10月から変わった「ふるさと納税」は、どう使っていくのが正解?
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10月から変わった「ふるさと納税」は、どう使っていくのが正解?
みなさまは、「ふるさと納税」を活用していますか?
2,000円の自己負担で、高級食材やホテルの宿泊など、さまざまな返礼品がもらえるだけでなく、ポイントサイトを経由すれば、ポイントまで貯まってしまう!
まさに「お得な」制度として、すっかり定着した感じがありますね。
そのぶん、都市部の住民税は流出が進んでいて、
このままでは住民サービスが低下しかねない・・・ということで、
東京や大阪などの都市部でも魅力的な返礼品を用意して、
なんとか流出分を取り戻そうとしています。
育ててくれた故郷への貢献や、地域の活性化が本来の趣旨だったのですが、
やや行き過ぎている状況も見られるね・・・ということで、
だんだん基準が厳しくなる方向で改正されています。
2024年10月からは、いくつかルール変更があったのですが、ご存じでしょうか?
1)宿泊・旅行関係の返礼品の条件が厳しくなった
次の3つの条件全てが当てはまる場合は、原則として返礼品にできなくなります。
宿泊施設の運営会社が、都道府県をまたいで複数の宿泊施設を展開している場合
運営する宿泊施設に共通のブランド名を冠している場合
1名1泊あたりの費用が5万円(寄付額目安として16.6万円以上)を超過する場合
ま、要は高級ブランドホテルや旅館の宿泊券はなくなるということですね。
横浜市の「ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜ザ・カハラ・グランド・ハーバービュー」の1泊2食ペア宿泊券(寄付金額50万円から)
京都市のフォーシーズンズホテル京都・フォーシーズンズルーム1泊2食付ペア宿泊券(寄付金額73万4千円から)
などはなくなりました。
とはいえ、ベースの寄付額が高いので、あまり影響しないよって方も多いかもしれませんね・・・💦
2)募集に要する費用について、ワンストップ特例事務や寄附金受領証の発行などの付随費用も含めて寄附金額の5割以下となった(募集適正基準の改正)
これまでは、ふるさと納税に付随する事務費用や送料も含めた金額は寄付金額の5割以下、そのうち返礼品が占める割合は3割以下と定められていました。
この5割条件の中に、ワンストップ特例事務や寄附金受領証の発行などの付随費用も含めることになったわけです。
これによる影響としては、
同じ返礼品の寄付金額が以前より1,000円前後上がる
同じ寄付額の返礼品の量が以前より減る
ワンストップ特例申請書の送料が利用者負担に変更される
こんなパターンが考えられます。
3)加工品のうち熟成肉と精米について、原材料が当該地方団体と同一の都道府県内産であるものに限り、返礼品として認める(地場産品基準の改正)
これは、外国産のお肉を地元で加工した「熟成肉」とか、他県で収穫されたお米を地元で精米した「お米」とかは、地場産品として認められなくなるということです。
こちらは選択肢が減るという意味で、大きな変化になりますね。
ふるさと納税では有名な、「大阪府泉佐野市」などは、もろに影響を受けています。
4)地場産品とそれ以外のものをセットにする場合、附帯するものかつ地場産品の価値が当該提供するものの価値全体の七割以上であること(地場産品基準の改正)
これは、地元で作られた「そば」と区域外で作られた「そばつゆ」のセットというように、複数のものを組み合わせる場合のルールです。
「そば」と「そばつゆ」なら関連するので、地元で作られた「そば」の価値が返礼品全体の7割を超えていればOKということですね。
もともと、関連性があって主要な部分を占めるものという決まりはあったのですが、今回の改正で、「附帯するもの」かつ「返礼品の7割を超える価値」という追加条件がつけられました。
例えば、
地元のタオルと区域外で製造されたビールをセットにしたもの
海外製のタブレット端末に、地元を探索できるアプリをダウンロードしたもの
地元のハチミツと海外製のフライパンをセットにしたもの
みたいなものはNGになりました。
あまり特産品がない地域が、絞り出すように生み出していた返礼品セット作戦が、のみなみ使えなくなったというところですね。
全体を通して言えることは、
「地場産品」の定義をより厳格にしていく
必要経費とみなす範囲をより広げていき、自治体に残るお金を増やす
こういう方向性だということです。
ちなみに、1年後の2025年10月からは、ポイントサイトからのポイント還元が禁止になります。
これも「自治体に残るお金を増やす」ためのルール変更です。
ポイントサイトのポイントって、勝手に湧いてくるものではなく、
出品者である各自治体が払っている手数料を原資にしています。
つまり、ポイント還元がなくなれば、そのぶんサイト運営会社に対して自治体が支払うお金は減るよね、だから税金がちゃんと自治体に入るよねという理由です。
こうした変化は、今までの大盤振る舞いに比べたら、ちょっと淋しくなるかもしれません。ですが、それでもお得なことには変わりがありませんよね。
ふるさと納税をすることで、今まで知らなかった地域の名産に出会えたり、
お金をかけずに、国産の質の良いものを食べられたりするわけです。
それだけでも十分にありがたいことなので、
多少の返礼率の低下やポイント還元率の低下はあまり気にせずに活用して行けば良いでしょう。
どちらかというと、「返礼率」がいいかどうかにまどわされずに、
本当に自分にとって必要なものを、返礼品としていただくように心がけると満足度があがります。
他の視点からは、大雨や地震などの災害にあった地域に何かしたいというときにも有効です。
他の自治体が事務を代行する形で、ふるさと納税を活用した支援金の受付を行うことがあります。
被災地が、ふるさと納税の事務手続きをこなすのは大変ですから、
自治体間の助け合いという仕組みができているのですね。
また、最初から返礼品を決めてしまうのではなく、
各地域での実際の活動内容を知るところから入っていき、共感するところに寄付をするというのも面白いです。
ふるさとチョイスのwebサイトには「読むふるさとチョイス」というページがあります。
工夫を凝らして新たな名物を生み出していたり、
世界に誇れる優れた技術を持っていたり、
伝統を守りつつ、新たな要素を盛り込んで行ったり。
地域を変えよう、新たな取り組みをしようと行動を起こしている人々の想いに触れることができますので、興味・関心をもったところに支援をすることも可能です。
ふるさと納税という仕組みを活用して、地域の名産などに光が当たり、そこにお金が回っていくということは、良いことだと思います。
というのも、いくら良いものであっても、しっかり守らないとなくなってしまうからです。
私たちの力だけではどうにもならないこともありますが、
多くの人々が「知る、使う、広める」そして、お金を落とすという行動を続けることは、伝統的なものや受け継がれてきた技術などを守る一助になるのですね。
目先の細かな還元率だけにとらわれすぎず、
日本の良いものを残しながら、恩恵を受けていくという気持ちで活用してみると、ふるさと納税との向き合い方も、また1つ変わってくると思いますよ!
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