CFP®試験(2022年第2回・第2日程)の出題分析
2022年11月20日(日)に、CFP®試験(第2日程)が行われました。前記事に続き「出題傾向」「難易度」「時事問題」など、後半3課目について、回答して難易度を確認しました。
リスクと保険
商品知識や経理処理など、定番の問題が続く一方で、例えば
・公的年金や個人年金に係る雑所得
・長期平準定期の経理処理
・圧縮記帳
などは、細かい知識が必要、あるいは注意点の理解が必要で苦戦したのではないかと思います。全体的には標準的な出題でしたが、回答順序を決めていた人や、過去問との違いを察知した受験者が相当有利になったと感じます。
また、生命保険、損害保険ともに資料(約款や商品パンフレット、証券)の読み取り問題が10題以上ありました。確かに必要なスキルだとは思いますが、あまりに多いと読解力だけを試されているだけのような違和感を憶えます。
合格ラインはこれまでと同じ水準だと予想します。今回まとめた「正解しておきたい出題数」は32問/全50問でした。一部、かなり難しい出題があったので、もしかすると少し下がるかも知れません。とは言え、全体的に”難しかった”とは言えないレベルでしたので、従来通りの出題については確実に得点しておきたいところです。
タックスプランニング
冒頭に相当な回答時間が必要な出題が続きました。これは近年の出題傾向通りです。しかし、近年に比べて短時間で回答できる水準のものが多かったです。引っ掛け要素は、ほとんどありませんでした。
今回も減価償却【過去問の詳細解説】について正確な理解が必要で、合否を分けるポイントだったように感じます。金融商品の課税について、ストックオプションの出題がありましたが、あまり気にせず回答すれば良いでしょう。
合格ラインはこれまでより高めではないかと予想します。今回まとめた「正解しておきたい出題数」は35問/全50問としました。厳しめですが、それくらい余裕がないと「合格です!」とは言いにくいレベルの出題でした。とくに、所得税の出題がやさしかったように感じました。
相続・事業承継
概ね、従来通りの出題です。中盤、相続対策に関する出題の指向が変わり、2次相続についての問いが加わりました。財産がどう移ったのかを冷静に判断できていれば問題ありませんが、いくつも注意点があり苦戦したかも知れません。
不動産や金融商品の財産評価についても、やや出題傾向に変化がありましたが、基本事項を押さえていれば乗り切れる内容でした。
合格ラインは、高めかも知れません。今回まとめた「正解しておきたい出題数」は34問/全50問でした。
まとめ
第2日程の試験は、従来よりも難易度が下がったように感じました。リスク管理では資料の読み取りが多く苦戦する場面が多かったかも知れません。また、過去問を精度高く理解しておく必要のある出題がありました。
タックスや相続では久しぶりの出題があったものの、短時間で回答できるものが多く、従来よりと回答しやすかったように思います。また、引っ掛け要素が少なかったので、うっかりミスが生じにくかったです。
今回の試験(2022年第2回)の解答解説を含んだ「新・図解」は2022年末をめどに製作しておりますので、ご希望の方は、いましばらくお待ちください。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。