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知っておいてほしい「お金の知識」 Vol.7-1 ~住宅ローン~(前編)
だいぶ間が空いてしまいました。
前回の投稿は5月ですので、過ごしやすい時節から夏の気配を感じ始めた頃でしたが、今は梅雨も明け、連日の猛暑に皆さんの中にもだいぶ参ってしまった方もいらっしゃるかと思います。どうぞご自愛いただきますようお祈り申し上げます。
投稿がなかった期間の出来事などは、別の機会にさせていただこうかと思っていますが、今回はシリーズ投稿の方をさせてもらいます。
今回のテーマは「住宅ローン」について語ってみようと思います。
「家を買う」時にほとんどの方が関わるもの。「住宅ローン」。
人生で一番高額になるであろうものを手に入れることを夢見て、生活を工夫されたり、貯蓄に勤しんでいらっしゃる方も多いと思います。
ですが、実際に家を購入する際にローンの詳細についてを具体的な話をすのは、既に建てられた方はご存じかと思いますが、施工契約をする直前だったりします。(それまでに予算などの大まかな資金の話はしますが)
となると、けっこう慌ただしい中で何千万円もの”借金”の契約をすることになるので、事前に「知って」おくことで違う見方や思わぬ気付きがあるかもしれません。それが後々の大きな「差」を生むことも十分考えられます。
そのためにまずは「住宅ローン」とは何なのか?どういう違いがあるのか?どういうものなのか?などを知っておくことが重要かと思います。今回はその辺について確認していこうと思います。
毎度のことではありますが、内容に関して十分吟味をした上でアップしますが、間違いなどがありましたら遠慮なくご指摘いただきますよう宜しくお願い致します。
★「住宅ローン」って何?
と言われても「家を買う時に組むローンのこと」と言われてしまえばそれまでなのですが、そこはこのシリーズですので、もう少し掘り下げていこうと思います。
そもそも、「ローン」とは
一括では支払えない高額のモノを購入する際に利用する借入金
と言えるかと思います。「借入金」とはそのまま”借金”のことです。
ではどこから借りるのか?と言えば、ほとんどの場合「金融機関」といわれる銀行(ゆうちょ銀行を含む)や信金、信組や協同組合(JAなど)、そしてノンバンクといわれる「信販会社」などになります。
ここで一つ、当たり前のことですが押さえていただきたいのは
お金を貸してくれるところは「営利団体=企業」である
ということです。どういうことかというと、
「貸す側は、お金を貸すことを事業とし、そこから利益を得ている」
ので、借りた側(=返す側)は、借りた元金に貸す側にとっての「利益」である”利息”を上乗せした「返済額」を予め決めた期間中、返し続けることになります。(厳密にはその中からさらに企業側の諸費用を差し引いた額が利益になります)
「そんなこと、分かってるよ!」とおっしゃる方も多いと思いますが、この”利息”があるがゆえに起こるのが
借りた額に対して、返す総額の方が多くなる
返済方法によって、返す総額が変わる
ということが起きます。ここをしっかり押さえたうえでローンについては考えていただきたいと思います。
★「借りられる額」が「返せる額」ではない!
これは、先ほどの1.に係ってくる言葉になりますが、ローンというのは先ほど書いたように「貸すことが事業となっている」ので、企業側の立場で平たく言ってしまえば「たくさんの人に借りてほしい」のです。
ただ、どんな状況の方でも貸してくれる訳ではありません。貸す側からすると借りる側に「返してもらえる」確証がなければ、貸せませんよね。これは、普段の生活の中でもあり得ることですので、理解できると思います。そのために貸す側は「審査」をします。具体的には
年収
勤め先
過去及び現在の借り入れ状況
過去の返済実績
などが対象となります。(他にも借りるところ独自の判断基準などがある場合があります。)これらから、「これから借りようとしている金額を利息を乗せても返すことが出来るか?」ということを判断して、最終的にお金を貸してくれるわけです。
ここで、聡い方は気付いたかもしれませんが、先ほどの対象となる事柄は「過去」もしくは「現在」のことです。つまり、当たり前ですが「未来」のことは何も考慮していません。さらには、「現在の収入」は見ますが「現在の支出」については何も触れません。どういうことかというと
過去や今の状況から総合的に判断すると、あなたは返せる人とみなせるのでお貸しします。
=今の支出状況に関しては、何ら考慮していませんし、あなたの将来設計や今後の展望に関しては一切関知しません。
と言っていると捉えることもできます。ですので、
「貸せます」という金額に対して、貸す側が「返せる」という
”お墨付き”を与えたから貸す”わけではない!”
ことをしっかりと認識して欲しいです。家を建てる際には「借りられるだけ借りて建ててはいけない」という方がいらっしゃるのは、そういう観点からです。
借りる際は、現在はもちろんですが、
今後の収入状況の変化やライフイベントに伴う支出の増減などをしっかり予測、予定して把握
今の支出状況を出来るだけ改善
貯蓄によるある程度の住宅資金の準備
をしていただいた上で、住宅購入をしていただきたいです。
★「金利」の存在
住宅ローンを語るうえで、必ずポイントとなる「金利」。
一般的に「金利」というと「利率」を表すことが多いですが、住宅ローンの時の「金利」というと「固定か、変動か」という点が主な論点になります。これは返済に際し、非常に重要なファクターなので、気になる方や詳しい方も多いかと思いますが、一度違いを踏まえて整理したいと思います。
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主な特徴としては上記のようなものがあると思います。これに関しては、どちらにも良い点、注意すべき点があり、どちらが良いというのはありません。利用される方が「どこに重点を置くか?」がポイントになるからです。
返済額の負担をできる限り少なく抑えたいと思う方は、変動金利の方が良いかもしれませんし(かもしれないとしたのは、今後の金利情勢によっては固定金利を上回る可能性もなくはない為)、将来設計を考えておきたい方や今後のライフイベントが目白押しなのが分かっている方などは、返済額が一定になる固定金利の方が良いかもしれません。
ですが、あくまで一般論であり、内容をよく吟味しご自身の現状と将来性を良く把握した上で、決めるべきだと思います。どうしても決めかねるときは、お近くのFPや「住宅ローンアドバイザー」の資格を持つ方に相談してみましょう。
★一先ず、まとめ
いかがでしたでしょうか?
「住宅ローン」は、とても大きな金額と長い期間向き合う人生最大の「試練」のようなものかもしれません。
ですが、どういうものかを知り、自分の許容範囲を知ることで、人生最大の買い物を実現できる有効な「ツール」として活用することが出来ると思います。
最初にも書いたように、家を買う上でほとんどの方が利用するものですが、自分のそしてご家族の豊かな未来を実現するために購入したのに、「背伸び」をしたり、「見栄」を張ったりして、実情に見合わないローンを組んでしまったために、その家のローンで他のすべてを我慢したり、生活を圧迫したり、果ては短期間で手放さざるを得なくなってしまうのは、あまりにも悲しいですし、そもそも本末転倒と言わざるを得ないと思います。
高いからこそ、手に入れたいからこそ、それまでの段階できちっと準備をすることが大事になってくると思います。
そのような点からも次回は、ローンの「返し方」や「ローンが持つ別の意味」などについて、書いていきたいと思います。
毎度、長文失礼いたしました。ここまでお読みいただき有難うございました。
宜しければ引き続き(後編)をどうぞ。