見出し画像

撮り溜めズマロン集 Summaron-M 28mm f/5.6

ライカで写真を撮ると、写真に"""""ポエム""""""をつけたくなる人種はいるようですが、
私は写真にポエムを添付する才能は一切ないので、特徴を踏まえつつ
こういうレンズなんだなと感じてみていただくと良いかと思います。

Leica M、Nikon Z fで撮影したものですが、全てカメラ撮って出しJPEGで、
レタッチソフトによる手は入っていません。


Leica M (Typ240), Summaron-M 28mm f/5.6 11695

いきなりモノクロ暗黒写真ですが、露出を切り詰めた写真が好きなので、
見返すと暗黒写真ばかりです。
ボディはデジタルのLeica M、レンズは復刻版で6bitコード付なので、
RAWファイルに周辺光量補正や色被り補正、歪曲補正がねじ込まれます。
どうもライカの諸補正はRAWにかかっているようです
ズマロンM28mmの歪曲収差は端以外は元々光学的に
ほぼ完全に補正されており、写真の通り気になりません。


Leica M (Typ240), Summaron-M 28mm f/5.6 11695

Leica Mのフィルムモードスムースは、高コントラストな一方で、
色は派手ではなく少し抑えめ。ズマロンM 28mmは60年以上前の現設計ながら
大変優秀な性能で、それでいて強烈な周辺減光。
このLeica MとSummaron-M 28mm f/5.6の組み合わせで、
中々パンチの効いた写真が出来上がります。

このTyp240の系統(Typ262とかM-E 240とか)にあるフィルムモードスムース、
大変特徴的でこれ気に入っています。M10以降は、いい意味でも悪い意味でも
スッキリし過ぎで、画作りとしてあまりそそりません。

Leica M (Typ240), Summaron-M 28mm f/5.6 11695


「誠に恐縮ですが藁がいるので藁を取って置いてただけませんか お手数ですが
 宜しくお願いします」

実家の近所の田んぼです。どういう意味なんでしょうか?

Leica M (Typ240), Summaron-M 28mm f/5.6 11695, フィルムモードビビッド
Leica M (Typ240), Summaron-M 28mm f/5.6 11695, フィルムモードスムース

Leica Mのフィルムモードをビビッドとスムースで比べてみました。
ビビッドも中々の強烈は色ですが、色使いは汚くなってないですね。不思議
スムースはコントラストは強いものの、色が渋めで本当に特徴的です。

Leica M (Typ240), Summaron-M 28mm f/5.6 11695

スムースですがコントラストは高いでしょ?

Leica M (Typ240), Summaron-M 28mm f/5.6 11695

名古屋港ガーデンふ頭の名古屋港ポートビルです。
このすぐ近くにある名古屋港水族館の年間パスポートを持っており、
散々腐る程名古屋港には行っているんですが、ポートビルには
未だ入ったことがありません

白いポートビルを被写体に露出アンダーめで、もう周囲はほぼ真っ暗に近い。
最初にある通り、Leica Mの撮って出しでこれなので、如何にズマロンの
素の周辺減光が強烈か分かると思います。
このレンズはその効果を活かすことが求められます。

Leica M (Typ240), Summaron-M 28mm f/5.6 11695

最短撮影距離1mで、最大撮影倍率も1:33.4(な阪関)で、
レンジファインダーレンズの中でも寄れない部類であり、潰しは効きません。
この写真くらいが寄りの限界です。それにしても写真が暗黒。


Nikon Z f, Summaron-M 28mm f/5.6 11695

こちらはNikon Z fで撮影。
以前のnote記事で、デジタルのM型ライカ以外でシビアな光学系の
レンジファインダーレンズを使用すると、M型ライカに比べ四隅の画質が
顕著になると触れました。

ズマロンは後玉も出っ張ってないシビアな設計でもないようで、
Z fで使っても隅の画質はLeica Mとは大差がありません。
少なくともニコンZカメラでは問題はないでしょう。
極厚カバーガラスのキヤノンやシグマではどうか分かりませんが。

ただし、この時使ったマウントアダプターTZM-02、
フランジ面を前後させてMマウントレンズやアダプターを介した
レフ用レンズなどを強制的にオートフォーカス化するものですが、
外周部がズマロンの無限遠ロック機構が一部干渉するため、
取り付け自体はできるものの、無限遠状態では無限遠から動かず、
逆に無限より近接側から無限遠位置に動かすこともできないので
ズマロンユーザーは要注意です

Nikon Z f, Summaron-M 28mm f/5.6 11695

これもZ fです。
元々被写界深度も低いので、このレンズをAFマウントアダプターで使う必要性は
あまりありません。無限遠固定のノーファインダー撮影もできるレンズなので。

Nikon Z f, Summaron-M 28mm f/5.6 11695

どのレンズを買っても大体これ撮ってるいつもの。

Leica M (Typ240), Summaron-M 28mm f/5.6 11695

最後にLeica Mで、大変ドラマチック

Summaron-M 28mm f/5.6
オリジナル版を現代で使うにはネックだった、古いコーティングによる逆光耐性の
弱さや、コーティング劣化によるクモリの防止で現代化しつつ、
60年以上前の光学設計ながら現代の高画素カメラにも耐える高性能、
その一方で凄まじい周辺減光によるトンネル効果。
現状では生産販売中ですが、おそらくこのレンズの生産数はシリアルを見るに
大した数は出ていません。
ろくに売れるレンズでもなければF1.2だのF0.95だのといった派手なスペックは
一切ありませんが、とにかく出てくる絵が強烈で個性的で、
今のところ今年買ったレンズの中ではベストでした。

ちなみに今のところの今年のワーストバイレンズも同じくライカで、
Summilux-M 50mm f/1.4 3rdチタンカラーです。買ってすぐ投げ捨てました。
とっととくたばれ。

いいなと思ったら応援しよう!