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日経新聞のレギュラー紙面で日本や世界を俯瞰

総合面 / 長い記事=解説をよく読む

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 日経新聞が「この記事は細かいとことまで知ってほしい!」と思っている情報ばかり並びます。ですので、1つひとつの記事が長くなります。記事が長い分「総合」面では、掲載される記事数は少なくなります。
基本的な読み方としては、やはりトップ記事の前文をチェックすることが第一です。また、なかでも「社説」や特集「真相深層」「迫真」は必読です。

●総合面には3つの柱がある

「総合」には多くのコーナーがあるので、その読み方も自分なりのスタイルをもつと効率的に読むことができます。「社説」「真相深層」「迫真」はゆっくり時間をかけて読みましょう。

❶〈社説〉
日本経済新聞社の意見です。政治、国際、社会的なできごとを経済という切り口で分析し、見解が述べられています。

❷〈迫真〉
会話が中心で進むルポルタージュ形式の記事。ドラマ仕立てでグイグイ読ませます。古いニュースが掲載されることもあります。『あのとき実は……』のような内容になることもあります。

・当時、掲載するスペースが無かった
・今だから言える内容
理由はさまざまですが、歴史の教科書を追うような感覚で読んでみるのも良いですね。

 これまで、私の印象が強かった記事について紹介します。

▼北海道新幹線開業 2016年3月23日

 従来の新幹線に比べて積雪への対策が必要なこと、青函トンネル内のみならず貨物列車とすれ違うこととの多い路線での風圧対策、そしてJR北海道が抱える「メンテナンス」に関する諸事情など、開通に向けてピリピリしたムードが漂った2016年の年明けから話が始まります。
 北海道南部や、青森県北部の「消滅可能性都市」とされる地域は新幹線への期待が大きい反面、大都市札幌では、函館までの開通は「どこ吹く風」状態。オリンピック招致に意気込む札幌市、札幌市民としては、(札幌までの延伸が予定されている)2031年まで、15年も待つことができない!というのと正直な意見です。「まず新青森―新函館北斗間の運営を軌道に乗せることが最優先事項」(国土交通省幹部)とする政府与党の見解は、いつものこと。大都市札幌は、霞が関から遠すぎます。

▼幻のSTAP細胞 2014年6月23日

 生物学の常識を覆す「夢の細胞」として登場したSTAP細胞。その顛末はみなさん知っているように「幻」となりました。
 日本を代表する研究機関である理研の若手研究者が作った!と封が切られましたが「すごい研究成果をもうすぐ発表します」と興奮気味だった関係者の動向も見逃せませんでした。
 翌日からは「金のなる木」と揶揄され、特許が成立すれば、再生医療再生医療銘柄で株価が急騰するなど、マーケットも即座に反応しました。
 経緯は、言うまでもなく「迫真」に記載されているよう
・メディアではSTAP細胞がiPSよりどれだけに優れているかが報道
・ネットを中心に疑惑が寄せられる。
そんなやりとりの続く毎日でした。私は、そんなことよりもいち早く「真実」が知りたく、モヤモヤの連続でした。
 元技術者の私だから言いますが、「ある」ことは結果によってい簡潔に説明できますが、「ない」ことを証明することは非常に難しいです。だって、ないのですから。結果的には各種論文を白紙撤回し、理化学研究所での検証実験もうまくいかなかったことから「なし」という結論に至りましたが、できることなら「ない」理由を証明してもらいたかったものです。そこまで立証してはじめて結論に至るのではないでしょうか。

❸〈真相深層〉
「真相深層」は毎日掲載があるわけではありません。かなり詳細なことが書かれています。<迫真>が会話中心の物語形式が多いのに対して、<真相深層>では裏付けに基づいた情報提供や、日経独自の見解が含まれていることもあるので、読み方(事実なのか意見なのか、場合にはよっては推測なのか)を確認しながら読みましょう。

政治・外交面 / 要人の動ぎで日本・世界を俯瞰

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「政治・外交」面は、定点観測が必要な「ヒトの動き」のページです。首相や大臣を中心とした国会議員、あるいは役人がどんなところで、どんな話をしているのかを推測することができます。※2021年5月10日の紙面刷新により「経済・政策」と名称が変更されました。

モノとカネの動きを決めているのは日本銀行や政府です。そのため、「経済」を知ろう読もうと思えば、必然的に「政治」の情報も必要になります。

●トップ以外にも要人の動きをチェックする

 日本の政治家の代表といえば、首相ですが、実は首相が出席する場というのは「何かを決定する場」であることは少ないです。というのは、首相は何かが本決まりの場へ顔を出してハンコを押すのが仕事、と考えると、首相がいる場というのは、「すでに結論がでた」段階にあるといえます。
 一方、財務大臣や外務大臣など、ナンバー2と呼ばれる要人の動きは確認しておきたいですね!その場で何かを決めよう!としているわけですから。
中でも、アジアの要の動きはチェックしておきましょう。

 ところで。ナンバー2という言葉をよく耳にしますが、いったい誰なのでしょうか。

 そのときの議題によって変わる、と言っても良いかもしれません。日本国内であれば総務大臣、経済のことなら財務大臣、外交のことなら外務大臣、防衛のことなら防衛大臣とったように主要な閣僚(大臣)を言うのが通例です。
 対外的には、副総理(現在は財務大臣などが担当していることが多いです)ということになりますし、事務方とすれば事務次官や○○局長などがあたります。

 また、国家元首として国王が存在する場合には、政府の長である首相や、場合によっては国務大臣などがナンバー2として表されます。例えば

▼国内政治家
 副総理、主要大臣(財務大臣 外務大臣)

▼国内役人
 事務次官、◯◯局長

▼アジアのナンバー2
 中国:首相
 フィリピン:国会議長
 タイ:首相および国務大臣
 インドネシア:副大統領
 マレーシア:首相、外相
 ミャンマー:副議長(軍政)
 ベトナム:首相(実質)、国会議長
 インド:首相

▼アメリカのナンバー2
 首席補佐官

●もちろん総理大臣の動きもチェックする

〈首相官邸〉は必ず確認が必要です。首相が誰と会っているのか、たとえば国内の政治家に会っているなら「政治・外交」、財界人に会っているなら「経済・政策」、外国の要人に会っているなら「国際・アジアBiz」も併せて読んでおきましょう。

※2021年5月10日の紙面刷新により「政治」→「政治・外交」、「経済」→「経済・政策」と名称が変更されました。

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【コラム】チェックしたい会議

あまり興味が無くても、少しずつ「自分にとって重要なこと」が話し合われる会議はチェックしておきたいですね。

【国内】首相官邸HP 
 ・行政改革推進会議
 ・経済財政諮問会議
 ・月例経済報告等に関する関係閣僚会議
 ・国家安全保障会議
 ・TPPに関する主要閣僚会議
 ・副大臣会議

【海外】外務省HP
 ・首脳会談、電話会談
 ・APEC首脳会議
 ・G7サミット
 ・東アジア首脳会議
 ・アフリカ開発会議
 ・G20
 ・ASEAN首脳会議
 ・ASEM(アジア欧州会合)首脳会合

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