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知っておいてほしい「お金の知識」 Vol.6-2 ~iDeCo~(中編)

 それでは、前回の続きになります。(もしかしたら、こちらの方が興味があるかも?! 前回の投稿はこちら↓)

 ここからは、iDeCo加入後の注意点やメリットについて、書いていこうと思います。

 毎度しつこいようですが、記載内容に関しては、勧誘や推奨を目的とはしておりません。ですので、加入する際の判断や取り組んだ結果については、全て自己責任の上で行っていただきますようお願い申し上げます。 
 また、ファクトチェックは毎度のごとく行いますが、内容に不備やご指摘などございましたら、遠慮なく仰っていただきますよう、重ねてお願い申し上げます。

 *一部内容について、4/28に修正いたしました。ご了承ください。


加入後の注意

 加入して、実際に拠出が始まった時、1つだけ気を付けていただきたいことがあります。それは

  • 運用指図(=拠出した掛金でどの商品をどの程度買うのかという指示)をしておかないと、定期預金を購入していく。

という点です。
 iDeCoの商品構成は各金融機関ごとに違うのですが、「購入商品のラインナップに必ず定期預金を組み込むこと」になっています。リスクを出来るだけ避けたい人向けの選択肢としてなのですが、運用指図がないままだと、この定期預金を購入し続けてしまいます。ご存じのように、日本の預金利息は(ようやく多少の利息がつくようになりそうですが、)微々たるものですので、このままではほとんど運用益が生まれず、ただの「積立預金」になってしまいます。

 これではiDeCoのメリットを活かしきれませんので、加入後は必ず金融機関の専用サイトにログインし、運用指図をして下さい。運用指図のポイントは、この後触れたいと思います。(個人的なものにはなりますが) 

iDeCoの特徴(メリット編)

 ここからは、iDeCoの特徴としてまずはメリット(利点)について書いていきます。*デメリット(注意点)については、次の投稿で。

 メリットとして考えられるのは、主に

  1. 掛け金が全額「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除の対象。

  2. 運用指図を自分で決められる。

  3. 運用益は非課税。

 の3点が挙げられます。ほんとはもう少しあるのですが、インパクトが大きいものとして以上の特徴を挙げてみました。それでは順に説明していきますね。

1.掛け金が全額「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除の対象

 これは、所得税の確定申告や年末調整に関係してくる部分ですが、特に年末調整をされている方々などは是非知っておいてほしいメリットになるかと思います。詳しくは以下の投稿をご覧ください。

 ちなみに見出しの「所得控除」とは、給料や配当、運用益などの収入から、様々な要因で必要な出費だと認められて差し引ける額のことです。何種類かあるのですが、この所得控除対象の合計額を収入額より引いた金額に税率をかけて税額を算出するので、所得控除額が多ければ多いほど所得額が減りますので、所得税額を少なくすることが出来ます。

 ここで、確定申告にしろ年末調整にしろ、申告する項目を思い出していただきたいのですが、

  1. 家族構成を申告
    (扶養家族を確認し、扶養控除の適用範囲を確定する。)
    *扶養控除については、こちらをどうぞ(過去の投稿へと飛びます。)

  2. 加入している生命保険料額を申告
    (年間保険料額を確認し、生命保険料控除の適用可能額を確定する。)

 と、ここまではほぼ全ての方がされていると思います。(保険に加入されていない方は1.しかありませんね。)

 ですが、2.の生命保険料控除に関しては、控除額の上限が決められています。
 現在の制度(いわゆる新制度)では ①一般生命保険料 ②介護医療保険料 ③個人年金保険料 が対象となっています。そして、それぞれの保険で支払った保険料の全額が対象ではなく、年間の支払額(同じ種類の保険に複数加入している場合はそれらを合算した額)に応じて計算式があり、その計算で求められた額が控除額として所得より引ける額なのですが、その控除額の上限がそれぞれの保険種類ごとに4万円まで、合計で12万円までとなっています。

 とすると、生命保険料控除の上限いっぱいの12万円の控除を受けるには、単純に計算して ①上記3種類の保険に最低でも各1つずつ加入 ②その3種類の年間保険料合計額が最低でも24万円を超える ようにしなければならない(さらに各保険でそれぞれ8万円超)ということになります。控除率で言うと50%ということになりますね。でもこれだと、対費用効果で考えると結構大変だと思います。(それに、保険は控除のことを考えて加入することはないでしょうし。)

 ところが、iDeCoに加入していると、年間に払った掛け金額の全額が控除の対象となるので、例えば月1万円の掛け金とすると年間で12万円となり、その全額が所得控除となります。

 それに、生命保険料控除のような上限もありません。
*厳密には拠出限度額がありますのでそこまでなのですが、1番少ない方でも年間14万4千円(1万2千円/月)ですので、支出に対する控除額の割合で言ったら、こちらの方が大きくなりやすいです。

 というわけで、先の生命保険料控除と比べても、いかにiDeCoの掛け金が所得に与えるインパクトが大きいかが分かってもらえるんじゃないかと思います。

2.運用指図を自分で決められる。

 これは、実は公的年金でも行われていることなのですが、公的年金でいう年金保険料(iDeCoでは掛け金に相当)は、ただ積み立てているだけではなく、「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」という機関で様々な金融商品を購入して運用しています。 *名前のところにHPのリンクを貼っておきました。興味がある方はどうぞ。

 これと同じようなことをご自身の掛け金で行えるのがiDeCoの特徴です。つまり、運用がうまくいけば拠出した金額以上の年金を準備することが出来るということです。実際に運用する商品は投資信託がメインになりますが、その構成はiDeCoの契約をした金融機関により違いますので、それぞれのラインナップを確認していただき、その購入割合を決めていただくことになります。

 なお、購入商品を決める際の個人的なポイントについては、後の投稿で書きたいと思います。(投資の内容になるので、その部分は有料とする予定です。もし参考としていただけるようでしたら、その時はそちらもご覧になってみて下さい。)

 ですので、ご自身が拠出できる掛け金がどれぐらいで、どの程度の期間拠出できるか(=60歳まで何年あるか)によって、拠出総額が分かりますので、用意したい金額が決まっているのならば、その差額分を運用益で賄わなければならないですから、必要な利回りが何%なのか自ずと分かってきますし、ちょっと現実的ではない利回りになったら、拠出額を増やすなど取り組み方を柔軟にして臨んでいただければと思います。(購入割合の変更や購入後の商品入れ替え=スイッチングは、後からでも可能です。)

3.運用益は非課税

 これも先ほどの1.と同様、税制面でのメリットになりますが、こちらは実際に給付を受けるようになった時に得られるメリットです。

 形態からもお分かりのように、iDeCoは金融投資の制度です。通常の株式や投資信託でしたら、売却益(=運用益、売却時の価格から購入時の価格を引いた儲けの分のこと)には約20%の税金(所得税 約15% 住民税 5%)が課せられます。

 しかし、このiDeCoでは、その運用益への課税がありません。つまり、儲かった分はそのまま手元に入ってくる=年金として給付されるということです。この仕組み、どこかで見たことありませんか?

 ・・・そうです、NISAです!この部分はNISAと同じですので、NISAについて知っている方はそのメリットをより感じてもらえるのではないかと思います。

 しかも、iDeCoの場合はそのメリットを得られるのは、早くても60歳から(iDeCoの基本的な受給開始年齢。60歳時点で加入期間が10年未満の場合は、それ以降の決められた年齢に達した時から。)なので、効率よく運用していれば、その恩恵は計り知れないものになるでしょう。

ここまでのまとめ

 ここでは、iDeCoの加入後の注意点と、加入することで得られるメリットについてお伝えしてきました。少しはお分かりいただけたでしょうか?ですが、ここでお伝えした部分が全てではありません。

 何度かお伝えしましたが、iDeCoは新NISAと一緒に語られることが多いように、「金融投資」によって積み上げていく「年金」です。ということは、ここで語られたメリット同様、デメリット(注意する点)もあります。この両方をご自身なりによく理解した上で、無理のない範囲で取り組んでいただきたいので、次の投稿ではそのデメリット(注意する点)についてお伝えします。

 長文失礼しました。最後までお読みいただき有難うございました。


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