私がデータからのベットを諦めた3つの理由
The 参考にならなそうなタイトルで書いてみました。なんでもまとめればいい、倍速でさらさらと流せばいいという風潮は情緒に乏しくて嫌いです。(この時点で論理性もないのでデータアプローチ向いてないですね)
これまでのnoteやザブックの投稿を見てくださった方は分かるかもしれませんが、私はサッカー予想においてデータから入る(根拠を作る)のが好きです。FBrefなんて一日中眺めてられます。でも最近は自身のベットに与える影響度は20%あるかないかレベルです。本noteでは私が何故それに至ったかを勢いのまま書き殴ります。
私のバックグラウンドにデータサイエンティストに類似するようなものはありません。過去に統計検定2級取得した、大学教養に毛が生えた程度の人間が心折れただけの話なので、根気or能力のある方からは蔑まれて当然という気持ちで書いてます。
1. 連続性の欠如(主観)
サッカーの試合ってリーグ戦ではたかだか各チーム年間40試合程度。その間に主力や監督が交代しているなんてことは決して珍しくありません。1日で別チームに生まれ変わるなんてのはザラです。他にもリーグの傾向の変化もありますし、ファウルの基準、戦術トレンド、順位状況、と挙げたらキリがありません。
他のスポーツに目を向けると、MLBは162試合と試行回数も多い。テニスは個人競技であり、もちろん中身が入れ替わるなんてことはないのでキャリア試合数を素直にサンプル数として考えやすいです。野球も個人競技に近いところありますしね。
私自身がデータとしての連続性に信頼を置けない以上、アウトプットの再現性に関して自信を持つなど到底ムリな話です。こう考えてしまった時点でモチベーションは下がってしまいました。
2. 効率の悪さ
サッカーに限らずですが、スポーツを取り巻くデータは非常に多岐に渡ります。
特にサッカーの場合は個人とチーム、監督でそれぞれのデータもあれば、組み合わさることで全く別のクラブが生まれます。
一体どれが目的変数(試合の勝敗、ゴール数 etc.)/説明変数(ゴール期待値や各スタッツ、Home/Away)として適切なのかを決めるのは非常に大変です。試合の度に都度都度やっていたら日が暮れます。
時短のために予めデータセットを作り、ベットする段階では自動的に判別するツールを作成できたとしても、最初の設計のところに相当のリソースが必要です。これは単に時間だけでなく、正確性の高いツールを作るためのナレッジの習得という面も含めています。既に後者が身についている方は効率性の課題は長期的に見てクリアできるかもしれませんが、分析素人の私にはリスキーな選択であると言わざるを得なかったです。
3. 同じ土俵に上がる必要のなさ
ブックメーカーはデータを基に事象の発生確率導き、オッズを設定しています。マーケットオープン後はベッターの行動を反映することで集合知を活用し、「であろう」確率の最適化を行っています。言ってしまえば、ブックメーカー側もデータからのオッズ設定は正しいとは全く思ってない訳です。もし自信があればオープン後も固定オッズにしているはずです。
完璧ではない、はなぜ起きるのか。大きく2点あると思います。それは、「そもそもの分析ロジックの精度が低い」「元にしているデータ外で影響度の大きい事象が発生した」です。
共にベッター側が優位性を得られうるエリアではありますが、前者に関してはどうでしょうか。個人vs企業ではリソースもケイパビリティも比べ物になりません。精度勝負ではいつか苦しくなるのは自然な話に思えます。100点満点の正解が得られない世界において、89点vs90点のような形で1点勝負を繰り返すのは中々にしんどいです。
一方、後者は精度よりも早さが求められる領域です。この点に関しては(マイナーマーケットであるほど)ベッター側にも勝ち目が見えてきます。ただ、ベストを目指せるかといえば決して楽な道ではありません。なぜなら対戦相手がブックメーカーだけでなく他の優秀なベッターも含まれるからです。選手の負傷、チームトラブル、天候等の突発的な内容も優秀な方はすぐにキャッチしてベット行動に反映しています。それでも、マーケットを絞る(自分が好きなリーグとか)ことで、熟練者でなくてもクロージングオッズより良い形でベットすることはそこまで高いハードルではありません。
過去のデータでの勝負は泥水をすする覚悟が要りますが、現在の情報での勝負なら「好き!」という気持ちだけでも武器にできます。相手の得意なフィールドで一緒に勝負する必要はないんです。
結論:結局自分はエンジョイ勢
すっごい雑に言えば、マーケットにおいてブックメーカー側が有利か否かはMax betの大小である程度判断できます。勝てる見込みがあるからマーケットサイズを大きくするし、逆も然りです。私はセリエAをはじめ欧州主要リーグを追いかけて楽しくベットするのが好きで究極お金はどうでもいいので、分析の場で勝つために試行錯誤して、時にはこれまでの努力が水泡に帰してイチからやり直して、なんてプロセスを踏む覚悟を持てませんでした。
誤解のないように最後に補足すると、データアプローチを否定するつもりは全くありません。再現性を得るためには最も強固な手段の一つだと思いますし、ブックメーカーをギャンブルから投資に近づけたいのであれば非常に効果的でしょう。目的は違えど私も少し足を踏み込んだ側の人間として、今取り組んでいる方、実践レベルまで昇華した方は尊敬and尊敬です。神の御業や~といった気持ちで応援していきます。志半ばで散った哀れな狐より。
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