FP2級はCBT方式に変わります。ポイントと注意事項について
FP2級の試験は2025年4月1日からCBT (Computer Based Testing) 方式に完全移行します。2025年1月の試験をもって、集合形式の試験は終了します。
この記事ではCBT方式のポイントと、すでにCBT方式に移行している3級の状況を踏まえて、注意点などをお伝えします。私自身、FPのCBT方式の経験はありませんが、他の資格試験でCBT方式を受験した経験があります。その経験を踏まえた情報提供となりますので、厳密にはFP試験と完全に一致しない可能性があることをご了承ください。
CBT方式の主な特徴
試験概要
対象試験:2級FP技能検定 学科試験(120分)及び実技試験(90分)
試験会場:全国約360のテストセンターから選択可能
試験日時:2025年4月1日から通年で実施(年末年始、3月、5月下旬を除く)
受検者が希望する日時で受検可能
試験会場が多くなることで、自宅から近い会場での受検が可能になります。試験会場までの交通機関についての心配が減るのは、心理的障壁がさがります。
申請方法と期間
Web申請のみ(日本FP協会のホームページ経由)
申請開始:2025年2月3日(月)午前10時から
試験日選択:申請日の最短3日後から最長3カ月後まで
CBT方式の利点として、試験日を自由に選べる点が挙げられます。しかし、これが若干の欠点ともなり得ます。特に、優柔不断な人にとっては(筆者のように)、試験日を「エイッ」と決めるのが難しいかもしれません。このような場合には、あらかじめ目標となる日を設定し、その日に向けて計画的に準備を進めることが重要です。
試験内容と結果
出題形式や合格基準に変更なし
受検者ごとに試験問題が異なる
テストセンターのPCで解答
合格発表:試験日翌月中旬にWebサイトで公開
点数は試験当日に判明
CBT方式の最大のポイントは、受検者ごとに異なる問題が出題される点です。試験問題は持ち帰り不可(計算用紙も持ち帰り不可)なので、過去問の蓄積が難しくなります。
過去10年分の過去問対策ができれば十分と考えられますが、出題傾向が変化したり新法令に基づく問題が増えた場合、個人での過去問対策が難しくなる可能性があります。そのため、「過去問道場」などのサイトを活用することをおすすめします。
また、試験結果がその場でわかるのは大きな利点です。自宅に戻ってから自己採点をする手間が省けます。ただし、その場で合否判定はされない点には注意が必要です。しかし、合格ラインに達していれば99%の確率で合格するため、安心して良いでしょう。
受検手数料と支払い方法
学科:5,700円、実技:6,000円(非課税)
支払方法:クレジットカード、コンビニ払い、Pay-easy
試験会場などの手配などにかかるコストが下がりそうで、受験料値下げも期待したいところですが、ここは従来から据え置きです。
その他の特徴
試験日の3日前まで日時・会場変更可能
同じ試験の再受検は前回試験日翌日以降に申請可能
受検は月1回まで
CBT方式への移行により、受検者は自分の都合に合わせて試験日程を選択できるようになり、より柔軟な受験が可能になります。
CBT方式による注意点
すでにCBT方式に移行しているFP3級での感想などを、インターネットから集めてみました。
好意的な意見
試験の柔軟性
自分の都合に合わせて試験日を選べるため、気軽に挑戦できる
学科試験終了後、すぐに実技試験を開始できる
CBTシステムの使いやすさ
残り時間が表示されるので、焦らずに試験に臨める
全体的にストレスなく受験できた
電卓の使用
電卓の操作に慣れるのに時間がかかることがあります。特に、画面上の電卓を使う際には注意が必要です。
複雑な計算では、紙に書いて計算した方が早いこともあります。
「%」ボタンがないなど、通常の電卓との違いに戸惑う受験者もいます。
電卓の使用が一番のハードルになると考えられます。試験では自分の電卓を持ち込むことができないため、使い慣れた電卓からPC上のマウス操作の電卓へと切り替える必要があります。特に実技試験ではスピードと正確性が求められるため、十分な注意が必要です。対策としては「過去問道場」などでPC電卓を使った問題に慣れるよう訓練を行うことをおすすめします。
PCならではの注意点
誤クリックに注意が必要です(解答選択後の「次へ」ボタンを押す際など)。
問題文に書き込むことができないため、パソコン画面で問題を見ながら解く練習が必要です。
計算用紙としては、配布される白紙を使用する必要があります。問題文に印をつけたりして関連付けができないため、白紙の計算用紙で練習しておくことが重要です。
ご自身の電卓が使えないこと、そして問題文と計算用紙が完全に分離している点で思考の切り替えが煩雑になるかもしれません。しかし、これらの注意事項は事前の訓練で十分に対応可能です。
まとめ
基本的に、試験対策など、今までと何ら変わりません。電卓や計算用紙などの完全分離など、CBT方式ならではの注意点は若干ありますが、事前の準備があれば克服可能です。がんばりましょう。