知っておいてほしい「お金の知識」 Vol.6-1 ~iDeCo~(前編)
はじめに
だいぶご無沙汰となってしまいました。皆さん、いかがお過ごしでしたでしょうか?
世の中は先日、日経平均が初の4万円超えを記録し、(現時点では下げ基調のようですが)今年の春闘も賃上げムードで盛り上がりそうな気配ですね。
投資の世界でも、年明けから「新NISA」が始まり、自分のところにも「どんなものなの?」「どうするのが良いの?」などの相談(という名の雑談?!)が多く寄せられています。そこについては巷に情報があふれかえっているので、自分としてのスタンスとして一言だけ伝えています。
「前から(投資を)やってるなら、現状維持。」
「これから始めるなら、まずは家計の見直し。」
「旧NISA(特に一般NISA)をしていた方は、2019年からの分が満期になるがロールオーバーは出来ないで、売却時期を検討の上、今後の投資スタンスを決める。」
まあ、何かの機会に触れるのも良いかなとは思っていますが、このno+eを含め、これだけ語られているトピックなので、改めて語れることはないかなぁ~というのと、もう少し浸透して落ち着いてきたところで、自己検証を兼ねて語る機会を設けようかなと思っています。
そして今月から新年度が始まりました。
新社会人として社会への第1歩を踏み出した皆さん、新たな学びの場へと進む児童、生徒、学生の皆さん、そして異動や独立などで新たなステージへと進まれて新年度を迎えた皆さん、遅ればせながらおめでとうございます!
この時期になると、ようやく新しい環境に慣れ始め、少し周りの状況が見えてくる頃じゃないかと思います。そうなってくると、自分がしたいことが具体的になってきて楽しみになる反面、まだまだ先が見えないことに不安を感じるといった期待と不安が入り混じった複雑な状態かと思われます。
ですが、何事もまずは1歩踏み出すことから始まります。その1歩を次の1歩へと繋げていくことで前へ進めます。進めばその先の景色が見えてくるでしょうから、まずはとにかく進んでみましょう!皆さんのこれからはまだ誰にも決められていません。決めるのは皆さん自身です。自信を持って進んで下さい!
と、柄にもなくアツくなってしまったので本題へ。
今回は時期的にも新年度が始まったこともあり、新社会人の皆さんを始め、これからを改めて考えてもらうきっかけとして、「是非関心を持ってもらいたい!」「注目度が高まって欲しい」という思いを込めて、「iDeCo」について書いてみようと思います。
今回も「投資」に関係する内容となるため、記載内容が結果を保証するものではないことを予めお断りさせてもらいます。またいつものように、ファクトチェックは行いますが、万が一不備や間違いがありましたら、ご指摘のほど、宜しくお願い致します。
それと、過去の自分の投稿内容を見返してみて、少々長文になる傾向があるので、今回からキリの良いところで区切って分割して投稿することで、読みやすくなるようにしてみますので、よろしくお願いします。(もし宜しければ、そこについてのご意見やご指摘をいただけると有難いです。)
iDeCoって、何?
名前はだいぶ聞くようになりましたね。「新NISA」と一緒に語られることが多いのも1つの要因かと思いますが、そもそもiDeCoとは何なのでしょう?
日本語で「個人型確定拠出年金」のことを指しています。
ここで「確定拠出年金」について、簡単に触れておこうと思います。
「確定拠出年金」とは、漢字を見てもらうと何となく分かるかもしれませんが、拠出(=払う保険料。iDeCoでは掛け金といいます。)額が確定している(=決められる、一定である)年金のことになります。つまり、
毎月払う年金保険料(掛け金)額を自分で決められ、
その拠出額と運用益の合計額を基に、将来の給付額が決まる年金
ということになります。似た用語で「確定給付年金」というものもありますが、こちらは、将来受け取れる給付額(=年金受給額)が確定している年金という意味になります。字は似ていますが、中身は全然違うものになります。もし興味がある方は、ご自身の会社が採用しているか確認してみるのも良いかもしれませんね。
iDeCoに話を戻しますが、これは皆さんがよく聞くいわゆる「国民年金」や「厚生年金」とは違った、強制ではない自分の意志で加入や運用を決める年金になります。
iDeCoを始めるには
では今度は、iDeCoを始めるにはどうすれば良いのか?
まず、加入条件ですが
国民年金の加入者
これだけです。
ここで「国民年金」と聞いて、「自営業者とかだけかよ~」と思った方、よく知ってますね~!確かに、単に「国民年金」と聞いてしまうと、そう思われる方もいるかもしれません。ですが、年金制度に詳しい方はご存じかと思いますが、国民年金は公的年金制度の”1階部分”であって、ほぼすべての成人の方が強制加入するものです。
つまり、
日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人で、次の2及び3に該当しない人。*但し、農業者年金の被保険者の方や保険料免除の方は除く。
(ここに該当する方々を、国民年金の第1号被保険者と言います。)厚生年金保険の加入者。具体的には会社員や公務員などいわゆる”お勤めの方”
(ここに該当する方々を、国民年金の第2号被保険者と言います。)第2号被保険者の被扶養配偶者で、国内居住の20歳以上60歳未満の人。具体的には、会社勤めの方に養ってもらっている”専業主婦(主夫)の方”
(ここに該当する方々を、国民年金の第3号被保険者と言います。)
という形になります。つまりは、成人された方はほぼ全てが対象です。
その他に、iDeCo加入及び利用に関して、少し条件というか制限があります。それは、
号数と他の年金の加入状況、お仕事の内容などにより、拠出限度額が違う。
1号の方は、他に加入している個人年金(国民年金基金や付加年金)への拠出額によっては、iDeCoの拠出限度額未満までしか拠出できない場合がある。
2号の方は、お勤めの会社が導入している年金制度(確定給付型や企業型確定拠出年金)によっては、iDeCoの拠出限度額未満までか、状況によっては加入できない場合がある。
といった点です。もし加入を検討される方は、ご自身が加入できるのか、加入できるならどの程度まで可能なのかを会社などに問い合わせていただければと思います。
特に2号の方は、加入する際に口座を開設する金融機関へ、会社が加入している年金の状況を証明する書類の提出を求められる場合もありますので、必ず担当部署へ相談してください。
*拠出限度額については、ちょっと複雑なのでここでは割愛させていただきます。もしお知りになりたい方や制度の細かい点は、こちらから(実施団体である国民年金基金連合会のHP)
それらが分かったら、加入したい金融機関(銀行や証券会社など)へ加入の申込をして、ご自身の拠出額を決めていただければ加入になります。(金融機関ごとに違いますが、加入申し込み後に審査などもあり、実際の拠出、運用が始まるまで1~3か月程度かかる場合もあるようなので、その辺も加入する金融機関に確認しておくことをお勧めします。
ここまでのまとめ
ここまでは、iDeCoの概要と始め方について触れました。少しはお分かりいただけたでしょうか?基本となる部分の要点に絞ってお伝えしましたので、より詳しく知りたい方や加入をお考えの方は金融機関からもらえる加入資料や本などをよく読んでいただき、検討材料としていただければと思います。
次の投稿では、実際に加入した後の注意点やどういった特徴(メリット、デメリット)があるのかなどを書いていきます。どうぞお付き合いください。(下にリンクを用意しました。)
長文で失礼いたしました。最後までお読みいただき有難うございました。