旧NISA含み損銘柄どうする?3つの方法
新NISA、盛り上がっていますね。
これから新しく始める人は、NISAのお得な側面だけでなく、投資のリスクについても改めて理解しておきたいです。
旧NISAどうするのが正解?
もともと旧NISAで運用をしていた人は、新旧の制度を併用できます。
ところが、旧NISAで保有している銘柄をどうしていくべきかについては、そこまで注目されていないように思います。
旧「一般NISA」(新NISAでいう成長枠)は、2014年1月にスタートした制度で、年間120万円までの投資の収益が、買付けた年を1年目として最長5年目の12月まで非課税になります。
この期間内であれば、配当金、売却益に本来課されるべき20%の税金がかかりません。
2014年に購入した株式であれば、2018年12月に非課税期間が終了したことになります。
コロナ禍で株を始めた人も多く見受けられますので、2020年に購入した旧NISA銘柄は2024年の今年ちょうど5年目を迎えることになり、今後どうするべきか検討している人は多いでしょう。
5年を終了するとどうなる?
5年が過ぎて売却しなければ、課税口座へ自動的に振り替えとなります。
2023年まではロールオーバーができましたが、2024年以降は新NISAの未使用枠へロールオーバーできません。
よって、選択肢は下記の2つのみです。
(1) 売却する
(2) 課税口座へ移管する
課税口座へ移管すると、移管時の価格=取得価格となります。
旧NISAで含み損が出ている場合
NISAは収益が非課税になる制度なので、損益が出た場合は制度の恩恵を受けることができません。特定口座の場合は損益通算ができますが、NISAはできません。
<損益が出た場合>
特定口座→損益通算できる、譲渡損失の繰越控除を受けられる
NISA口座→損益通算できない
株価が回復するまで課税口座で持ち続ける?
例:20万円で購入した銘柄が16万円まで下がっている場合
(損益マイナス20%)
(1) 非課税期間内に16万円で売却した場合
→4万円の損失
(2) 課税口座へ16万円で移管した場合
→4万円損失、取得価格16万円で課税口座での保有がスタートします
株価が回復した場合
→その後18万円に回復した場合、取得価格が16万円なので差額2万の利益に対して税金がかかります。特定口座であれば4000円が源泉徴収されます。※復興特別税含まない
この場合、非課税期間に売却した時と比べると16000円の損失を取り返したことになりますね。
保有期間中は配当金に対しては課税されます。
更に値下がりした場合
→その後14万円まで更に株価が下がって例えば損切りした場合、2万円の損失です。
非課税期間に損切りした時と比較すると追加で2万円の損失が出てしまいます。
その間配当金を受け取っていたとしても
新NISAで買い直す選択肢
先ほどのケース(1)で売却してすぐに新NISAで同じ銘柄を買うとどうでしょうか。
もし値上がりした場合は利益は非課税になりますし、もし値下がりした場合は単純に損失になります。(新NISA枠で購入しているので損失が出ても損益通算はできません)。
値上がりが見込めるのであれば、課税口座へ引き継がずに非課税のむちに売却してしまい、新NISAで同じ銘柄をもう一度購入した方が良いと言えます。
20%下がっている株はもっと下がる
よく言われることですが、20%下落している株は更に株価が下がる可能性が高いです。
もちろん株価が回復する可能性もありますが、損失が拡大する前に旧NISA期間が終了するかしないかに関わらず、なるべく早いタイミングで売却してしまうのがセオリーです。
私も経験上、20%下落した株を塩漬けにしてその後40%近くまで下がったことがあります。
含み損、何パーセントなら保有し続ける?
例えば5%の含み損が出ている場合はどうでしょうか。
配当+株主優待で利回り4%の銘柄だったとします。課税口座へ移行することで利回り4%には課税されることになりますが、中長期で保有し続けると元をとれる計算になりますので、急いで損切りをする必要はなく、課税口座へ引き継いでも不安になることはないと思います。
ただし、今後も利回り4%がキープされる保証はありませんし、株価が5%から更に下がる可能性もあります。
こちらのケースも、5%損益が出ている時に売却してしまい、新NISAで買い直す選択肢もあります。
3つの選択肢
まず含み損が出ている銘柄について調べ、継続して保有したいかを自分の中で明確にします。
その上で、
・売却する
・そのまま課税口座へ引き継ぐ
・売却して新NISAでもう一度買う
の方法を取ると良いかと思います。
保有継続したい銘柄は、課税関係の観点から言えば一度売却して新NISA枠内で買い直す方が良いと思います。
NISA・課税口座に関わらず損切りの基準を持つ
東証プライムの場合、新興市場と違って大きな値動きが毎日あるわけではありません。20%下がっている場合は、セクターや企業が問題を抱えているケースも多いですし、配当や株主優待の改悪など方針が大幅に変更されている可能性もあります。
応援したい企業の銘柄で、どうしても保有しておきたいという場合を除いて、損切りの基準を自分で決めておくことをおすすめします。
※投資にはリスクが伴います。事前に十分な下調べ・情報収集を行い、ご自身の判断で行ってください。