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長期の資産形成には複利効果を

 複利効果を説明する際に、「雪だるま式」という言葉を使うとわかりやすいと考えていた。しかし、先日高校での金融教育に参加した際、一部の高校生にはこの「雪だるま式」というイメージが伝わらないことに驚いた。昔は、アニメなどで徐々に大きくなる雪だるまに追いかけられるシーンを何度も見たため、「雪だるま式」という言葉はイメージしやすかった。しかし、最近ではそのようなシーンがあまり見られなくなったのかもしれない。

 「雪だるま式」とは、最初は小さな雪玉でも、転がすうちに表面積が広がり、雪がついて加速度的に大きくなることを指す。これは、複利効果によってお金が増えていくイメージとよく似ている。

 複利効果とは、利子が利子を生むことであり、利子が元本に加わることで生み出される利子の額が大きくなり、元本の増え方が年々加速していく。その「年々加速していく」という点がポイントであり、長期の運用において複利効果は非常に重要である。

 複利効果は、視覚的に捉えた方が理解しやすい。

100万円を預けた場合の複利効果の試算 横軸:年数 縦軸:金額(万円)

100万円を預けた場合、50年後には次のような金額になる。
• 0.1%で約105万円
• 2.0%で約269万円
• 3.0%で約438万円
• 5.0%で約1147万円
では、100万円を10%で預けた場合、50年後はいくらになるだろうか?なんと、1億1739万円になるのである。
長期であればあるほど、また高金利であればあるほど、高いリターンをもたらしてくれるのが複利効果の恩恵である。

 ウォーレン・バフェット氏が投資を行う際に、高い資本効率を長期間維持できそうな会社を選ぶのも、複利の考え方に基づいていると考えられる。
投資は長期的に考えることで、複利効果によって大きな成果が得られる。政府が資産運用立国を目指して様々な施策を展開している中で、資産形成の一環としての投資は、長い時間軸で捉えることが望ましい。

 今の若い世代には、「複利効果」のイメージとして「雪だるま式」よりも、「バズる」という言葉の方が伝わりやすいかもしれない。

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