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CFP®試験にあたって想うこと

 2024年11月にCFP®資格審査試験が行われます。
 今回も多くの方からご依頼をいただき、講義・質問会をお受けしました。

2024年6月試験の振り返り

 受験にあたり、過去を振り返ることは大切なことです。
 前回(2024年6月試験)を受験された方、今回はじめて受験される方、いずれにしても、過去を確認しておくことはとても大切なことです。

 どのような傾向であったか、いま一度確認しておきます。

【1】 金融資産(合格ライン;23点)

 出題者の趣味、人生観に惑わされませんように。

 経済指標や経済データの問題、金融政策に関する問題で正解できる受験者が多かった一方、預貯金の問題、株式・債券投資関連の問題、ポートフォリオ理論の一部の問題、派生商品の問題、金融資産運用に係る制度や法規等の問題で正解できていない受験者が多かった。
 CFP®認定者は、国内外の金融政策、経済金融の動向、各種マーケットの動きや時事的な出来事・制度改正、新商品の動向等を押さえ、これらを実務で活用するための応用力が必要となる。また、計算問題は解法・パターンを暗記するのではなく、本質が理解できるよう深い知識を身に付けたい。

NPO 法人 日本 FP 協会 2024 年度第 1 回 レビュー

【2】 不動産運用(合格ライン;31点)

 計算問題は、過去問を徹底的に取り組むことが大切です。

 不動産所得・事業収支の計算方法及び建物の賃貸借に関する法律知識等については概ね理解できている受験者が多かった。一方、不動産の譲渡に係る税制を苦手とする受験者や不動産価格の動向の情報収集が不足している受験者が多かった。改正法等新しいテーマは準備ができていないため多くの受験者が理解できていない。
 CFP ® 認定者は、不動産の売買や賃貸借ならびに不動産投資や不動産の有効活用に関する相談、助言等に不可欠な不動産に関する調査、法令、価格、税制等の基本的な知識を習得し、これらを実務で活用するための応用力が要求される。公的地価動向や不動産に関する税制および関連する法令の改正動向等の時事的な情報にも気を配る必要がある。

NPO 法人 日本 FP 協会 2024 年度第 1 回 レビュー

【3】 ライフ・リタイアメントプラン(合格ライン;26点)

 介護・育児、労働基準法など、時事ネタの理解が大切です。

 パーソナルファイナンスに関する問題、教育、住宅取得等に係る資金設計に関する問題、社会保険の適用や給付等で正解できる受験者が多かった一方、労働・雇用関連法規、公的年金、企業年金、リタイアメントプランニングの一部の問題で正解できていない受験者が多かった。
 FP実務においては、相談者の状況を把握し、改善等の適切なアドバイスをする能力が求められる。アドバイスに必要な社会保険等の取扱い、教育・住宅資金設計等の基本的な知識や計算能力に加え、それをアウトプットできる応用力を身に付けたい。また、時事的な事項、倫理・コンプライアンス、関連法令・各種制度の制定・改定等をチェックし、常に最新の情報にブラッシュアップしておく必要もある。

NPO 法人 日本 FP 協会 2024 年度第 1 回 レビュー

【4】 リスクと保険(合格ライン;28点)

 資料の読み取り、仕訳方法の理解が重要です。

 生保分野は、保障ニーズとコンサルティング、資産家と相続対策等の問題で正解できる受験者が多かった一方、経営者・役員の保障に関する税務の問題、従業員の保障に関する経理処理の問題で正解できていない受験者が多かった。
 損保分野は、損害保険の制度と仕組みに関する問題で正解できる受験者が多かった一方、損害保険の約款読取り、個人・法人の自動車保険、労働災害総合保険の問題で正解できていない受験者が多かった。
 生保分野・損保分野ともに、保険商品の自由化、事例、提案手法の多様化が進んでいるため、実務や事例に則した活用ができるよう、関連法令や法改正を押さえるとともに、商品の動向等、日常的に情報を収集し知識を身に付ける必要がある。

NPO 法人 日本 FP 協会 2024 年度第 1 回 レビュー

【5】 タックス(合格ライン;28点)

 近年の税制改正を正しく理解しているかを問うものが多いです。

 不動産所得や株式等の譲渡所得と配当所得に関する税の取扱いについては概ね理解できている受験者が多かった。一方で、所得税の所得金額調整控除や損益通算など、また法人税の減価償却や貸倒損失などの分野を苦手とする受験者が多かった。
 タックスプランニングでは、税に関する総合的な知識が要求される。税体系全体に関する幅広くより深い知識とそれをコンサルティング実務に活用できる応用力を身につけるとともに、税制改正などの最新情報も押さえておく必要がある。

NPO 法人 日本 FP 協会 2024 年度第 1 回 レビュー

【6】 相続・事業承継設計(合格ライン;27点)

 贈与税について、税制改正が多くあることを理解しているかを問うものでした。

 遺言及び遺産分割協議に関する知識や相続財産である不動産の評価については概ね理解できている受験者が多かった。
 一方、贈与税及び相続時精算課税制度に関する問題については正答を導けない受験者が多かった。
 CFP®認定者は、相続・事業承継については様々なケースに対応できるよう、総合的な知識が要求される。相続税や贈与税の仕組み、申告と納税にあたっての知識、相続財産の評価、民法における相続の考え方、事業承継等に関する横断的な知識を身につけるとともに、関連する法改正等も押さえる必要がある。

NPO 法人 日本 FP 協会 2024 年度第 1 回 レビュー

2024年11月試験に向けて

定期開催講座は終了します。

 2024年10月末をもって従来開催の
・CFP®実践演習
・CFP®重点対策
・CFP®重点解説
等の講座、講義の定期開催は全て終了いたします。これまで、多くの方々にお支援頂きありがとうございました。

 今後、講座など開催ご希望の方は、こちらよりお問い合わせください。業務の効率化にご理解くださいますようお願い申し上げます。

大切なこと

 試験に合格することは大切な「目標(通過点)」です。大切なことは「目的(目的地)ではない」ということです。
 私は、通過点へ辿りつく方法をお伝えしていますが、目的地はあなたが設定している・設定すべき処ですので、そこへ導くことは致しません。

 いま一度、試験に合格することや、資格をもって取り組みべき課題について考えて頂きたくお願い申し上げます。


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