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投資の意思決定に非合理的な影響を及ぼす埋没費用(サンクコスト)効果

颯爽と駆け抜ける白毛馬「ソダシ」に多くのファンが魅了されているという。あの米NYタイムズ誌が特集するほど純白のサラブレッドは人気爆上げ中(≧ ≦)Ω

先日行われたヴィクトリアマイルも勝利し、G1レース3勝目を飾ったアイドルホース。

ちなみに「ヴィクトリア」とは、ローマ神話にでてくる勝利の女神のこと!容姿端麗なうえに強さを兼ね備えていれば、人気がでるのは当然ですね。

ただ、人気が出るほどオッズが下がり、勝っても稼ぎが少なくなるのが競馬の世界。しかも、馬券をいち早く買った人も出走ギリギリに買った人も取り分は同じ。そのあたりが株式投資とは大きく異なる点です。

株の場合は、人気がなくて安いうちに早く買った人ほど儲けは大きくなりますからね。

ところで、競馬の最終レースでは、オッズの高い(=人気がない)馬券を買う人の割合が増えるのだそうです。なぜだと思いますか?

それは一日の収支というフレームのなかで損をしていると、最終レース一発で挽回したいと考えてしまうからです。心当たりのある人もいるかもしれませんね。

ですが、大穴馬券より、本命馬券が当たる確率のほうが断然高いはずです。要は最終レースでなければ、買わない馬券であるならば、それはお金の使い方としては不合理な判断をしているということになります。

米シカゴ大学の経済学者セイラー氏が、これについてある興味深い実験をしました。以下のA・Bをそれぞれイメージして、あなたもYES or NOで答えてみてください。

<パターンA>
映画を観に行こうと10ドルの前売り券を買いました。当日映画館につくと前売り券をなくしたことに気がついた。さて、あなたは10ドル払ってチケットを買いますか?(当日券も10ドル)

→実験ではYESが約46%でした。

<パターンB>
当日券10ドルの映画を観に来ました。ところが!財布に入っていたはずの10ドル紙幣1枚がなくなっていた。さて、あなたは10ドル払ってチケットを買いますか?

→実験ではYESが約88%でした。

なくしたコストは、どちらも10ドルですが、YESの回答率が倍ほど違います。

パターンAはチケットを2回買うことになるので、20ドル払って映画を観るという心理状態になります。なので、どうしても損した気分になってしまう。

一方でパターンBは、10ドル紙幣がなくなったことと映画のチケットとは無関係なので抵抗感が少ないのです。

ただ整理してみると、AもBも結果は同じで、使ったお金は20ドル、そして同じ映画を観るわけです。実際の結果は同じであるにもかかわらず、YESの回答率がこれほどまでに変わることを「埋没費用(サンクコスト)効果」といいます。

つまり、一度支払ったコストが心理的負担となり、非合理的な行動をとってしまうということ。

トレンドフォロー59の啓示』の著者、マイケル・W・コベルは同著のなかでこのように記しています。

残念なことに、多くの人が埋没費用に対して相反する感情を抱いています。頭のなかでは、すでに使ってしまったお金について何もできないことがわかっていても、心のなかではくよくよ考えてしまうのが、羊のように群れるトレーダーの標準的な行動なのです。(『トレンドフォロー59の啓示』より)

人は過去を切り離すことを辛く感じるものなので、どうしても埋没費用に左右されて意思決定を誤ります。損切するのがもったいないと感じる人が、ナンピンを繰り返してしまうのはこのためです。

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おかげさまでAmazonのレビューでも、高評価を頂戴しています。
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