「ハイブリッドFP研究会」の趣旨③(フィーオンリー型FPの問題点)
こんにちは。FPオフィス「あしたば」の安藤です。
「ハイブリッドFP研究会」を立ち上げるに至った経緯として、「セールス型FP」の抱える問題点があるため、前回の記事でそれを詳しくお伝えしました。
今回は、もう1つのタイプである「フィーオンリー型FP」の問題点を詳しく解説したいと思います。
具体的な商品の提案や手続きのサポートをしてもらえない
これまでもお伝えした通り、フィーオンリー型FPは金融商品の販売を一切せず、研修講師や記事執筆、個人コンサルティング(カウンセリング)などの業務を遂行したことに対する報酬=フィーのみを収益源とするFPです。
よって、顧客が希望した場合でも、原則として具体的な商品・プランは提案してもらえません。
投資信託や保険などの具体的な商品・プランの提案をするには、証券外務員や保険募集人のような専門資格に加え、証券会社・保険会社などから業務委託を受けて金融商品仲介業や保険代理店の登録をする必要があります。
その上で、業務委託を受けている金融機関の取扱い商品を勧誘する前提で提案することができます。
もしこれらの要件を満たさずに商品を提案すると、金融商品取引法や保険業法などの法令違反となり、処罰されてしまうのです。
投資信託については「投資助言業」の登録をしていれば具体的な商品提案も可能ですが、営業保証金500万円を供託する義務など登録のハードルがかなり高いため、フィーオンリー型FPはほとんど個人事業ということもあって登録しているケースはごくまれ。
よって、フィーオンリー型FPは具体的な商品提案をしたくてもできないわけですね。
FPにいろいろとアドバイスを受けた上で「NISAやiDeCoを始めたい!」と思ったら、多くの人は「じゃあ具体的な商品はどれを選べば良いのだろう」という壁に直面します。
それをフィーオンリー型FPに聞いても、「商品の提案はできないため自分で選んでください」ということに。
多くの人にとって自分で金融商品を選ぶハードルはなかなか高いので、せっかく新しい一歩を踏み出そうと思ったのにストップしてしまう可能性も高くなります。
また、商品について証券会社・銀行・保険代理店に相談に行けば、結局カモにされる可能性も。。。
法律上仕方がないとはいえ、商品を買う=投資などのプランを実行するための直接的支援をしてもらえないが、フィーオンリー型FPの最大の問題点と言えるでしょう。
商品の手続きなど実務的な知識も不足傾向
フィーオンリー型FPは、単純に具体的な商品を提案してもらえないだけではなく、顧客が金融商品を購入する時の手続きを業務としてこなしていないため、いわゆる「実務」をよく分かっていないケースも多いです。
金融商品仲介業や保険代理店業に携わっていれば、日々手続きにふれていますから、自社で取り扱いのある商品はもちろん、他社の商品もおおよその予測ができ、実務のスキル・経験値が高くなります。
生活者・消費者がiDeCo・NISAのスタートや保険の見直しなど「いざ行動に移す時」には、この実務的な知識をもとに適切なアドバイスをしてもらえるかどうかは非常に重要なポイントです。
全てのフィーオンリー型FPが実務スキルが低いわけではありませんが、この傾向は顕著ですので、やはり問題と言えるでしょう。
フィーオンリー型FPは、セールス型FPのように「自分の手数料収入を最優先する」など悪質な事業者は極めて少ないと思われますが、上記の問題点により「結果的に顧客本位ではない」サービスとなっている場合があると考えています。
やはり、ハイブリッドFPが必要なのです。
ということで、いよいよ次回からハイブリッドFPの必要性を語っていきますよ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
安藤 宏和