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財形や保険による資産形成を一概に否定しきれないワケ

こんにちは。FPひろき(@FP_Hiroki)です。

もうすぐ10月。間もなく来年のNISA口座変更手続きの申込みが始まる時期ではないでしょうか。

NISA運用している人にとっては、基本的に何もする必要がないわけですが、証券会社を変更した上で、非課税運用したいという場合はその手続きが必要になります。
NISA口座変更予定のある人は、各証券会社の専門サイトが開設されていますので、まずは確認してみることをおすすめします。

さて周囲を見渡すと、だいぶNISA活用による資産形成も浸透してきた感があります。
事あるごとに投資投資と耳にしますが、これだけは覚えておいて欲しいことがあります。

それは資産形成手法は人それぞれだと言うことです。
皆がこぞって同じ手法を選ぶことが最適かといえば、そうとは言い切れません。

一部の投資系インフルエンサーやYouTuberなどは、あたかも投資しか手法がないかのような言い草をしますが、それは本当なのでしょうか。

結論からいいますと決してそんなことはないのです。

本日は自身に合った資産形成手法を選択する重要性について考えてまいります。

よろしくお願いします。

資産形成成功の鍵は、自身にとってベストな資産形成手法をチョイスできるか

資産形成のための積立には様々な選択肢がある

ひとえに資産形成方法といっても、下記のように様々な手法があります。

  • 財形積立

  • 定期積金

  • NISA

  • 企業型確定拠出年金年金/企業型確定給付年金

  • 保険

など。

参考例を記しただけでもこれだけあるわけですが、これも目的に応じて人それぞれ最適な選択肢は異なってきます。

次節で参考例をみていきます。

人それぞれ立場や環境が違う。皆と同じ投資手法の方がおかしいと疑うこと

               出典:プレジデントオンライン

たとえば財形貯蓄。
財形貯蓄は3つに分類されるわけですが、財形の弱点は低金利な点です。

「こんなに低金利なのだから、財形貯蓄なんてやっても意味が無い。」

こう言い切ってしまう投資系インフルエンサーやYouTuberも存在するのではないでしょうか。

彼らの得意分野は投資であることから、どうしてもその角度からの物言いになりがちです。
確かに運用パフォーマンスは悪く、インフレリスク(物価上昇リスク)にすら勝てていません。
その点は賛同します。

ところが財形貯蓄ならではの特典の存在を忘れてはいけません。
その特典こそが下記の『財形住宅融資』なのです。

返済の開始から終了までの全期間、5年ごとに適用金利を見直す5年間固定金利制です。財形貯蓄を1年以上続け、申込日前2年以内に財形貯蓄の預入れを行い、かつ、申込日における貯蓄残高が50万円以上あるなどの要件を満たした方が利用できる、持家(新築・中古)取得資金のための融資です。

引用:住宅金融支援機構

つまり財形貯蓄をしていて住宅購入を考えている人にとっては、保証金コスト無し、事務手数料無しなどの条件に加え、低金利で借入できる機会が得られるわけです。

住宅購入を考えている人からすると、財形貯蓄をするからこそ、この財形住宅融資が受けられるのだという情報が貴重なものになるのかもしれません。
その選択肢を確保できる機会がある人が存在しながらも、その情報を与えずして機会を奪っているとすれば、それはどうかと思うわけなのです。

これこそ投資情報偏重のツケと言わざるを得ません。

ましてやこれから借入金利が上昇することが予想されており、変動金利にとどまらず、固定金利に活路を見いだす時期に差し掛かるわけなので、それはなお更顕著なものになるはずです。
ややもすれば、運用益に匹敵するトータルなコストダウンも見込める可能性だってあります。

住宅購入ニーズのある人の選択肢やその機会を奪ってしまうことを知らずして、すべて否定してしまうのであれば、それは情報発信の内容として少し雑だと言わざるを得なくなります。

皆さまはこの点、いかがお考えでしょうか。

教育資金準備などが資産形成手法で多様化を見せる代表例

様々な選択肢があるが、それが誰にとっても正解とは限らない。

積立投資による資産形成手法による誤解として、保険活用による手法の全否定もあります。

これも保険知識のない投資系インフルエンサーやYouTuberほど保険を否定したがります。

彼らは保険を否定することで、得意の投資という土俵で理論展開できるので、是が非でもそちらに誘導したいのです。
なお本当にマネーリテラシーが高く、バランスの取れたお金の専門家は、決してそんなことをしません。


さて話は少し変わりますが、最近、教育資金準備として変額終身保険を活用するケースが定番化してきました。

それはなぜだかわかりますか?

積立投資というものは、積み立てをしている人が亡くなった時、当然その後の積立が続けられなくなります。

一方保険であれば、積立しながらも、もし万が一のことがあった場合、準備したい教育費相当金額の保険金が下りてくるわけなので、お子さんや遺族を困らせることがありません。

さらに最近の保険商品は「P免」といって、重度障害になった場合のみならず、商品によっては三大疾病に罹患した段階で、その後の保険料の払込みが免除されるものも主流になってきました。

お子さんの大事な教育費を、万が一の場合の保障を確保しながら積み立てることは、多少コストが掛かったからといって、それは悪い選択肢だと言い切れるのでしょうか。
子を持つ親の私としても、決してそうは思いません。

そこにはやはり、加入者の家族構成や環境などが絡む話であるため、すべてが投資で解決できるものとは到底言い難いからです。

それを踏まえて考えますと、運用パフォーマンス重視で語ろうとする投資系インフルエンサーやYouTuberの偏った情報に依存しきることが得策ではないことが理解できたのではないでしょうか。

それは彼らからの情報が、あなた向けにコーディネートされたものではなく、一般視聴者向けや大衆向けの情報だったりするからに他なりません。

あなたに当てはまる情報かどうかの判別は、それなりのマネーリテラシーが求められますので、もし判別できない場合は専門家を頼るのも一つでしょう。

独立系の金融プロフェッショナルを味方に付ける選択肢

資産形成において、極論で考えることはできるだけ避けたいものです。
人それぞれ環境や立場が違うことは前述しましたが、それに応じてどのような選択肢を取っていくかが、何よりも重要な要素となるからです。
これこそが資産形成成功への近道と考えますが、皆さまはどのようにお考えでしょうか。

判別がつかない時や迷いがある場合などは、偏ったネット情報ばかりに頼るのではなく、あなたの環境を鑑みながら助言をする立場にある金融アドバイザーを味方にすることをお勧めします。

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Hiroki S,CFP®
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