配当金:3つの課税方法とメリット・デメリットを比較

国内株式を保有していて配当金を受け取っている場合、3つの課税方式から選択することができます。*外国株の配当金は「外国税額控除」という別の控除対象になるのでここでは触れていません。


配当所得は3つの課税方法がある

総合課税
申告分離課税
申告不要制度

表でわかる3つの課税方法

配当所得:3つの課税方法まとめ

総合課税

メリットとして、確定申告をすることで配当控除がうけられることが挙げられます。ただし国に配当収入があることがバレてしまうので、扶養に入っている方は注意が必要です。配当金以外の所得が低い方は総合課税を選択するメリットがあります。目安は課税総所得(収入ではありません。いろんな控除を引いた後の所得)が695万円未満の場合です。

申告分離課税

証券口座を開設するとディフォルトは申告分離課税か、下で説明する申告不要制度になっています。申告分離課税は、株の売買で被った損失と損益通算することができます。こちらも国に配当所得があることがバレますので扶養に入っていたい方は要注意です。

申告不要制度

配当金が振り込まれる際に源泉徴収されて所得がなかったことになります。クラウドファンディングやソーシャルレンディングも基本的に源泉徴収された後に分配金が振り込まれます。引かれる税金は20%(特別復興所得税を入れて20.315%)です。その他の所得が高くて20%以上の所得税がかかる人は、申告不要制度を選択したほうが良いことになります。

NISAは?

NISAそもそも非課税制度なので、配当控除も損益通算もできません。もともと税金がかかりませんから、結局NISAが一番手間もかからずシンプルです。

J-RETOやETFは?

J-RETOやETF→配当所得です。
投資信託→配当所得です。*名目は「利子所得」ですが税制度上は配当所得扱いです。紛らわしいですよね・・・

仮想通貨は?

ちなみに仮想通貨は雑所得です。仮想通貨で損失が出ても、株式等の配当所得などとは損益通算は認められません。(損益通算できるのは不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の4種類)

年末の「損出し」は申告分離課税の人しかできないのか?

源泉徴収ありの特定口座(=申告不要制度)を選んでいる人でも年末に損出しを行うことができます。「損出し」とはいわゆる含み損の株式を売って損失を確定させることです。同一年に売却益や配当がある場合は、そういった利益と損失を差し引いて証券会社が税金を再計算して払い過ぎであれば還付されます。よって、申告不要制度でも損出しはできます。



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