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パレイドリア効果でもう顔にしか見えない!?錯覚したままでトレードを続ければ、資金はどんどん目減りするばかり・・・

東京ディズニーリゾートでは、隠れミッキーを探すのが楽しみのひとつ。パーク内の風景に溶け込んだミッキーマークを見つけるという遊び心満載の仕掛けです。

壁や柱の細かい模様のなかに隠れていたり、窓や電球の形だったり、床のタイル、鍵穴のシルエットのほか、池に浮かぶ蓮の葉も!?「あ、こんなところに!」と思わず声が出てしまう驚きの場所にたくさん見つかるようです。○が3つがあれば、それはミッキー♪ 隠れミッキーのお蔭で列に並んでいる間も退屈しません。

ただ、熱狂的なファンならともかく、キャラクターに心酔していない人にとっては、単に○が3つ並んでいるだけと見るかもしれません。実際にペンキ汚れなど、ちょっと無理矢理じゃない?と思えてしまう箇所もあるようですし(汗)

そもそも人の脳とは、よく見聞きする図形や型をそこに存在せずとも思い浮かべる働きがあるらしい。雲や影の形から別の物体をイメージしたり、天井の染みが人の顔に見えたりしたことはありませんか?

これは特定の意味を持たせて錯覚してしまうパレイドリア効果と呼ばれる心理現象のひとつで、精神医学では病気と見なされることもあるといいます。

パレイドリア効果が厄介なのは、無意識に発動し、以前の状態には戻るのが難しいというところです。例えば、ひとたび脳が人の顔と認識してしまうと、もう顔以外には見えなくなってしまう。

心霊写真や一時期ブームになった人面魚などもその類のものと分析されているようです。要は、主観的な捉え方にすぎない!?言い換えるなら「思い込み」ということです。

投資家・トレーダーにも希望的観測からチャートの形状を刹那的かつ主観的に捉えて、強気か弱気かを簡単に判断する人たちがいます。

マーケットを俯瞰するということにおいては、いかに客観的な視点を持つかが重要です。売買の意思決定をする際には、思い込みではないのかと必ずチェックしてください。錯覚したままでトレードを続ければ、資金はどんどん目減りするばかりです。

常に賢明な投資判断をしている人たちから見て、病気と見なされているようではいけません。あなたがトレードすべきタイミングは、混沌から秩序立ったパターンが出現したときのみ!

アレキサンダー・エルダー博士も著書のなかで、古典的チャート分析の問題点を取り上げています。

20世紀初頭に、ヘルマン・ロールシャッハというスイスの精神分析医が、人の心を調べるテストを考案しました。10枚の紙にインクを一滴落とし、紙を二つ折りにして左右対称のインクの染みを作ります。これらの紙を見ると、たいていの人はそこに、たとえば、解剖図や動物、建物などを見いだします。しかし、実際には、単なるインクの染みにすぎないのです!被験者は、自分の心に浮かんだものをそこに見いだすのです。同様に多くのトレーダーは、チャートをいわば巨大なロールシャッハテストとして使っています。自分の願望や恐怖、空想をチャートに投影しているのです。(『ザ・トレーディング』第3章 古典的チャート分析より)

抜群のエントリー機会を見送ってしまうのも、未練がましく損切りを先送りしてしまうのも、思い込みが邪魔をしているのかもしれませんね。

マーケットでは、あなたの考える理想的展開が、いつも判で押したように起こるわけではありません。もし、損失を確定させるたびに後悔しているなら、自戒の念を込めてエルダー博士の書籍『ザ・トレーディング』を常に手元に置かれることをお勧めします。

書籍『ザ・トレーディング』

PS
ザ・トレーディング』第5刷重版出来!おかげさまで2019年1月第1刷以降、たくさんの個人投資家に読んでいただき、この度めでたく増刷が決まりました。

『ザ・トレーディング』奥付

すでにお買い上げくださった皆さま、ありがとうございます(・∀・)!

日本のすべての投資家・トレーダーにトレーディング界の世界的権威の思考を学んでほしい♪ まだお読みでない方は、是非!!

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