても、調達・購買関連のコンサルタントや講師になりたい方には役に立つ内容でしょう。
そこで最初に知らねばならない事実と、答えねばならない質問とアドバイスを書きます。コンサルティング会社に属したい場合と独立したい場合にわけますね。
最初に知らねばならない事実:「あなたの話は面白くありません」
いきなり、こんなことを言って申し訳ありません。ただ、当たり前のことを知ってほしいんです。私のもとに講師志願者がやってきます。また調達コンサルタント志願者がやってきます。そして、実際に「何かプレゼンテーションをしてください」と伝えます。あるいは何かのコンテンツを見せてもらいます。
正直に申し上げますと、ほとんどの場合は面白くありません。
これは役に立たないと言う意味ではありません。ここは勘違いしないでください。面白くないのと役に立たないのは違うわけです。たとえば教材の場合は、もちろん役に立つ教材が重要です。役に立てば、その教材は十分に価値があります。
しかし、考えてください。役に立つといっても、まず聞いてもらわなければなりません。聞いてもらえなかったら役に立つかどうかもわからないのです。
これは非常に冷たい発言になります。しかしながら、多くの方はまず聞いてもらえる内容になっていないのです。
こんなことを話すと「お前はお笑い芸人のような話を求めているんだろう」といわれます。そして実際に私のことを芸人だとか話し方がわざとらしいとかいう人がいます。もちろん発言の自由がありますし、ご感想は自由です。
ただリアルな問題として、話が面白くないとあなたを買ってくれる人がいないのです。冷酷な事実として、面白くなかったら見向きもしてもらえません。
私からそんなことを言われた誰かは私に言うかもしれません。「自分の価値がわかってくれない人間に売るつもりはない」。おっしゃる通りです。ですので、そのような人は大衆には売ることができないと思います。この意味で大衆とは、広く調達人材を指します。
大衆を相手にしている商売人に対して、多くの人は批判をします。「あいつは魂を売った」「あいつは本質的なことがわかっていない」「あいつは小手先のことばっかり話して本質的なことを話していない」。
もちろんそのような批判は正しいと思います。私も真摯に受け止めようと思います。ただし、あなたの目的は自分の意見を大衆に届けることだと思います。その場合は自分なりの工夫と、面白く話すことによって大衆に届けなければいけません。そうしないと自分の話を聞く人なんていません。独立しようとした99%の人は敗者なのです。
これだけの調達人材がいる中で、おそらく私ほど発信したりメディアで出演したりする機会をもらっている人間はいないと思います。それは私ほど「自分の話が面白くねえなー」と反省している人がいないからだと確信しています。多くの人は、つまらないのに自分のコンテンツや話し方を改善しようとしません。私は日頃から「どうやったら、少しでも面白くできるだろう」と考えています。
先日、私の講演会のあと控室にお越しになった女性がいました。私が講演が上手くいかなかったとひどく落ち込んでいるのを見て「あんなにウケていたのに落ち込む必要ないですよ」とおっしゃいました。でも、それじゃダメなんです。「何番目の話の導入は、もっと違うやつにすべきだった」とか「あそこは観客の顔の様子から手短に語るべきだった」とか努力できなければ価値がありません。
あなたには配偶者がいますか。あるいはパートナーがいますか。これは一つの比喩です。私が言いたいのは、仲の良い人にあなたの話が面白いか聞いて欲しいのです。
そして、できるだけ冷たく論評をしてもらってください。面白さのハードルを上げて欲しいのです。なぜならば、この世の中には情報が溢れており、面白いと言うハードルは非常に上がっています。あなたが面白いと思っても、多くの人にとっては学びにならなかったり、全く無意味なコンテンツだったりします。
次に移りましょう。
最初に答えねばならない質問:「あなたは何ができますか?」
現代人は時間がない生活を送っています。これは非常にシビアな話なんですが、審査側はじっくり応募者の経歴を見ている時間がありません。これは独立しようとしている方も同じです。コンサルタントならば売り込み先がありますし、講師の場合も研修会社の審査を受けます。
そして残酷ながら、経験はあるけれど、何もできない調達人材を多く見てきました。
だから、端的に「あなたは何ができますか?」というシンプルな質問にお答えいただかねばなりません。あるいは、書類や文面から、「私は何ができます」と伝えねばなりません。
でも、これが残酷なんですよね。
調達・購買の世界のみなさん。想像してみてください。あらためて「あなたは何ができますか?」って訊かれたら、答えられる内容ってありますか? そんなにありませんよね? また、その内容は価値があるものでなければなりません。
さらに、その内容はクライアントにとってお金を払ってもらえるものでなければなりません。
「あなたは何ができるんですか?」
「ええ、スムーズな社内調整ができます」
「社内調整ですか……」
といった会話は実際にあります。そりゃ重要なんです。だけど、コンサルタントあるいは講師としてお金を払うかというと、どうでしょうか。
この「あなたは何ができますか?」って質問。会社員だったら意識しなくても大丈夫です。しかし、あなたはコンサルタントや講師として独立したいのですよね。この冷たい問いから逃げられることはありません。
なお、下記のすべてに当てはまる必要はありませんが、答えについて意識はしておいたほうがいい内容です。
□その「できること」は非凡ですか?
□それにお金を払ってくれそうな人はいますか?
□あなたにそれができると証明する実績などはありますか?
□その「できること」が、他者はなかなか追いつけないであろうと予想できる理由はありますか?
次に、(たとえば)調達専門のコンサルタントになりたいと願い、専門コンサルティング会社で働きたい、あるいは独立したいとしてアドバイスを述べます。
1.準備編
コンサルティング会社に属したい場合のアドバイス①ビデオを送るのが最強
そこで、たまにあるのですが、自分の動画を送ってくる人がいます。私は、これはかなり良いと感じています。
「動画を送ったほうがいい」というと、「いや、私はコンサルタントになりたいのであって、セミナー講師になりたいわけではありません」とか、「会社員ですから、話のプロではないんですよ」とか、多くの戯言を聞かされます。
しかし、そういう話ではないんですよ。
話は下手でもいいんです。もっといえば、下手でも、「伝わる話」は可能です。
私は以前、アナウンサーに、私の話し方の採点をお願いしました。そうすると「あなたの話し方は10点だ」と言われました。私は「10点満点ですか」と訊いたら、「いえ、100点満点です」と言われました。「話し方としては10点です。でも、魅力的な伝え方の意味では、200点と感じる人もいるかもしれません」と付け加えてくれました。
たぶん私は「調達コンサルタント」と名乗っている中で、もっともテレビとラジオと雑誌でインタビューを受けています。また、もっともコンサルティングとセミナーを実施していると思います。
*違っていたらご指摘ください。
話し方が下手であっても、伝わればいいのです。いや、むしろ話下手でもいいんじゃないですか、話が伝わるならば。私が講演後にずっと反省して悩んでいる話を書きました。これは、アナウンサー的な話上手を目指せという意味ではないとかはおわかりですね。
そしてなぜ動画を送ったほうがいいのか。それは動画には、その人のごまかせない”すべて”が入っているんです。「何かを伝える」とは、「相手を考える」ことです。
●「こう話した方が相手に伝わるんじゃないかな」
●「ここを強調しておこう」
●「言葉遣いはこれで良いだろうか?」
……。さまざまなことを考えたことがあるか、その考えた量が問われています。量が話に反映しているはずです。どうやったらうまく話せるかどうか、その思考量が「話しをしている自分自身」のいたるところに入ってくるんですよ。
繰り返します。話は下手でもいいんです。その人が相手のことを考えているかが捨象されるんです。コンサルティングでも講演でも、相手のことを考えられるかが重要です。というか、それしかないんですよ。その性質が動画にもっとも表れます。
っていうか、コンサルティング時のクライアントになって考えてくれてもいいですし、セミナー時の受講生になって考えてくれてもいいですが、相手のことを考えていないコンサルタントやセミナー講師の話なんて聞きたいですか?
<参考>
なお、私は相当に考え抜いたうえでコンサルティングやセミナーで話しています。
(もっとも若い頃)「調達業務基礎を一日で徹底的に学ぶセミナー」
(もっとも最近)「CO₂排出量の算定を取引先に指導できるようになるセミナー」
コンサルティング会社に属したい場合のアドバイス②集客が可能な能力を示す
私は、クライアントにとってお金を払ってもらえる能力が必要、と書きました。そのために考えたり練習したりするしかない。
でも、この言い方って、すごく冷たいように感じませんか。
というのも、もし「あなたは何ができるんだ?」「そしてあなたに誰がお金を払ってくれるんだ」と聞かれたときに、例えば「そうですね。1人の参加費30,000円のセミナーを開催すれば、私なら1回あたり20人は集客できます」と答えたとします。
そしたら「じゃぁ、自分一人でやったほうがいいんじゃないか」とこちらは思いますよね。実際には、それぐらい集客できる人は、自分一人でやっています。調達の世界ではほとんどいませんが。
ということは、かなり矛盾するのですが、コンサルティング会社に就職したいならば「私は調達分野で凄い人材なんだけれど、自分で集客ができるレベルではない」と語る必要があるわけです。
これは相当に矛盾する話しのような気がしますが、これについてちゃんと考えたり、述べたりしている人はいないように感じます。
会社員を続ける場合も同じかもしれません。実力があまりにも「凄い」「凄い」と自慢するのはいいんですけれど、それなら「自分一人で独立したほうが稼げるんじゃない?」と思われるはずです。
ただし、重要なのはここからです。
さらに矛盾するんですけれどね、「いまは私は集客できないかもしれない。知名度もないしね。でも、私を輝かせてくれたら、会社の収益に貢献しますよ」と匂わせてくれなければなりません。
集客の能力じゃなく、「あなた(コンサルティング会社や研修会社)で仕事をすることで集客につながる能力があるんだ」と説明するんです。
みなさんは会社で調達業務を頑張ってきたのですよね? それは他社にも活用できるノウハウになっているんですよね? 少なくとも、コンサルタントになりたいのであれば、自分なりの方法論はありますよね? 講師になりたいのであれば、ノウハウを体系化して説明できるようになっていますよね?
「いまの私は知名度がないだけで、実力は一流なんです」と言えなきゃいけない。これ、ほんとうに重要です。伝わっているといいなあ。
以降、さらに本音で申し訳ございません。
あらためて申せば、もっとも重要なのは集客です。どんなに調達業務の偉そうなことを言っても集客できなかったら意味がありません。会社員ならば、違う誰かが集客をしてくれます。しかしながら、独立したら、あるいはコンサルティング会社や研修会社であれば、お客さんからお金もらえなかったらすべては机上の空論です。これが現実なんです。
もちろん「お客さんが悪い」と言えなくもありません。また「お客さんの理解力がないから自分のことを認めてくれない」と言ってもいいかもしれません。
しかし我々は現実の世界に生きているのです。
もう一度、重要なので申し上げます。「いまは私は集客できないかもしれない。知名度もないしね。でも、私を輝かせてくれたら、会社の収益に貢献しますよ」と言わねばなりません。少なくとも匂わせねばなりません。
ここでみなさんへのお願いです
とりあえず、ここまで無料で書きました。無料部分だけでも、価値を提供できたと考えています。これ以降は、もう「寄付」と思って購入してください。これから説明する通り、お支払いいただきたい金額は実質たったの200円です。
文量は、無料部分以上です。さらに役立つ話を書きます。もう調達・購買分野での「寄付」「心意気」と思って買ってください。
これからは、調達・購買人材の独立について書きます。
繰り返します調達・購買人材の独立について書きます。
なお、以下の有料部分の本文は3,500円ですが、ご購入いただくと、3,300円で販売している「【すぐ見れるオンライン動画】調達・購買部員のこれからの副業や独立について説明する。」がついてきます(なお、信じて買ってくれた人のために、文章の最後では、さらにプレゼントがあります)。
↓↓です。
つまり、実質的に200円です(=3,500円-3,300円)。繰り返すと、200円ですから、寄付でも心意気でもかまいませんので、購入をよろしくお願いします。
なお、これからコンサルティング会社に就職する方法に加えて、「調達コンサルタントとして独立する方法」についても説明していきます。
そこで私がまず強調したいのが「30万円を捨てる勇気」です。
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