ドラフトルーキー育成二巡目 速水 隆成
<フォックストロットの野球語りたいラジオ2/13原稿>
・群馬ダイヤモンドペガサスから来た助っ人外国人のような特異な打撃フォームの捕手。球団の公式紹介文にもある通り、強打が持ち味。
・189cm102kg 右右 遠投は100m 50m6秒3 桐生第一出身 24歳のビッグパピー。
練習試合や紅白戦でよく見かけて妙な存在感のある選手だと思っていて、かなり記憶に残っていたんですが、よくよく思い出すと打席の印象はあるけど守りの印象がなかったので、ポジションが捕手だと分かってめっちゃびっくりしました。
・まあそう言われるとこの大きな体格、捕手向きではある。捕手は一般に壁性能(ボールを後ろに逸らさない能力)が必要と言われますが、体が大きければその分投手から見ればマトが大きいとなるわけなので、それだけで有利。桐生第一高校時代は一塁手で、一年の時からベンチ入りし、14年春の選抜では4打数4安打をマークするなど、高校レベルでもかなり打っていた模様…ってことは捕手始めたのは社会人になってからってことですので、それもそれでびっくり。
それでいて群馬ダイヤモンドペガサスでの4年目には盗塁阻止率.349を記録するあたり、野球センスには並ならぬものを感じる。遠投は100M、2塁への送球ポップタイムは大体1.88秒。甲斐拓也が日本人としては最速の1.7秒台だが、1.88は決して遅くはない。阻止率349も83の企図に対して29を阻止したものであるから、決してフロックではない。
・肝心の打撃の方はBCリーグ通算37本塁打。4年目の2019年には64試合で14本塁打。単純計算すれば144試合やれば30本くらいは打てるんじゃないか、と言う感じ。BCとNPBの実力差を考慮して考えても二桁はいけそうな雰囲気は感じる。と言うか打席の佇まいがそう思わせる説得力を持っている。ほとんどノーステップに近い、足を上げずに左足を引いたオープンスタンス、バットを頭の横に担いでフルスイングしていくタイプ。遠くへ飛ばすためのエネルギーは恵まれた体格から出力するのでミートできれば外野まではかなり楽に飛ばせる印象。ただ、練習試合を見る限りは芯を喰う打撃はまだ見れていないのでなんとも言えないところ。ミートが甘くても外野に持っていくだけのパワーがあるのは間違いないので、早く一本クリーンな当たりが見たいところ。
・捕手としての課題は経験値の少なさであると言うのは間違いない。社会人になってからのコンバートなのでまだ5年も経っておらず、フィールディング面はともかく、リードや守備位置など、扇の要としての役割を任せるにはやや不安が残る。反面、高校野球や大学野球の捕手経験がないことは「先入観」がないと言うことなので、癖のない状況から始められると言うことでもある。
その面を活かしてしっかり吸収していけば、将来的には正捕手争いに噛んでくることも考えうる。現状では一塁もしくは指名打者での起用がメインになるはずで、そうなればまずは打撃でのアピールが必要になってくる。率でも飛距離でも良いので、使ってみたいと思わせるものをなるべく早めに表に出して、まずは育成から支配下へ上がってこれるかどうか。24歳と言う年齢を考えてもそこまで時間は多くないので、がむしゃらにやっていってほしい。