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【Shadowverse】葬送ネクロマンサー解説【Academy of Ages/遙かなる学園】

※こちらの記事は2023年4月12日時点の内容です。最新の情報ではないため、そのことを念頭においた上でご覧下さい。

■はじめに

 初めましての方は初めまして。そうでない方はお久しぶりです。
 今回の記事ですが、AOA環境が始まった初日から愛用していた葬送ネクロで無事GrandMasterに到達しましたので、これを機に気になっている方の一助になればと思い、基本の動きから何から何まで、記録がてらに記事を執筆させて頂きました。
 私が至らないばかりに文章量が膨れ上がってしまいましたが、その分熱量を込めて、できるかぎり詳しく書いたつもりです。全編無料でお届けいたしますので、もしこれで葬送ネクロ興味を持って頂けたら嬉しく思います。

■どんなデッキなの?

 葬送ネクロとは、『屍滅の執行者・ミロエル』のリーダー付与効果を中心とした、バーン主体のデッキタイプです。ですが、基本的に瞬間火力は控えめで、継続的に飛ばし続けられる打点を活かし、ダメージレースで勝利するのが主なプランになります。
 『魂の岐路・ラカンドウラ』の直接召喚もあって、序盤の盤面の取り合いに強く、『屍滅の執行者・ミロエル』の着地後は毎ターン継続的に盤面にも全体6点が飛んでくるため、生半可な盤面形成は意味を成さないのが何よりの強みです。
 また、葬送というギミック自体にドローを回す効果等がついており、パーツの多さの割に再現性は高めです。強烈なバーン効果はリーダー付与効果のため、その間にドローを回したり回復したり別の動きに専念でき、継続的に攻めることにおいてはトップクラスの性能を誇ります。

 欠点としては、瞬間火力に乏しい関係上、OTK系のデッキ相手だと速度的に勝てず、細かいバーンを刻む関係上、ダメージカットには強い反面、効果ダメージ無効化やダメージ軽減といったカードを苦手としています。
 ただこの記事の執筆段階では環境トップと言われている復讐ヴァンパイアとディスカードドラゴンは素直にダメージレースをしてくれる相手なので、環境の立ち位置的には悪くありません。

 何より、葬送ネクロはどのカードを葬送するべきか、ターン毎に都度考える必要があり、頭を悩ませながら上手いことデッキを回していく使用感は、まさにカードゲームらしい楽しさに満ち溢れたデッキです。

■デッキレシピ

▲私がGrandMasterになるまで使用していた葬送ネクロ。一番オーソドックスな形。

■各カード解説

『御宿の幽霊犬』
 1コストで葬送しながら1ドローできる偉い犬。説明不要。必殺も偉い。

『大腕の沙汰』
 1コスト葬送、かつネクロマンサーフォロワーを回収できる。
 序盤は回収先を絞って序盤の動きを安定させ、終盤は盤面を埋めずに葬送できる。スペルだが最初から最後まで腐ることが少ない優秀なカード。

『枕元の不吉』
 盤面をどけながらドローもできる。個人的な結論、キーカードが多いためそれらを探すためにもドローできるこのカードは欲しい。ただしスペルで盤面にフォロワーが必要なため複数枚引いてしまうと腐るのが欠点。

『メタトロン』
 後攻の攻めを1ターン早めてくれる要のカード。
 ニュートラルフォロワーなので『大腕の沙汰』の回収対象にならないことを活かし、序盤に葬送することが多々ある。あとリアニメイト2で復活してくれても守護なので嬉しいという面も。

『冥焔の番犬・ケルベロス』
 主に『番犬の右腕・ミミ』を活かした復讐ヴァンパイアメタの役割。
 手札に加えた『番犬の右腕・ミミ』を活かすにはコツがいるが、貴重な葬送以外の打点。ラストワードの破壊された枚数によって挙動が大きく変わるので要注意。

『甘露の死霊術師』
 葬送1ドローおまけに回復。どっちの効果も偉い。縁の下の力持ち。

『ゴーストハントガール』
 『ゴースト』を加えることができる貴重なフォロワー。
 突進を持っているのが非常に偉く、序盤の盤面を取りに行ける他、『屍滅の執行者・ミロエル』進化で倒しきれない敵をリアニメイト2から復活した時フォローしてくれたり、終盤でも相手の面に当たって退場できたり、パッと見の性能以上に活躍の場は多い。

『カースドソーサラー・リーズ』
 序盤の処理に役立つ一枚。このカードではデッキを回せないこと、ドローがラストワードでタイムラグがあるのが欠点。一方で序盤は放置されがちなため、フォロワーをドローに変えられる『枕元の不吉』と相性が良い。
 『夜想の教鎌・メメトト』後に回す理由が少ない性質上、早めに投げたいカード。ただし『屍滅の執行者・ミロエル』の効果で処理しきれない面を作ってくる相手には除去としての活躍が見込めるため、対面によって大事にするべきかどうかは大きく変わる。

『夜想の教鎌・メメトト』
 進化を切るとリソースに余裕ができる。立ち回りの軸になるカード。
 先行、後攻によって切れるタイミングは結構変わってくるが、このカードに進化が切れないと手札が枯渇してしまうため、進化はマスト。2枚目以降はあっても意味ないので、葬送の種にするといい。

『不浄の古霊』
 リアニメイト4から出てきて打点の要として活躍する。むしろこのカードがないと打点があまり伸びない。早い段階で引き込み、一枚は葬送したい。
 『夜想の教鎌・メメトト』後じゃないと性能としてはいまいちだが、『夜想の教鎌・メメトト』後だと打点であると同時に回復できるのがダメージレースにおいて優秀。地味に突進を持っているため、それもまた役に立つ。
 ただいくら打点の要とはいえ、手札消費が激しいこのカードを複数枚抱えても扱いに困るため、不要だと思ったら葬送の種にしても構わない。

『死竜の暴食』
 継続打点は優秀なものの、決定打に欠けるこのデッキにおける救世主。急な奇襲はもちろん、対コントロールにおいてはOTKのパーツにもなる。サブプランの中では特に優秀な1枚で、やたら墓地が溜まるが消費先がないこのデッキとの相性も抜群。
 活躍を見ると複数枚採用したくなる魅力すらあるこのカードだが、スペルなので葬送ができず積めば積むほど事故要因になる。結局1枚採用がベストだと思います。

『屍滅の執行者・ミロエル』
 このデッキにおける中心となるカードで、打点の要。着地さえできれば非常に強力なリーダー付与効果を得られる。
 6コストなのがやや遅いと感じる時もあるものの、一度着地すれば以降毎ターン『エンペラーフィスト・ガロム』を投げ続けられるようなものなので、5コストだったら流石にヘイト買うと思う。

『魂の岐路・ラカンドウラ』
 最序盤の手札消費の重さをカバーしてくれるカード。特に序盤戦の攻防においてはこのカードのお陰で遅れを取ることはほとんどない。
 が、素引きしたら手札マイナスみたいなもので、何故かやたらと手札に来る。やっぱ直接召喚ってシステム自体が……。
 基本はデッキ圧縮+手札の水増し用のカードなのだが、実は本体もわりかし強い。『双魂の久遠・ケリドウェン』のリアニメイトで復活させるケースも含めると、それなりに活躍する機会は多い。他の蘇生先と違って、構築を歪めず、確実に墓地に送れることができ、そしてそれなりに強いのが強み。

『双魂の久遠・ケリドウェン』
 7コスって書いてあるけど実質1コストの葬送アミュレット。
 アミュレットなので場を長期間埋めるのがネックだが、『不浄の古霊』さえ墓地に送れればリアニメイト4の効果は強力。
 対バハムートドラゴンに対しあらかじめ置くことで『終焉の地』で割ってもらうこともでき、カウンターを決めるチャンスになる。
 その性質上、相手からの盤面ロックには注意。あと地味に他の1コスト葬送と違い、中盤以降の投げるタイミングが難しいのが欠点。
 本体のリアニメイト10の蘇生先は、このデッキの場合『魂の岐路・ラカンドウラ』確定。ファンファーレ効果もちゃんと機能し、全体に5点飛ばしながら6/1守護と5/7守護を立てられる。今回は不採用だが『亡き街の大幽霊』を蘇生させるのも面白い。

■マリガン

★確定キープ枠
『屍滅の執行者・ミロエル』
『夜想の教鎌・メメトト』※先行の場合
『メタトロン』※後攻の場合
『不浄の古霊』
『御宿の幽霊犬』
『大腕の沙汰』
『双魂の久遠・ケリドウェン』

★余裕があればキープする枠
『カースドソーサラー・リーズ』
『枕元の不吉』

 基本はデッキの核となるカードか、序盤の葬送回数を稼ぐための1コスト葬送カードをキープします。
 たまにキーカードが手札にかぶって身動きが取れなくなる事故が発生しますが、そもそも引けないと話にならないため多少の事故は諦めてキープした方がいいと私は考えております。

 このデッキの場合、マリガンで引き直すと何故か手札にカードが戻ってこないこと(※『魂の岐路・ラカンドウラ』を素引きする)が多々あるので、結構甘めのマリガンでも大丈夫だとは思います。

■基本の動き

★序盤戦(1~4ターン目)の考え方

(1)極力『魂の岐路・ラカンドウラ』の直接召喚を狙う。
 早い段階で直接召喚しないと素引きでドローが潰れるので、積極的に狙う。ただし、強引に狙う必要はない。特に3回目は後回しにして『屍滅の執行者・ミロエル』のタイミングまで残しても良い。

(2)『不浄の古霊』を一度葬送しておく。
 リアニメイトのため、一枚目の『不浄の古霊』は早い段階で墓地に送りたい。ただし、あまりに早いと『大腕の沙汰』の回収対象になって、序盤の動きが鈍るため、臨機応変に。
 遅くても『双魂の久遠・ケリドウェン』の結晶が割れる時か、『屍滅の執行者・ミロエル』に進化を切るタイミングには葬送したい。

 とはいえ、当然引けない時もあるので引けなかったら仕方ない。その場合は考え方がふたつある。
1.『夜想の教鎌・メメトト』を葬送する。
 『双魂の久遠・ケリドウェン』の結晶が割れるタイミングを先行5ターン目に調整し、本来払うはずだった3コスト分を葬送フォロワーに回す。
 後攻の場合は『屍滅の執行者・ミロエル』から蘇生させることで、取らなければ次進化切りますよという圧力をかける。
 この場合、2枚目の『夜想の教鎌・メメトト』をキープするか『双魂の久遠・ケリドウェン』の結晶のタイミングを調整し、処理された場合でも問題ない状況を作っておきたい。
2.『夜想の教鎌・メメトト』を葬送しない。
 リアニメイト4で2コストフォロワーを蘇生させるのが目的。
 さすがに復活先は絞れないが、『カースドソーサラー・リーズ』が蘇生先に選ばれた場合守護を張れた上に1ドローできて美味しい。2コストフォロワーには『メタトロン』もおり、下手に『夜想の教鎌・メメトト』を蘇生させるより防御力がある。妥協案。

(3)葬送3回を目指す。
 4ターン目の時点で5回達成して『カースドソーサラー・リーズ』の進化や『不浄の古霊』のバーンを飛ばせるようになるのが理想だが、最低限『屍滅の執行者・ミロエル』着地前までに3回達成できればいい。
 3回達成することで、6ターン目の『屍滅の執行者・ミロエル』進化のタイミングで5回になり、リアニメイトした『不浄の古霊』がバーンを飛ばしてくれるようになる。

(4)最序盤の『大腕の沙汰』は回収先を狙って絞る。
 破壊されたネクロマンサーフォロワーが2種類までなら確実に狙ったフォロワーを回収できるため、序盤は意識して1コストor2コストの葬送フォロワーを回収する。『メタトロン』はニュートラルフォロワーなので、『大腕の沙汰』の回収対象じゃないのがポイント。『大腕の沙汰』で葬送することで、先に破壊しておいたネクロマンサーフォロワーに変換できる。
 確実に回収先を選べるのは最序盤だけだが、3ターン目くらいまでは微妙に意識して墓地に送るフォロワーを選びたい。とはいえ選択肢がない状況もあるので、あくまで多少意識する程度で十分。

(5)葬送=ドローのカードは『夜想の教鎌・メメトト』後に残す。
 無理にとっておかないといけないレベルではないが、手札に『夜想の教鎌・メメトト』がある場合、後回しにできるならしておきたい。
 特に『双魂の久遠・ケリドウェン』はドローすると同時にランダム除去2点を2回飛ばしてくれるため、一枚とっておくと着地の隙がカバーできる。
 逆に言えば、葬送時ドローしないカードは早い段階で切ってもいい。特に『カースドソーサラー・リーズ』は序盤の処理の要、かつドローにタイムラグがあるカードなので、早い段階で切りたいカード。特定のマッチアップでは処理のために残したいカードにもなるが、基本は早々と切っていい。

 とはいえ『魂の岐路・ラカンドウラ』の直接召喚の方が序盤の優先度は高い。残せるなら残したい、くらいの気持ちで十分。

(6)進化ターンまでにキーパーツを集める。
 先行なら『夜想の教鎌・メメトト』『屍滅の執行者・ミロエル』、後攻なら『メタトロン』『屍滅の執行者・ミロエル』に最速で進化を切りたい。それに加えて、『不浄の古霊』まで確保できればベスト。
 基本は『魂の岐路・ラカンドウラ』の直接召喚でデッキを圧縮し、その後葬送時ドローしてくれるカードや『枕元の不吉』でキーパーツを探す。

 ちなみに、後攻に関しては『夜想の教鎌・メメトト』をキープしなくてもいい。ちゃんと動けた場合、後4『メタトロン』進化、後5『屍滅の執行者・ミロエル』進化となるため、必然的に『夜想の教鎌・メメトト』に進化を切れるのはその後とかなり遅くなるためである。
 もちろん後4で『メタトロン』に進化を切れなかった場合、『夜想の教鎌・メメトト』に進化を切ってデッキを回すのだが、本来のムーブからは外れるため狙う必要はない。

★中盤戦(4~6ターン目)の考え方

(1)キーカードに進化を切る。
 後攻なら『メタトロン』と『屍滅の執行者・ミロエル』に、先行なら『夜想の教鎌・メメトト』と『屍滅の執行者・ミロエル』に進化を切る。このデッキの最優先事項で、そのためにギリギリまでデッキを回す。
 もし手札に揃っているなら、その動きをフォローするカードも余裕があれば残しておきたい。後攻の場合は『メタトロン』に添える『カースドソーサラー・リーズ』、先行の場合は『夜想の教鎌・メメトト』に添える『双魂の久遠・ケリドウェン』等。

 基本的にこのデッキの進化権は、『夜想の教鎌・メメトト』『屍滅の執行者・ミロエル』『メタトロン』の3枚に切ることになります。他に回す余裕はありません。
 切らなくても戦えないことはありませんが、『夜想の教鎌・メメトト』に進化を切れないとリソースが、『屍滅の執行者・ミロエル』に進化を切れないと打点が足りなくなり、『メタトロン』に進化を切れないと後攻で攻めるのが1ターン丸々遅れることになります。どれも致命的なレベルなので、これらのカードに進化を切るのがマストだと思ってください。

(2)盤面ロックに気をつける。
 特に葬送ネクロは4面埋まると葬送自体ができず機能不全に陥り、特に中盤に関しては『双魂の久遠・ケリドウェン』の結晶で面が埋まることもあって圧迫される。
 もし盤面ロックをケアできるなら事前にするべきだが、中盤の動きが固定化されているこのデッキの場合、ケアできないケースの方が多い。そのため仮に盤面ロックされた場合、どう動くか事前に考えておくのも重要である。
 例えば『屍滅の執行者・ミロエル』を進化を切らずにポン置きする、このターンは『屍滅の執行者・ミロエル』に行かず『夜想の教鎌・メメトト』でお茶を濁す、空いた1枠のところにあえて葬送しない形で『不浄の古霊』や『カースドソーサラー・リーズ』を投げる、仮にロックされた場合『死竜の暴食』でカウンターする等々。
 どうしようもない状況でもない限り、一度盤面ロックを喰らった程度で即負けるような展開にはならないようにあらかじめ考えておこう。

(3)『魂の岐路・ラカンドウラ』は1枚残しておく。
 これもできればで構わないが、相手に公開してから手札に加える関係上、一枚残しておけば心理的に5点バーンの圧力をかけ続けることができる。
 『屍滅の執行者・ミロエル』に進化を切った後なら他のカードで打点は出せるため頼ることはあまりないが、無理な動きや回復を強要できることもある。他に葬送するカードがないなら切ってもいいが、残せるなら残しておくと得するケースがあるかもしれない。

 また今回は採用されていないが、これを意識することによる一番のメリットは『冥道の列牙・オルトロス』の存在である。
 『夜想の教鎌・メメトト』後なら一気に手札を補充できるカードになるが、そのためには7コスト以上のネクロマンサーフォロワーが必要であり、これが後回しにする理由になる。
 今回の構築ではそこまで意識する必要はないが、『冥道の列牙・オルトロス』を採用している構築ならば意識しないといけない要素だろう。

★終盤戦(7ターン目以降)の考え方

(1)『ゴースト』を1枚確保しておく。
 もちろん『死竜の暴食』で不意にリーサルを取るためである。『ゴーストハントガール』の効果で手札に加えることができるが、事前に加えておかないとプランを急に切り替えられない。序盤は葬送してしまっても構わないが、いざという時のために一枚はちゃんと用意しておこう。

(2)『死竜の暴食』が手札にある場合、常にリーサルを意識しておく。
 墓場20で4コスト10点。基本は『ゴースト』と組み合わせるため、5コスト11点。これだけだとフィニッシャーとしては心許ないが、『屍滅の執行者・ミロエル』のお陰でリーサル圏内に押し込むのは容易い。
 既に手札にある場合、早い段階から墓場20の達成は意識する。盤面のフォロワーが全処理され、葬送で稼げる墓場も込みで考慮に入れておく。
 『不浄の古霊』2枚と合わせて9コスト21点OTKも可能。実際は『双魂の久遠・ケリドウェン』の結晶が割れるタイミングと組み合わせることで、様々なパターンが増える。速攻でも長期戦でも決定打になる一枚であり、前述の『ゴースト』を1枚確保しておくことと合わせて意識しておきたい。

(3)破壊されたラストワードの枚数を確認する。
 『冥焔の番犬・ケルベロス』の効果。手札に加わるか突進するかによって立ち回りが大きく変わる。特に手札に加えるつもりだったが、実は既にラストワードを5枚達成しており盤面に出てしまった、なんてことになったら想定していたプランが崩れかねない。
 対ディスカードドラゴン、バハムートドラゴン、回復ビショップの場合は『屍滅の執行者・ミロエル』だけでは対応できない強い盤面を作られるため、できればラストワード5枚を達成しておけると立ち回りに幅ができる。達成したい場合は序盤から『番犬の右腕・ミミ』『番犬の左腕・ココ』を投げることも視野に入れて動き、そうでない場合は達成してしまってないかちゃんと確認してから動き始めよう。

(4)盤面を空けるための先当たりを忘れない。
 葬送ネクロは『屍滅の執行者・ミロエル』の効果で盤面を簡単に更地にできてしまう。そのため、『ゴーストハントガール』やラストワード5枚達成後の『冥焔の番犬・ケルベロス』は葬送回数を重ねる前に先に当たること。でないと盤面が埋まったまま、動けるはずだった動きができなくなる。
 当然といえば当然なのだが、この凡ミスが致命傷になりかねない。ちゃんと覚えておきましょう。

■先行の基本ムーブ

★1ターン目

(1)パス
 基本。手札が悪い状況でもトップ次第で2~3ターン目に葬送2回を達成できる可能性があるので、1コス葬送は雑に切らない。

★2ターン目

 手札状況によってはパスしてもいい。対面にもよるが、3ターン目から動き始めても問題ない。

(1)1コスト葬送2枚
 『魂の岐路・ラカンドウラ』を直接召喚する。『大腕の沙汰』を絡めて次以降の動きも確保しながらデッキ圧縮できるのがベスト。
(2)『御宿の幽霊犬』+『枕元の不吉』
 『御宿の幽霊犬』から入ってトップ1コス葬送期待しつつ、引けなければ『枕元の不吉』でドローに切り替える。
(3)2コスト葬送or『双魂の久遠・ケリドウェン』結晶
 相手が1コスフォロワーを場に出した場合、対応する感じで投げる。『双魂の久遠・ケリドウェン』の場合、トップ1コス葬送も期待。
 余程強気に攻めたい対面じゃなければ動き始めるのは3ターン目からでもいいため、優先度はやや低め。
(4)『メタトロン』
 手札に『枕元の不吉』がある場合。場残り期待で雑に投げる。

★3ターン目

 このあたりから手札状況次第で後に葬送するカードを残すためにあえて動かないのも選択肢に入る。

(1)2コスト葬送+1コスト葬送
 『魂の岐路・ラカンドウラ』直接召喚。このあたりから5ターン目の『夜想の教鎌・メメトト』のターンを考えて何を残すか考える。
(2)2コスト葬送+『枕元の不吉』
 手札状況と相談してドローを進める。組み合わせるカードとしては『カースドソーサラー・リーズ』あたりが筆頭候補。
 2ターン目に投げたフォロワーを先に『枕元の不吉』でドローに変えるパターンもある。

★4ターン目

(1)2コスト葬送×2
 『ゴーストハントガール』や『冥焔の番犬・ケルベロス』で加えたトークンを2枚目の葬送に使う。1枚目は大体『魂の岐路・ラカンドウラ』を墓地に送るケースが多い。
(2)2コスト葬送+1コスト葬送+『枕元の不吉』
 直接召喚もドローもするパターン。1コスト葬送札は『大腕の沙汰』で2、3ターン目に破壊された葬送札を回収して使うパターンが多い。
(3)『不浄の古霊』+1コスト葬送
 先行4ターン目で葬送5回達成できた場合のヤンキームーブ。
 手札の枚数に気を使う必要はあるが、『双魂の久遠・ケリドウェン』の結晶や場に残った『カースドソーサラー・リーズ』と組み合わさると相当早い段階から圧力をかけられる。

★5ターン目

(1)『夜想の教鎌・メメトト』進化+葬送
(2)『夜想の教鎌・メメトト』進化+『枕元の不吉』+1コスト葬送

 『夜想の教鎌・メメトト』に進化を切ってデッキを回してゆく。まだ手札になければ、このターンのドローで全力で『屍滅の執行者・ミロエル』を引き込みにいく。
 組み合わせるカードとしては『双魂の久遠・ケリドウェン』の結晶が最適で、次点でドローが進められる『御宿の幽霊犬』『甘味の死霊術師』、盤面に対応できる『カースドソーサラー・リーズ』になる。
 ちなみにターン開始時の段階で『夜想の教鎌・メメトト』が引き込めていない場合、2コスト分でドローを回してギリギリまで引き込みにいく。相手の盤面が強いと対応を強要されることもあるが、ここで進化を切れないとリソースが先に尽きる。

★6ターン目

(1)『屍滅の執行者・ミロエル』進化
 復讐ヴァンパイア対面以外では余程のことがなければ進化を切る。
 さすがに見えてる範囲でリーサルだと回復に走る必要があるが、このカードが投げれないと打点も盤面処理もジリ貧になるためマスト。

 『屍滅の執行者・ミロエル』が引けなかった場合のプランとしては、『双魂の久遠・ケリドウェン』の結晶で『不浄の古霊』を出して体力削り、残りを『死竜の暴食』をかけた『ゴースト』で強引に削り切ることになる。

★7ターン目以降

(1)3回葬送+α
 基本。盤面と体力に継続的に圧力をかけてゆく。『屍滅の執行者・ミロエル』以外の追加打点は少なく、瞬間火力には乏しいが、『不浄の古霊』と『甘味の死霊術師』のお陰でダメージレースには滅法強い。
 継続的なバーンで圧力をかけながらデッキを回して隙をうかがい、隙あらば『死竜の暴食』を絡めてリーサルを取りに行こう。
(2)『魂の岐路・ラカンドウラ』or『双魂の久遠・ケリドウェン』
 7コスト5点バーン。ついでに守護も立てられる。『双魂の久遠・ケリドウェン』の本体効果このデッキだと『魂の岐路・ラカンドウラ』確定で、同じような感覚で扱える。自分の場も破壊できるのがポイントで、『番犬の右腕・ミミ』を自壊できるのもポイント。
 積極的に取りたい選択肢というわけではないが、1枚で盤面を誤魔化せたり、場を離れた時のランダム3点が稀に刺さったり、妥協策としてはそれなりに使う。
(3)『ゴースト』+『死竜の暴食』+葬送
 『ゴーストハントガール』で加えた『ゴースト』に『死竜の暴食』のバフで不意の高打点を叩き込んでリーサルを目指す。余ったコストを葬送に回すことで、本来止められるはずの守護の突破も可能。
 ケースによっては『不浄の古霊』の3点バーンを使わず、ただの葬送つきの突進として守護突破に回し、こっちのプランを通せば方が勝てる試合もある。固定概念に囚われず柔軟にプランを組み立てよう。

■後攻の独自ムーブ

 ベースは先行と変わりません。ここから記載するのは後攻独自で取ることがあるムーブになります。

★後攻1ターン目

(1)『双魂の久遠・ケリドウェン』結晶
 先行1ターン目の1コストフォロワーに対応したい場合に。
 主に放置すると『アネモネタイガー』に繋げられるエルフ対面や、『悪魔の笛吹き』が守護裏に行ってしまう狂乱ヴァンパイア対面等、即座の対応が求められるケースで使用。
 ロイヤルも1コストから動いてくることが度々あるものの、案外そっちは放置で構わない。2ターン目以降の『魂の岐路・ラカンドウラ』直接召喚で盤面は捌けるし、序盤に数点のダメージをもらったところで後々回復でリカバリーできる。

★後攻4ターン目

(1)『メタトロン』進化+α
 先行で絶対に進化を切りたいのが『夜想の教鎌・メメトト』なら、後攻で絶対に進化を切りたいのが『メタトロン』です。『屍滅の執行者・ミロエル』とセットで全力で引きに行きましょう。
 ただ後攻の場合、葬送に回せるターンが先行より少ないため、葬送の回数を渋ると次のターンの『屍滅の執行者・ミロエル』までに葬送回数が3回未満で止まる可能性があります。少し回数を意識して、直接召喚に繋がらなくても葬送を切るケースも頭に入れておきましょう。
(2)『夜想の教鎌・メメトト』進化+α
 無理に引きに行くよりは安定を取った場合の妥協策。この場合『屍滅の執行者・ミロエル』は1ターン遅れてしまうのですが、『メタトロン』に切る必要があった進化権を自由に使えるようになります。使い道は自由ですが、使ってもいいことは覚えておきましょう。

★後攻5ターン目

(1)『屍滅の執行者・ミロエル』進化
 『メタトロン』から繋げる形で切ります。先行と基本は変わりませんが、後攻の場合最速だと準備不足なパターンが増えます。
 基本は最速で切りたいものの、葬送回数が足りない上に『不浄の古霊』も引けなかった等、あまりに十分なバリューを発揮できないと思ったなら、先に『夜想の教鎌・メメトト』に進化を切るのも選択肢になります。
(2)『夜想の教鎌・メメトト』進化+葬送
 『屍滅の執行者・ミロエル』を引けなかったor準備不足で先にドローを進めたい場合に考えるパターン。

★後攻6ターン目

(1)『夜想の教鎌・メメトト』進化+葬送
 『メタトロン』から順調に繋がったパターンの場合、『夜想の教鎌・メメトト』に進化権を切れるのはこのタイミングになります。
 ちなみに、リソースが尽きるより先に相手の体力を削りきれるなら、進化を切らないのも十分選択肢に入ります。

(2)『屍滅の執行者・ミロエル』進化+1コスト葬送札
 『メタトロン』の後『夜想の教鎌・メメトト』に行ったパターンはもちろんですが、後攻の場合、実は『屍滅の執行者・ミロエル』を2連で投げることも一考の価値があります。
 
『夜想の教鎌・メメトト』に進化を切らない関係上、手札が速攻で尽きるため長期戦は見込めませんが、ここまでで既に十分体力が削れていれば押し込めるケースもあります。頭の片隅に入れておくといいです。

■対復讐ヴァンパイア対面

 現在強い復讐対面に対しても、葬送ネクロは結構やれる寄りです。事故さえ起きなければ、回復手段に乏しい復讐相手だとダメージレースで勝てる、ダメージを刻む関係上『逢魔の校長・ヴォルガス』進化のダメージバリアを簡単に突破できる等、優位に立てる要素は多いです。
 ただし、『アビスドゥームロード』の存在のせいで、『屍滅の執行者・ミロエル』進化を『アビスドゥームロード』進化で返され、次のターンに削りきられるのが負けパターンです。逆に言えば、『アビスドゥームロード』を無力化できれば勝てる試合は多いです。

 基本的にこの対面では『屍滅の執行者・ミロエル』に最速で進化を切らず、6ターン目は『番犬の右腕・ミミ』を合わせる等をして盤面を作りながら1ターン誤魔化し、7ターン目に『屍滅の執行者・ミロエル』進化+1コスト葬送で動き、『双魂の久遠・ケリドウェン』の結晶破壊や盤面に残ったフォロワーと合わせて体力を一気に削り切るのが理想的です。
 体力的に削りきれない場合は、7ターン目の『屍滅の執行者・ミロエル』に『番犬の右腕・ミミ』を添える形で、『アビスドゥームロード』を容易に切れない状況を作りましょう。
 もしこちらが様子を見ている間に、相手がリスクを背負ってでも『アビスドゥームロード』を投げてきたら、残りの体力を削るのに『屍滅の執行者・ミロエル』はいりません。全力で体力回復することだけに専念し、相手の攻めを一度凌いでカウンターを狙いましょう。
 先行であれば、復讐を気にせずアグロ気味に攻めて、6ターン目の『屍滅の執行者・ミロエル』進化の時点で削りきれば、『アビスドゥームロード』を怖がる必要もありません。

 ただし、これらの対策はあくまで他の手段でリーサルが取られない場合に限られるため、基本は復讐をケアしながら回復に専念しつつ、2ターンかけてこちらが勝てる状況を押し付けることを意識しましょう。

■対狂乱ヴァンパイア対面

 不利対面。主導権を取り返せれば勝ち目があるが、基本こちらの攻めの方がワンテンポ遅い。葬送ネクロ的には復讐よりこっちのがきつい。
 序盤から的確な処理を要求され、仮にそれらを綺麗に捌いたとしても『紅き血の女王・ヴァンピィ』や『ハウリングデーモン』で削られ、『羅刹の咎人・ガロダート』に繋げられる。特に葬送ネクロの場合序盤はなんとでもなるものの、中盤の大事なターンあたりで『屍滅の執行者・ミロエル』への進化を要求されるのが重い。
 とはいえ、それはどう頑張ったところでデッキの性質上回避できないため、ある程度割り切って進化を切る他ないと思う。進化を切らずに長引かせたところで勝てません。なら早い段階でリスクを背負って、仮に通った時に相手の体力に圧力をかけれた方が良いケースが多い。
 狂乱の場合、体力が減ると必然的に取れる選択肢は大きく狭まる。体力1まで削ることができれば実質リーサルみたいなものです。

 結局のところ、この対面は『屍滅の執行者・ミロエル』が6コスである以上どうにもならないです。負けるのはある程度諦めましょう。
 『死竜の暴食』プランで奇襲をかける場合も、回復と守護でリーサル圏内に入ることもまずありません。

 狂乱相手に勝てる可能性を広げたいなら、『亡き街の大幽霊』の採用が候補に上がります。『双魂の久遠・ケリドウェン』の本体効果で場に出せれば各種打点の被害を大きく抑えることができ、また現在主流の狂乱ヴァンパイアでは潜伏しているこのカードを取ることができません。
 若干遅いため間に合わないケースもあるかもしれませんが、狂乱ヴァンパイアが環境に増えてきたら一考の価値はあるでしょう。

■対ディスカードドラゴン対面

 五分対面。基本こっちのやりたいことはやらせてもらえるため気が楽。
 ちゃんと回ってくれれば削り始めるのがこっちが先で、ダメージレースでは基本優位に立てる。葬送ネクロは『禁牙の執行者・ドラズエル』の処理が得意かつ継続的に打点を叩き込めるため、1ターン遅延されたとて致命的なことになることはあまりない。
 だが、『リリウムの幼竜』や『マーメイドシンガー』といった細かい回復で計算が狂うことも多々あり、基本盤面の除去を効果ダメージに頼っているため、『黒白の乱舞・ノール&ブラン』を複数立てられると突破が困難。一面だけなら『ゴーストハントガール』+『ゴースト』2枚で対応はできないこともない。

 結局のところ、この対面は速度勝負である。こっちが先に『屍滅の執行者・ミロエル』を絡めて体力を削り切るか、相手が先にPPブーストとディスカード4枚の条件を満たし、返しで死なない体力を確保した上で『金色の威信・リュミオール』に繋げられるかどうか。
 ちゃんと回った方が勝つ。というよりは、事故らなかった方が勝つ。そう聞けばドラゴン側に分があるように思えるが、さっきも言ったようにこの対面は速度勝負であり、葬送ネクロ側のパーツは多いがドラゴン側も条件はそれなりに重い。総合的に判断すると五分くらいだと思われる。

 復讐ヴァンパイアと違って、普通にやれば問題ありません。
 一応処理が得意といえど、『禁牙の執行者・ドラズエル』は3回葬送の全体6点だけでは倒しきれないので、別途処理用に『ゴーストハントガール』か『カースドソーサラー・リーズ』は準備しておきましょう。

■今回不採用のカード達

 以下に記載するのは今回採用されてないカード、かつ採用候補に挙げられそうなカード達です。いわゆる自由枠。強いけど構築に空きがないせいで不採用になったカードから、試したけど相性が悪かったカード等々、私の所感を記載しています。参考程度にご覧下さい。

『奔放のネクロマンサー』
 フォロワーなので葬送可で、『大腕の沙汰』で回収可。1コスなので序盤の『枕元の不吉』の破壊先がいない問題を多少なりと解決できる。
 ただ、2回葬送の条件が重い。噛み合いが悪いとまともに動けなくなる。ついでに手札に加える『隠された財宝』が1コスなのも結構重たい。
 一度回ったら『夜想の教鎌・メメトト』が起動できなくてもデッキをぶん回せるのが最大の利点。ただ、条件の重さを考えるとやや期待値はマイナスか。

『ジャーニーゴブリン』
 普通に強い。使いやすい。特に1ターン目に投げる意味のあるニュートラルフォロワーなのが非常に偉い。
 自然な形で2ターン目の『枕元の不吉』に繋げられるし、葬送したとしても『大腕の沙汰』の種類にカウントされないのでお目当てのフォロワーを回収しやすい。終盤なら3点回復に変換することもでき、枠が余ったらとりあえず入れてもいい。他に採用したいカードがたくさんあるので抜けた感じ。

『ヴァイスソウルハンター』
 条件つき2コス3点疾走。貴重な『屍滅の執行者・ミロエル』以外のダメージソース。
 破壊効果持ちなので葬送ネクロだと基本突破できない『英傑の学園長・ガルドル』を破壊できるのが最大の利点。
 ただ本人は葬送に何も絡まず、先に2回葬送しないと疾走しない。条件のせいで疾走でありながら『死竜の暴食』とも噛み合いが悪く、環境的に破壊を活かせる相手が少ないのも向かい風。

『奈落の軍曹』『アズヴォルト』
 『屍滅の執行者・ミロエル』確定サーチ枠。これが引けないと始まらないデッキとはいえ、『屍滅の執行者・ミロエル』自体は6ターン目までに1枚引ければ十分なので、普通にデッキを掘るだけで大体引ける。そもそもこれ1枚増やして引けない事故が減るかといえばそんなことはない。
 入れるなら『アズヴォルト』よりも『奈落の軍曹』の方がオススメ。リアニメイト2で復活しても、2枚目以降の『屍滅の執行者・ミロエル』を葬送用のカードにできる。手札が結構カツカツなので1枚増えるだけで嬉しいケースは多い。

『ゴーストヴァニッシュ』
 『アビスドゥームロード』に親を殺された人向け。エンハンス7で狩る。
 一応『番犬の右腕・ミミ』でもケアはできるものの、6ターン目は『屍滅の執行者・ミロエル』に進化を切りたいと思うので、ケアできないケースが多々ある。その場合のフォロー。とはいえやや過剰気味。
 葬送できないので事故要因にもなるが、一応2点打点にはなる。3コストで『枕元の不吉』と合わせることも可能。上手いことエンハンスを外す調整が必要にはなるが、『死竜の暴食』との併用も一応可。

『大望のミニゴブリンメイジ』
 『魂の岐路・ラカンドウラ』を素引きばかりする人向け。2枚3枚と素引きしたら勝てる試合も落とすけれど、まぁそんな試合は諦めていいようん。
 とはいえ直接召喚の回数を増やせたり、手札に加わった『魂の岐路・ラカンドウラ』や被って美味しくないカードを他の有効札に変換できる。
 問題はデッキの枠が余っていないこと。ドローを進めるより有効札を引ける確率が高い&ニュートラルフォロワーなため、使用感はとても良い。

『冥道の烈牙・オルトロス』
 手札に加えた『魂の岐路・ラカンドウラ』を2枚ネクロマンサーフォロワーサーチに変換できる。
 効果自体は優秀なのだが、3コスと重いため投げられるタイミングが限られる。序盤だと先行3、4ターン目、後攻3ターン目。それ以外のターンは他に取りたいアクションがあり、次に切れるタイミングは終盤になる。
 3ターン目に使いたい場合はそれまでに直接召喚を起動する必要があり、2ターン目に1コス葬送2枚といった具合でハードルが高め。もし採用するなら他の7コス以上のネクロフォロワーを採用しているデッキで、素引きしたカードを送る感じで使いたい。

『デスサイズハウンド』
 全体6点+4点バーン。ついでに自分の場のフォロワーも破壊できる。
大量の『番犬の右腕・ミミ』を自壊させたり、葬送した後盤面に残ったフォロワーを自壊させたり、『屍滅の執行者・ミロエル』だけだと突破できない強固な盤面を一掃したりできる。
 4コスフォロワーなので気軽に葬送できないが、リアニメイト4は『双魂の久遠・ケリドウェン』の結晶と『滅屍の執行者・ミロエル』の進化時効果のみなので、死ぬほど気を使うほどでもない。
 使用感自体は悪くないが、自分の場すらも一掃してしまうため『双魂の久遠・ケリドウェン』の結晶から出てきた『不浄の古霊』も一緒に破壊してしまう欠点がある。

『ウーラノス』
 3コス『ウーラノス』返して……返して……。
 葬送ネクロは構築によっては凄まじい勢いでデッキを掘れるので、9点バーンの条件を満たすこと自体は可能。
 ただ4コストと重めで、もっといえばリアニメイト4の阻害もしてしまうため、運用は難しい。3コストだったら序盤の『ウーラノス』は容赦なく葬送に回せたのに……どうして……。

『箱庭の追憶・オリヴィエ&シルヴィア』
 進化権がカツカツなこのデッキですが、進化権を回復する暇ができるターンが相当後になるので、基本このカードを投げてる暇はありません。
 性質上長期戦での活躍が期待されますが、このデッキに関しては「特定のカードに特定のタイミングで進化を切りたい関係上、他のカードに進化権を割けない」というのが問題点で、このカードではそれらの問題は解決できません。
 また、このデッキの場合回復した進化権を打点に変換する手段も限られているため、有用なカードかといえば疑問が残る。このカードが活躍する展開自体がそもそも望ましくないし、活躍する展開になったとしてこのカード1枚で打開できるかといえばそんなこともない。
 結論。オーソドックスな構築では不要。ただし、進化権を他に切りたいフォロワーを採用している場合一考の価値あり。どうせ不要なら葬送で流せばいいし。ニュートラルなので『大腕の沙汰』の種類を増やすこともないし。

『屍肉のハイドラ』
 大量に稼げる墓場の消費先になるが、7コスで素投げしている暇なんてあるはずもなく、リアニメイト7で復活させようとすると『魂の岐路・ラカンドウラ』と競合してしまう。相性自体は良いものの、場に出すことが難しすぎて現状両立は難しい。

『ファントムピアニスト』
 『夜想の教鎌・メメトト』と『死屍の執行者・ミロエル』の両方が起動できていないと着地が難しく、そもそも着地したところで勝てない。なんだったら『禁牙の執行者・ドラズエル』に秒で消し飛ばされる。6ターン目ですら遅いと感じるのに、7コスのこのカードが活躍できるわけもない。
 7ターン目を迎えた段階で『双魂の久遠・ケリドウェン』の結晶が残っているケースも多々あり、その場合は4面展開しかできなかったりするのもデメリット。
 一方で、デッキの構築上全体除去を搭載できず、打点を疾走に頼っているデッキ相手だと詰ませられることもある。対復讐ヴァンパイアにおいても、7ターン目を迎えることができればラストワードの1点バーンによって『アビスドゥームロード』の着地を許さず詰ませることができる。
 ラストワードカウントを一気に稼いでくれるので、『冥焔の獄犬・ケルベロス』の条件を満たしてくれやすい。逆にいえば、このカードを投げた後は手札補充としては使えなくなる。注意。
 デッキの相性にもよるので、1~2枚挿しておくのはアリ。ただし葬送すると『双魂の久遠・ケリドウェン』の本体効果で『魂の岐路・ラカンドウラ』を確定で出すことができなくなる。

『屍術王・コルネリウス』『永劫の決闘・モルディカイ』
 このデッキでは基本進化権が余りません。おまけにデッキの枠もありません。素直に専用デッキ組みましょう。

『亡き街の大幽霊』
 『双魂の久遠・ケリドウェン』の本体効果で蘇生するメタカード。特定のデッキタイプにおいては決定的な刺さり方をする。特に葬送ネクロの天敵ともいえる『英傑の学園長・ガルドル』を無にできるのが強み。環境によっては特化して、最速着地を狙う構築にしても面白いかもしれない。
 1枚採用するだけでデッキに幅をきかせられるが、即座に打点にはならないこと、刺さり方は相手のデッキに依存することが欠点。最近は復讐ヴァンパイアが多いため、刺さりにくい&7ターン目着地だと遅いのが向かい風。
 残ればフィニッシャーにもなるが、このカードの着地後は『不浄の古霊』のターン終了時効果が起動できなくなる。微妙に打点が足りなくなったりするので、使用する際は要注意。

■さいごに

 こんなにも長い記事を最後までお読み頂き、ありがとうございました。
 この記事を切っ掛けに、少しでも参考になれば、少しでも今期の葬送ネクロに興味を持って頂けたら幸いです。
 それでは、良きシャドバライフを。

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