ドラフトルーキー8巡目 北山 亘基

<フォックストロットの野球語りたいラジオ1/29原稿>
182cm80kg 右右 MAX153km 京都産業大学出身

・体の線は細め、その分体をムチのようにしならせて、関節の使い方が非常に柔らかいのが特徴的。しっかりとリリースの瞬間に力を指先に集められているし、体重移動もスムーズ。ただ、右腕が体から離れやすいのか、ちょっと遠心力だよりになってしまっている感もある。肩に負担がかかってしまうので、もう少しコンパクトにリリースをまとめられるといいとは思うが、今の球質はこのフォームから出来ているので、そこのバランスは大事。

・球の回転が非常に綺麗で、スピンも強く、球質に限っては一級品と言える。
リリースで言うと、特にカットを投げる時、数センチ肘が落ちる傾向がある。もともと先述通りリリース時の腕の回転がやや大回りな傾向があるので、カットボールという手首で切って投げる変化球の時には少し関節の連動に意識が行ってしまうのかもしれない。
・変化球はどれをとってもはっきりと変化するのが印象的。カットは横に、カーブは縦に、チェンジUPはしっかり落ち、フォークの抜けもいい。というか抜き系の球の抜けが半端じゃない。直球のスピン量の高さと相まってどの変化球も決め球になり得る質の高さ。困った時に投げられる頼りになる球がいくつもあるので、効果的に散らすことができれば相手はマトを絞るのに苦労しそう。

・大学通算で43試合、247回を投げて防御率2.00、235奪三振68四死球、奪三振率は8.56、四死球率は2.48、WHIPは0.95、と指標を見ても相当にハイレベル。
特にこれだけのイニングを消化してWHIPが1を切っている辺りは制球の良さ、制圧力の高さがはっきりと出ている。

・そんなにいい選手ならなんでドラフト下位なの、って話だが、それは彼の出身リーグが関西六大学だからであろう。
このリーグはレベルがあまり安定しない傾向にあるので、そう言うリーグで残した成績は参考にしづらい点がある。
王柏融のように、台湾リーグでとんでもない成績を残していても、実際にそこでやっている野球のレベルそのものが違うと、日本に来て3年苦労する例もあるわけなので、実際の実力の絶対値はそこまで高くは評価されてないかもしれない、と言うこと。
僕は動画を見て球質は間違いないと判断しているが、試合をチェックしたわけではないので、初回の入り、ピンチの対処、長いイニングの消化方法、不調時の投球など、プロで活躍していくために必要になるさまざまなエッセンスを全て網羅したわけではない。そう考えると、彼にもおそらくまだまだ成長の余地はあるだろう。ぱっと見で言えば線の細さがあるので、シーズンしっかり走り切るだけの体力づくり、くらいしか言えないところではあるけど。

・ともかく、少なくともいい球投げると言うことは間違いがないので、一軍のマウンドで早く見たい投手のうちの一人である。

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