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51 「小1の壁」って本当にある?働き方を変えたワーママが気付いたその正体
年長さんを持つ親御さんにとって、2月は小学校進学が現実味を帯びてくる時期ですね。
就学時健診や卒園式・入学式の案内が届き、いよいよ小学校生活が目前に迫っていることを実感する頃ではないでしょうか。
特に働くお母さんたちは、巷でよく耳にする「小1の壁」に漠然とした不安を感じることが多いはず。
「具体的に何が変わるの?!誰か詳しく教えてよ!」
って感じているんじゃないかと思います。
私の長男は現在、公立小学校の1年生。
ちょうど昨年の今頃、会社員だった私はまさにそう感じていました。
これはあくまでも私の経験談ですが、少しでも同じ境遇の方の参考になればと思い、書き綴ります。
「小1の壁」とは?
結論から言うと、「小1の壁」は、自分自身の働き方の違和感に気づかずに過ごしてしまう状態から、強制的に目を覚まさせてくれる存在でした。
「このままで本当に良いの?」と問いかけてくれて、今後の人生について考え直すキッカケをくれるお助け役のような感じ。
一般的によく言われる「小1の壁」とは、以下のようなものがあります。
1.学童保育に定員オーバーで入れない
2.学童は保育園ほど手厚くない(宿題を見てもらえない、遊び中心)
3.長期休みの対応が大変(お弁当作り、送り迎え)
4.友人関係の複雑化(メンタルケアが必要)
5.担任の先生と話せる機会が少ない
では、実際に我が家のケースを紹介します。
1.学童保育に定員オーバで入れない
私は愛知県の郊外に住んでいますが、学童にはすんなり入れました。
保育園の入園は激戦だったので、学童も入れるか不安でしたが、この地域では希望して条件を満たせば、全員入れる仕組みでした。
2.学童は保育園ほど手厚くない(宿題を見てもらえない、遊び中心)
息子の学童では「宿題タイム」があり、基本的に帰宅前に宿題を終わらせてきていました。
おかげで「宿題をしなさい!」とガミガミ言わずに済み、家では音読を聞いてあげるくらいでした。
(たまに「やる気が出なくて今日は宿題してない~。」という日もありましたが)
学童の先生は、基本的に宿題を教えることはしません。
ただ、1年生の最初の頃の宿題は、ひらがなプリントなどかなり簡単なもの。
学校としても、「まずは学校生活に慣れてもらうこと」が最優先なので、宿題が難しくなってきたと感じるのは1年生の秋~冬頃でした。
ただ、12月の個別懇談会で担任の先生に「宿題は提出前に保護者がチェックして、直させてください。」と言われてしまいました。
長男は漢字の”とめやはらい”が出来ておらず、そこをすべて親が直して、と。
私はその頃には会社を辞めていましたが、働いていたら無理だろうな…… と正直思っちゃいました。
3.長期休みの対応が大変(お弁当作り、送り迎え)
これは確かにしんどかったです。
保育園時代のように、遠足の時だけのお弁当ならまだしも、夏休み期間中(土日を抜いて約30日間)毎日お弁当を作るのは、かなり辛かったです。
疲れ切った体を無理やり起こして頑張っていたなぁ……。
お弁当のおかずもマンネリ化してしまうし、考えるのも大変でした。
ママ友と学童の送り迎えで顔を合わせる度に、「お弁当大変ですよね~。」なんて話してお互い励まし合っていました。
あ、あとはおやつも持参する必要があって。
指定サイズの袋に入るものを1日3個まで用意するルールがあり、事前に袋詰めし、準備していました。
それに加えて送り迎え……!
長期休み中は通学班がなく、親が学童まで送迎しなければなりません。
我が家には保育園に通う次男もいるため、朝は次男を預けた後、長男を送る流れ。
保育園の開所と同時に次男を預け、その後ダッシュで長男を学童へ送り届けるのですが、それでも私は会社の出勤時間に間に合わず。(職場が少し遠かった)
長期休み期間中は、毎朝1時間の時間休を取得して対応していました。
(夫は6時50分に出勤してしまうので当てにできず……)
4.友人関係が複雑化する(メンタルケアが必要)
息子は友人関係で特に大きなトラブルはありませんでしたが、新しい環境に慣れるまでには時間がかかりました。
最初はクラスのほとんどが知らない子で(同じ保育園の子は29人中4人)、繊細気質な長男はかなり気疲れしている様子でした。
寝る前によくチック症状も出ていて。
自分から小学校の話をしたがらなかったので、無理に聞き出しませんでしたが。
でも、小学校生活に慣れた11月頃から、徐々に自分からお友達の話などをするようになりました。
5.担任の先生と話せる場があまりない
これは本当にその通りです。
保育園時代は、送り迎えで担任の先生と顔を合わせた時に、自然な流れで保育園での様子を教えてもらえました。
でも、小学校ではそんな機会は一切なくて。
担任の先生と直接お話できるのは個別懇談会くらい。
と言っても、年に2回、1回につき10分程度。
初めての懇談会のとき(7月頃)、「長男が友達がいないと言っている。」と相談しましたが、
「色々な子とおしゃべりしていますよ。」との返答で。
でも、家では「今日も誰ともしゃべってない。学校行きたくない。」と言う長男。
懇談会の時間も押していたため、それ以上聞かずに終わってしまったけれど、小学校に上がったら特に、親がよく子供を観察しなくちゃいけないなぁ、と思った出来事でした。
「小1の壁」の正体
これらの壁の感じ方は、地域や学校、子供の性格によっても違います。
結局のところ、一番重要なのは「この壁を乗り越えてでも、今の働き方、仕事を続けていきたいか?」ということ。
だって、子供は成長するのだから、数年後には手がかからなくなります。
”仕事や働き方を変えない”という選択をしたのなら、この数年を耐えることができれば問題ないわけで。
とは言えども、小1の壁を乗り越えるのはかなり大変なこと。
でも、我が家のように両親の助けが難しい場合でも、ファミリーサポートなど、色々な支援をうまく活用すれば乗り越えられたはず。
それでも私が会社員を続ける選択をしなかったのは、「この仕事は壁を乗り越えてまで続ける価値があるのか?」という問いに対し、答えが「NO」だったから。
以前から何となく「このままで良いのかな?」という違和感は感じていたけど、忙しさを理由にそれを見て見ぬふりしていました。
けれど、小1の壁にぶち当たったことで強制的に考えることができたのです。
このまま働き続けて後悔しない?
◇
この働き方を変えたいとは思わない?
◇
そりゃ住宅ローンもたんまりあるし、スキルはないし、正社員を手放すことに不安はある。
◇
でも、今を大切にせず、仕事のためにグッと息をこらえるような毎日を送って、私は死ぬときに後悔しない?
自分と向き合って考えまくりました。
正確には、小1の壁が来ることは分かっていたから、数年前から何となく考えてはいたのです。
でも、その決断をいよいよ迫られたって感じでした。
その結果、私は会社を辞め、自分の心の内にあったやりたいことにチャレンジする選択をしました。
これはあくまでも私の一例ですが、「そういうこともあるんだな。」と思っていただき、少しでも心の準備になれば幸いです。
長文をお読みいただき、ありがとうございました!