ドラゴンズ戦終わって思ったこと

どうも皆さんこんばんは。フォックストロットです。今日は表題の通りです。ファイターズから見て中日ドラゴンズの抱える閉塞感にどう手を打てばいいのかっていうお話。はい、死ぬほどお節介なやつです。
この記事は6/12の配信の冒頭で言ってた、本来ツイートにするはずだったやつです。でも描いてみたらツイートだと収まらないのでノートにしました。せっかくこういうプラットフォームも備えてるわけなので。っていうか文春野球に投稿する記事の前に何描いてんだ僕は。

というわけでやっていきますがね。
そもそもこれはね、失礼であることは百も承知、批判覚悟の老婆心ながらなんで、もし気分を害されたお客様がいらっしゃいましたら、そっとフォローを外してリターンください。それくらいの覚悟はできております。
あっ、石を投げるのはよして。

とまあ言い訳したところで・・・。あのね、ウチ、ドラゴンズ戦3連勝したじゃないですか。でね、11日の試合後に立浪監督が
「日本ハムの選手は、成績はパ・リーグ最下位ですけど、ハツラツと、ぎらぎらと、目を輝かせてやっている。うちの打線もチャンスでもっとこうね。チャンスなのに、ピンチのような感じで打席に立ってる。これは開幕からずっと言っている。もっと思い切って積極的にやるのは、これからも続けていかないといけない」(スポーツ報知:11日18:16配信)
っていう訳です。全然他人事に思えない!むしろ去年までのうちじゃん。
であれば、なぜれが言い方にならないのかってのをちょっと外から見て考えてみたんですよ。で、ちょっくらまとめてみた訳です。

先に結論を短刀直入に言うと、
ドラさんサイドのモヤモヤを晴らすために必要なのは
「欲張るのをやめる」
だと思うんですよね。何を欲張っているかっていうと、
・「やればできる」っていう安直な希望を持っていること
・「育成と勝利」が両立できると思っていること

この二つ。今期のウチが溌剌としているように見えるのはこの二つをキッパリ諦めたからなんですよ。
・できないものはできないと認める
・育成しながら勝利を目指すなんて言うハンパが通じるほど自軍には力がないことを認める
まずこの「現状認識をきちんとする」、ここがとても大事だった。
僕は、前監督栗山さんが、後年になるに従って勝てなくなったのはこのスタート地点を間違えて、チームの方向性をはっきりさせることができなかったせいだと考えている。つまり、「できないと思っていてもがむしゃらにやり続けなければ結果は出ない」、「そうやって苦労を積み重ねていった先に成長がある」という栗山流のマッチョな育成方法だと選手が学んで成長するまでの模索期間が長すぎて、選手の新陳代謝が間に合わなくなる。そこで大鉈を振るう必要が出てきた。まずフロントが覚悟を見せてコスパの合わない「主力」を切った。そして大方の予想を裏切って新庄監督を連れてきた。ここも計算ずくだったんだと思う。ドライな考え方だけど、この「劇薬」は効いても効かなくても不思議じゃないもの。
そうやって今シーズン、ウチは見ての通り、はっきりと若手に切り替えてシーズンを送ることにした。
そんで、選手起用に関しての統一されたイメージとして
「育成」とか「慣熟」とかをしっかり打ち出している(と思う)。なので今何をやっているシーズンなのかが分かり易い。
・ウチは弱いから、「優勝は目指しません」。
・「主力」と呼べる人はほぼいないので「育成」に全振りします。
見ての通りそれでここまで最下位ながらなんとなくうまく回るようになってきているし、何よりもチームの雰囲気がとても良くなった。去年まで気になっていたベンチの静けさもガラッと変わったし、ボスが一緒に喜んでくれる。まあそれについては必須ではないでしょうけども。
そうやって、「チャンスがピンチに見える」という現象を今のところ克服できている。BOSSは消極的なプレイや、約束事を守れない時には厳しく言うが、積極的にチャレンジした結果に対しては必ず「学び」であり「成長」だと肯定してくれる。チャンスで打てないことは罪ではない、学びの機会なんだ。

一方、ドラさんは今色々手を加えて動いている事柄について、
「今シーズンを勝つため」なのか「若手をしっかり育てるため」なのか、
フロントおよび首脳陣の考え方がはっきりと揃ってないように見える。
京田を落とした理由はどちら?ノリさんを落とした理由はどちら?…どちらにも見ることができるよね。
それの何が問題かと言うと、やはり選手起用からくるプレイヤー側の意識の所だと思う。選手だって勝ちたい。チャンスで打ちたい、ピンチで失点したくない。失敗したくなんかない。でもその「失敗したくない」意識で積極的な、溌剌としたプレイなんてできないんだよな。少年野球をイメージすればわかりやすいんじゃないかな。
つまりね、まず必要なのは、さっきのBOSSのように「失敗に対する恐怖心を取り除くこと」、そのために「やればできる」と言う幻想を捨てる、そうすれば「まず今できてないんだから基本的なところから鍛え直す」って言うことに意識が向くんですよね。そうすると練習の吸収力も違う、それは今年のうちが証明したわけで。
実際問題、成長するためには失敗は絶対に必要な要素なんだけど、失敗すると勝てないわけだから、失敗したくなくて消極的なプレイが発生するのは当たり前なんだよな。でも消極的な選択肢がポジティブな結果、必要な結果以上の結果を産むことってまずないわけで。それも去年のウチが証明してる。みんなが三振怖がって振りの小さな”見極める”打撃に固執して全くHRが出なくなって、パリーグのどのピッチャーも怖がってくれなくってきっちりゾーン内で勝負されて、そうやって差し込まれて三振が増える・・・。
つまり、消極的なプレイには勝ちたいのに勝てないプレイになるっていうパラドックスが生じる。ここにキチンとケアをしてあげるためにうちが導入したのが、「積極的にプレイした結果なら失敗だっていい、そもそもできないんだから。その代わりちゃんと練習して次はできるようになろう、成長しよう」って言う考え方。これのおかげで若い選手がプロセスをキチンと整え始めるし、評価を受けるポイントが多くなって自信がつく。前向きな失敗も多くなって、それに立ち向かっていく場面が多くなるのは特にヤクルト戦で顕著だった。失敗して悔しい思いは募るけど、そこに立ち向かっていく勇気もまた同じ考え方でクリエイトできるようになる。

で、実はそう言うふうにするために絶対に必要なのが「割り切り」。
ウチみたいに「優勝目指しませーん」とか公言する必要は全くないけど、少なくとも球団の内部で、今年一年をどういう一年にするのかをはっきりさせて、一年間の運営をそのポリシーに基づいて決めていく必要は絶対にある。
「勝ちに行く」と決めたなら、そこに至るまでに何が必要かをきちんと積み上げていかなければいけない、これは当たり前のことだけど、そこに「選手の成長」を組み込むのはNGなんですよ。なぜなら、人の可能性の発露というのはアンコントローラブルな要素が多すぎるから。プランというのは実行可能でなければ意味がない。まず自分自身で能動的に実行可能、取り得る策をずらっと並べること。それが全部実行できても勝利に届かないのであればそもそもの目標設定が間違っているんです。「選手の成長」はプラスアルファの要件にすることはできるんですが、必須のものにするとそれが満たされなくなった時のリスクヘッジができません。選手の成長を思い通りに操ることなんてできないのですから当然です。ですから、勝利と育成を同時にやるとすれば、主力が十二分に育っていて、育てるべき若手の結果如何に関わらず勝利を計算することができるとき、つまりめちゃくちゃ分厚い選手層があるときと、そもそもその若手が普通に戦力になる場合、つまり2016大谷とか、今の佐々木朗希とか、年齢的には村上とか、牧くんもそうですけどね。でもこの場合は「育成」の要素はほぼないと言ってもいい。ですから、普通に考えれば「育成」が必要な状況というのは「戦力が足りてない」ときなんですから、欲張らずに「きちんと育成する時間」を作る方がいい。もしくは勝利と同時並行で取り組んで行くのも構いませんがその場合、ある程度負けてしまう、その結果優勝はできないことを許容しなくてはなりません。できないものはできない。だから育成と勝利の二兎を追う欲張りは諦めて、育成に振る割り切りが必要。

ここで最初に戻るんですけど、
以上のように「欲張るのをやめる」ことが必要なんですよ。
「やればできる」っていう安直な希望を捨て、「育成と勝利」はどちらを優先するのかをきちんと判断する。その上で、このチームを一体いつまでにどんな姿にしたいのか、ビジョンをまず共有する。必要ならチーム、選手、ファンにも一緒に考えてもらう。そうやって一体感を持って同じビジョンが共有できたら、そのために何をするべきなのか、何が必要なのか、プランを立てて準備をして、実行する。窮地に陥っているからこそ、なるべく多くの人が平易に理解できるシンプルなフレームワークに落とし込む努力が必要です。
今回はたまたまウチが勝ったので中日さんを例に話しましたけど、ぶっちゃけカープさんとか、阪神さんとかも同じ問題を抱えていると僕は見てます。ウチだっていつまでもこんなふうになんとなくいい流れで行けるわけありません。どこかでまた停滞するでしょう。でもうちはそうなった時、どこかでこうやってグレートリセットじゃないですけど、大きな改革を実行して自浄する作用が働く。今例に上げた球団の場合、そういう自浄が働いたシーンを見たことが少なくとも僕の記憶ではあんまりない。阪神さんは近年強いですが、一番欲しい物が手に入っていないはずですし、カープさんも言わずもがなの状況ではないでしょうか。ファンとしても、「今年のウチは一体何がしたいんだ?」と思うシーズンほどモヤモヤするものはないと思います。
何かを得ようとするときに、自分の立ち位置をきちんと把握しなくては、スタートラインが違うわけですから有効な策など打てません。ファンに「本気で優勝とか言ってんの?」と思われる前に球団側からはっきりとした示唆があれば、ファンも納得して応援できるってもんです。

まあ、今こうやってファイターズがなんとなくうまく回っている(ように見える)から僕もこうやって言えているだけなので、本当に失礼な話なんですけどね。そこはごめんなさいなんですけれども。
というわけでバチクソお節介かつ死ぬほどほっといてくれかつとんでもなく失礼な1ファイターズファン目線からのドラゴンズさんの閉塞感についての考察でした。お目汚し失礼いたしました。

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