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私の工場経営ノウハウ(9)ワンチームの工場

2019年のラグビーワールドカップでは「ワンチーム」という合言葉のもと、日本チームの活躍が素晴らしかったですね。工場運営もこの「ワンチーム」が大切です。こちらのワンチームは、社長・工場長の方針と目標のもと全従業員が各々の持ち場で、目標を達成すべく努力することです。また、目標達成するためSWOT分析をもとに勝てる作戦とそれを可能にする準備・トレーニングがあることです。また、その仕事ぶりが顧客に感動を与えればファンが増え、成果が膨れ上がります。

まずは現在の「ワンチーム度」を計測してみましょう。以下に、10の質問をします。すべてに「YES」と答えられれば、あなたの工場は「ワンチーム度100%」です。
1) 社長・工場長は従業員に「夢」を語っていますか? 「夢」をかなえるために5年・10年後のあるべき姿を語っていますか?  従業員は「夢」をもっていますか? こちらの夢は個人的なことでもいいです。私には次のような信念があります。「夢があれば精進できる。」
2) 新年度が始まる前に、全従業員を前に工場長が前年度の成果と反省、続いて新年度の予算方針を発表、説明していますか?   この中には各部門の予算が示されていますか? 
3) 毎月工場の全体朝礼を行い、先月の安全衛生、品質、生産(納期及び生産量遵守)のレビューと当月の注目すべき課題を全従業員で確認していますか? 
4) 各部門、各現場は毎日朝礼、夜勤があるところは夕礼を行い、前日のレビューと当日の計画、課題について確認すると同時に、課題については対応策を共有していますか? 従業員からの意見を吸い上げていますか? 従業員が納得して作業に掛かっていますか?
5) 従業員およびその家族に問題あるとき、工場長まで情報が上がってくるようになっていますか? 100人以下なら工場長又は部門長は従業員の名前と担当業務をすべて言えますか?
6) 部課長会議を開催していますか? 部課長会議では、毎月、業績会議、受注・フォーキャスト会議、生産実績・計画会議、社内外不良実績・対策会議、安全衛生会議を行っていますか? これらは月2回又は3回の部課長会議でまとめてもいいです。 そこでPDCAが回る仕組みはありますか?
7) 従業員は会社の業務に関する個人目標を持っていますか? その個人目標は、工場予算、部門予算を達成するように組まれていますか? 個人目標をもとに上長と部下の面談を行っていますか? そこで、上長はどんな支援をすれば部下の目標達成が可能になるか話し合っていますか?
8) 工場長、部門長は特段の用事がない限り、毎日製造現場を歩き、従業員に声を掛けていますか? 従業員の仕事に対する自慢話や不満を聞いていますか? 従業員の提案や要望に対して、1週間以内に回答をしていますか? そのやり取りがSNSや掲示板で従業員全員が見えるようにしていますか? 
9) 自分の後継者を工場長自ら育てていますか? 各部門長もそれをしていますか?     従業員が成長できるような機会を与えていますか? 
10) 山本五十六の教育方針を知っていますか? 

 心を込めてネジをしめ検査をして製品を作っているのは作業者です。作業者に見えて製造課長や工場長に見えないものがたくさんあります。工場を経営しているのは工場長です。工場長に見えて部門長や作業者に見えないものもたくさんあります。ワンチームになって皆の力を一つにすることが工場の能力を最大限引き出すために必要です。そういう意味で上記の質問は、すべてがコミュニケーションとその準備、心構えに関するものでした。ワンチームは「心」を一つにすることです。最後に山本五十六連合艦隊司令長官の教育方針を下記します。
「やってみせ、説いて聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
 やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」


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