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支持を広げつつあるリノベーション。住宅ローンはどうする?

私事ですが、先日自宅マンションを購入しました。
賃貸生活四半世紀。FP的な立場から「徹底して賃貸派」だったわけではありませんが、田舎育ちの私はどこかで「東京は仮暮らし」という気持ちを持ち続けてきたのかもしれません。


さて肝心の物件ですが、築20年ちょっとの中古マンションを購入し、2か月弱かけてリノベーション(リフォームのカッコイイ別名です)をすることにしました。
 
まだまだ欧米には遠く及びませんが、日本でもようやく中古市場が活性化しつつあり、助成金制度やエコポイント制度を活用して、中古物件を安く、自由にリノベーションする人が増えています。
 
とはいえまだまだ世の中は「新築至上主義」。大手デべのマンションの広告には「提携ローンでの優遇金利!」なんて謳っていますが、中古物件売買の場合、そんな手取り足取りサポートは望めません。基本的に住宅ローンは自分で探すケースが多いようです。

私もリノベの設計自体はとても楽しい作業でしたが、住宅ローンはほとんど自分で対応したので最後までヒヤヒヤしました。新築物件と何が違って、どこに気を付けなければいけないのか、自らの体験も交えてまとめてみたいと思います。
 
「中古&リノベ」で住宅ローンを組む場合、大きく分けて2つの方法があります。
1.リフォーム一体型住宅ローンの利用
2.住宅ローンとリフォームローンの併用

です。それぞれメリデメを挙げてみます。

リフォーム一体型住宅ローン

その名の通り、物件費用とリフォーム費用をまとめた住宅ローンです。
この場合、いったん「つなぎローン」を利用し物件購入費用やリフォームの着工金などに充てます。その後完工のタイミングで正式なローンを改めて組みなおすことになります。

一体型ローン

■リフォーム一体型住宅ローンのメリット
金利は通常の住宅ローンと同じなので、リフォーム費用もまとめて低金利で借りることができます。また比較的大規模なリフォームでも対応できます。
 
■リフォーム一体型住宅ローンのデメリット
物件購入の段階で、どの程度のリフォーム費用がかかるか概算を出しておく必要があるので、スケジュールがタイトになりがちです。仮に当初予定していた額をオーバーした場合は再審査の必要があり、書類作成・提出に追われることになりかねません。

また「つなぎローン」には別途手数料や日割りの利息がかかります。

リフォームローン

物件購入のための住宅ローンと、リフォームのためのリフォームローンを分けて利用する方法です。

リフォームローン2

■リフォームローンのメリット
物件を購入し、住宅ローンを組んだ後に、自分のペースでリフォーム設計することができます。またリフォーム以外の諸費用分も借りられるローンもあり、自己資金を抑えることができます。
※ただし住宅ローン契約時にリフォームローンの概算は申告しておく必要があります。
 
■リフォームローンのデメリット
別途無担保ローンを組むことになるので、金利はやや高めです。また長期ではなく10年、15年返済しか選べない場合、月々の返済負担が想定以上に大きくなることがあります。
また500万円を超えるような大規模なリフォームには対応できないケースもあります。 

フラット35リノベの場合は、余裕のあるスケジュールで

不動産購入、リフォームともに大きな買い物です。たった1%の金利の違いで、総返済額が数10万円~100万円単位で変わることもあり得ます。
そう考えると低金利で抑えられる「リフォーム一体型住宅ローン」は魅力です。
ただしスケジュールの関係上、リフォーム業者すら未確定のまま物件を先に購入する、などの場合は「リフォームローン」の利用も十分検討に値します。

ちなみに私は「リフォーム一体型住宅ローン」を選択しました。当然物件購入時にはリフォーム内容は詰まっていないので多めの概算で出しましたが、終わってみればほぼ概算通り。
オーバーすることはありませんでしたが、やはり希望は膨らむものだなと実感しました。

さらに2021年からスタートした「フラット35リノベ」という新しい公的ローンを使用したので、私だけでなく建築業者さんも不動産会社も、挙句に金融機関すらも慣れていない、という状況に見舞われ、前述の通り最後までテンテコマイでした。

民間の銀行に比べて書類も多いので、建築業者さん、不動産会社さんがきちんとサポートできるかどうか、事前に確認が必要だと思います。

必ず試算して検討を

当初想定していた月々の返済額は、予算が大きくなるほど膨らみます。

一体型、リフォームローン、いずれにしても予算が変わるたびに試算して、月々の返済額に無理がないことを確認しながら進めましょう。

必ずとは言いませんが、物件を扱う不動産業者は、本音では客の「リフォーム」や「住宅ローン」は興味ありません。早く売れる方法に誘導することもあり得ますので、急がず無理なく決めてください。

逆に言えば、きちんと住宅ローンや購入後の返済額などの相談に乗ってくれる業者さんは、信頼できます。いまだとグリーン住宅ポイントの活用を勧めてくれるか、なども業者さんの選定基準になるかもしれません。


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