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記念コインが売れたら税金がかかる?

年始に帰省した際、父がいないところで母からコソコソ話しかけられました。
「お父さんの持っている記念コインが、いくらになるか調べてほしい…。」

一瞬、「めんどうなことに巻き込まれそう…」と感じましたが、FP的にちょっと興味があったので、話を聞くことに。

どうやら銀行マンだった祖父(故人)のコインを継いだそうで、40、50枚くらいあるとのこと。
かといって鑑定書がつくような超高価なものがあるわけではないので、父も調べもせず何となく保管している。
以前「これどうするの?」と父に聞いたところ、「元々じいさんのだし、売るのもなあ…」と、売却には抵抗があるらしい。
母としては売ってしまって、旅行などQOL向上に役立てたい。
こんな状況でした。

ひとまずコインを預かって、都内の自宅に持ち帰ります。
改めて見たところ、万博開催記念や瀬戸大橋開通記念などの500円硬貨が多数。
ひとつ目を引くのは「昭和天皇在位60年記念金貨」。これはなんと10万円硬貨。
これだけでも最低10万円なはずなので、突出して高価です。

「急がないからね」と言っておきながら、定期的に「アレ、どうなった?」とLINEで圧力をかけてくる母。
とある休日に、重い腰を上げて業者選定を始めました。
どの業者さんも「鑑定無料」「売らなくても大丈夫」と謳っていますが、多くは「訪問鑑定」が前提のようです。
確かに訪問されると断りづらくなるので、それが狙いなのでしょう。

ひとまず大手の1社をピックアップして、アポイントを設定しました。
当日、感じの良い青年担当者さんがいらっしゃって、すべての硬貨を写真に収めます。
本部に電話して何やら相談を繰り返しています。

結論、なんと買い取れるのは1枚のみ!
どうやら現在世に出ている500円記念コインには、プレミアム価値はほとんどなく、すべて額面通りの額になるそうです。
その場合は買い取ってくれないそうで、「銀行に行ってください」とのこと。

結果的に額面ではなく「金そのものの価値」として、例の「昭和天皇在位60年記念10万円金貨」だけプラス10万円以上のプレミアム価値が付きました。

金の価格は高騰中

実は金の価格はこの20年で6倍程度になっており、金貨に限らず貴金属の価値も上がり続けています。

出典:三菱マテリアルWEBサイトより

今回の記念金貨も、以前は額面通りの価値で取引されていたようですが、ここ数年の高騰で大きく価値が上がったようです。

まだ上がる可能性もありますが、売却するのには良い時期なのかもしれません。
ついでに使っていなかったデジタル一眼レフカメラも査定してもらい、4,300円で売却。(内訳ボディ300円、単焦点レンズ4,000円)
すべて現金で支払われ、完了となりました。

記念コインが売れたときの税金は?

さて気になるのは税金ですが、記念コインや切手は生活用動産に含まれるため、通常は課税されません。
ただしプレミア価格がついたものなどを高値で売却したときは、価値のある財産を売却したとみなされます。
1個、または1組の価額が30万円を超える譲渡の場合は、譲渡所得として総合課税の対象となります。
つまり自分のその年の収入(所得)にプラスして、所得税・住民税を計算することになります。

さらにその物品の所有期間によっても計算が変わります。

❶所有期間5年以内の場合
売却価額-(取得価額+売却費用)-特別控除50万円=課税される所得

❷所有期間5年超える場合
(売却価額-(取得価額+売却費用)-特別控除50万円)×2分の1=課税される所得

※取得価額が分からない場合は、売却価額の5%が取得価額として計算します。

以上のとおり、年間の譲渡益(儲かった額)が50万円までは特別控除の範囲内なので、税金はかからないことになります。

1円でもお高く、と考えれば複数社に相見積を取って比較すべきなのでしょうが、もともと自分のではないし、3時間くらいかかった査定を何度も繰り返す気にもならず、最初の業者さんで決めてしまいました。


実はいまも帰省中で、これも実家で書いているのですが、昨日母に売却金を渡しました。
謝礼なのか口止め料なのかわかりませんが、「取っといて」と数枚袖の下にねじ込もうとする母。
とても単純に受け取ろうという気にもならず、急きょ温泉宿に予約を入れ、その資金にすることにしました。
父は喜んでいますが、複雑です…。

さて、今回初体験した買取サービス。
着物などの査定も多いらしく、「実家の片づけ」の一環として利用するのも良いかもしれませんね。

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