バフェット氏が大量保有している日本の5大商社株が軒並み年初来高値更新!なぜこれまで割安だった?
4月にウォーレン・バフェット氏が来日した際、日本の5大商社株への投資を増やすとあらためて表明しました。5大商社とは、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅を指します。
投資の神様が率いるバークシャー・ハザウェイが、子会社を通じて5大商社の発行済み株式の5%超の取得を発表したのは2020年8月末のこと。バフェット氏が日本市場の上場株を大量保有するのは初めてとのことで、当時は大きな話題となりました。
3年経った現在の保有率は7.4%まで増えており、さらに9.9%まで増やしていく方針だと公言しています。オマハの賢人の大胆な表明を受けて以降、5大商社株は軒並み上昇しつづけており、今年に入ってからも年初来高値を更新中です。
これまでバフェットの投資といえば、米国株がメインでしたが・・・、なぜ、ここにきて日本株を買ってきたのか?しかも、トヨタ、ソニー、任天堂などグローバルに活躍しているブランド株ではなく、どうして商社株だったのか?注目すべきは、どこか1社に集中することなく、5社まとめて買っているという点です。
商社はいろんな事業を複合経営していますが、これは日本独特のビジネスモデルで、海外に総合商社という形は類を見ません。生まれたときから商号を見聞きしてきた私たち日本人にとっては意外に感じますね。
もちろん、事業を多角的に展開しているかぎり、各社には得意分野とそうでない分野があります。そこで5社ともにバランスよく投資することにより、不得意な分野を互いに補っていくことができる!そう考えたのかもしれません。
要するに、どこかの企業に投資したのではなく、世界でも珍しい総合商社というビジネスモデルへの投資というわけです。
今の日本株は円安で全体的に買いやすく、そのなかでも特に割安だったのが商社株!?しかも多角経営なので全体の浮き沈みが少ないし、日本の商社は変化への対応力がある!!
バフェット氏は声明で、このように述べています。「日本と、5社の未来に参画できることを嬉しく思う。将来、相互に利益をもたらす機会があると望んでいる」。
さらにいうと米国は株主第一主義の国。配当利回りがよくキャッシュが入ってくる商社株は、バフェット氏好みの投資対象として、十分に買う条件が揃っていたとも考えられます。
そもそも日本の商社株はこれまで安く放置されてきました。その原因は事業が多岐にわたるので、決算書を見ても企業評価がしにくく、このような企業スタイルに馴染みがない海外投資家からどうしても敬遠されるきらいがあったからです。いわゆるコングロマリット・ディスカウントと呼ばれている状態だったわけです。
これは多角的に事業展開することによって、リスク分散されるメリットがある反面、単体事業と比較したときの競争力が低く見られ、市場評価が低下し、株価が低迷する状態をいいます。
ですが、このたびのバフェット氏の大量保有によって、今後は世界の見る目が大きく変わっていくかもしれませんね。
ただ、良い話のついでに注意喚起もしておくと・・・、バフェットが買っているなら、もう大丈夫!保有株を売って、商社株を全力買い!そんな軽はずみな行動はしないでくださいね。
バフェットって、長期保有する人じゃないの?そのように妄信している人がいると思いますが、バフェット氏も売る時は売ります。それもあっさりと見限り、バッサリと見放します。転ばぬ先の杖として、心に留めおいてください。
実際、2020年5月には米国の航空株をすべて売却しています。2022年には台湾の半導体製造メーカーTSMCの株を保有3ケ月で9割近く売却した事実もありますからね。
PS
バフェット氏がどの銘柄を、どれだけ、いつ買ったのか、多くの投資家はその点だけに関心を示しますが・・・、「日本人として考えないといけないのは、バフェットが商社株を売り始めたとき」そのように語るのは、グローバル金融コンサルタントの河内勝彦氏。
実は、先日BarFPO(証券バー)に初めてご来店された際に面白い話を聞くことができました。バフェットは損切の天才!?
他にも最近の相場動向などについてもお話ししてもらいました。近々、それなりのショックが起こる!?(||゚Д゚)
PPS
商社株は3%以上の配当利回りがあって、尚且つPERが10倍以下であるにもかかわらず、なぜ割安で放置されているのか理解できない。
そのようにバフェット氏と同じような視点で何年も前から商社株を見ていた人物がいました。株歴50年超の藤ノ井俊樹氏です。
以下の動画は、約5年半前の2017年10月に撮影されたものです。なぜ商社株は割安なのに買われないのかについてお話してくれています。
「日本の商社というのは、実力がすごくあるんですよ!」(藤ノ井)
くぅ~(T^T)!5年前にタイムスリップしたい。。。
▼5大商社株の月足チャート(緑○が上記動画の撮影時点)