年金を繰上げ受給した方がいい人と、繰り下げ受給した方がいい人の違い
日本の年金は、65歳から受給することで満額を受け取れます。
繰上げ受給と言って、65歳よりも早く（最も早くて60歳）受給することも可能なのですが、その場合は受給額が1ヶ月あたり0.4％減額されます。
逆に受給開始を遅らせた場合（75歳まで繰り下げが可能）には、0.7％が増額されます。
自分が何歳まで生きられるのかがハッキリわかっていれば、いつから受給するのかを迷うことも少ないのですが、自分の寿命を把握できている人など一人もいませんよね。
では、いったい何歳から受給することで、年金の恩恵を余すことなく受け取れるのか？非常に悩むポイントだと思います。
私の両親は、年金を受給しようとした直前で亡くなってしまったという友人が何人かいたようで、「来年生きているかはわからないから」と言って60歳から受給しているようです。
何歳から年金を受給したら良いのか？
では、ずばり何歳から受給したら良いのか？
私の個人的見解をお伝えしますと、60歳から65歳までの収入が少ない人、または預貯金に不安のある人は繰り上げ受給をする。
逆に60歳を過ぎても貯蓄や収入があり、70歳、または75歳くらいまで生活費に困らない人は、繰り下げ受給をすることで長生きすることにも備えられます。
40代の筆者はどうするのか？
では46歳、妻、子ども二人の私はどうするのか？と聞かれた場合。
私はできる限り資産を増やし、65歳から年金を受給したいと考えています。
その理由は下記の計算から出した結果です。
年金シュミレーション
年金を1年で100万円受給できるとして、80歳まで生きると仮定した時、60歳、65歳、70歳、75歳、それぞれ受給スタートした場合の年金受給総額を計算しました。
60歳から受給をスタートすると、1ヶ月で0.4％の減額のため、60（5年の月数）×0.4％で24％の減額となり、年間受給額が76万円で20年受給して、総額1,520万円です。
65歳から受給をスタートすると、年間受給額100万円で15年受給することとなり、総額1,500万円です。
70歳から受給をスタートすると、1ヶ月で0.7％の増額のため、60（5年の月数）×0.7％で42％の増額となり、年間受給額が142万円で10年受給して、総額1,420万円です。
75歳から受給をスタートすると、1ヶ月で0.7％の増額のため、120（10年の月数）×0.7％で84％の増額となり、年間受給額が184万円で5年受給して、総額920万円です。
まとめ
60歳から受給スタートで、総額1,520万円
65歳から受給スタートで、総額1,500万円
70歳から受給スタートで、総額1,420万円
75歳から受給スタートで、総額920万万円
この結果から、私は65歳から受給しようと考えました。
上記のシュミレーションは80歳でこの世を去る計算です。
100歳まで生きるとなった場合には、60歳で3,040万円、65歳で3,500万円、70歳で4,260万円、75歳で4,600万円の年金受取総額となるため、75歳から受け取った方が良いよねって答えにはなると思います。
人生100年時代とは言われておりますが、明日であっても何が起こるかは誰にもわかりません。
100歳まで生きることを目標として、75歳から年金を受取開始するのもアリだとは思います。
在職老齢年金制度（働いて一定の収入がある高齢者の厚生年金を減らす制度）の適用基準額も月50万円から62万円まで引き上げられるようですし、政府も人生100年時代を考慮した制度づくりをしているようです。
受給する年齢に正解はありません。
ただ、受給年齢間際になって考えるのではなく、少し余裕をもって、自分の納得のいく落とし所がどこなのか？は考えておきましょう。