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『自由研究には向かない殺人』本とドラマ


英米ベストセラーの A Good Girl's Guide to Murder 『自由研究には向かない殺人』Holly Jackson ホリー・ジャクソン を読んでからNetflixでドラマシリーズを一気に観た。

面白い。面白すぎる...!

高校生のピップは自由研究で、自分の住む町で起きた17歳の少女の失踪事件を調べている。交際相手の少年が彼女を殺して、自殺したとされていた。その少年と親しかったピップは、彼が犯人だとは信じられず、無実を証明するために、自由研究を口実に関係者にインタビューする。だが、身近な人物が容疑者に浮かんできて……。ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、傑作謎解きミステリ!

東京創元社

高校生の女の子ピップが主人公で、すでに解決したと思われる殺人事件の犯人は実際には無実だと仮定して、自由研究の題材として事件を調べ直すというストーリー。

今ドキの高校生らしく、スマホやSNSをフルに使って、友人や学校の先生とコミュニケーションをとりながら事件解明へと突き進んでいく。事件について動画配信をしてしまうこともある。ハラハラドキドキのストーリーだ。

ピップという主人公の女子高生、魅力はなんといっても『あきらめない』!

事件を解明するにつれてどんどん自分がきつい状況に置かれていき、精神的にも限界になっていく。それでも信念を持って事件解明に取り組み、真相へと近づいていく。しかもあらゆる面において、とても高校生らしく。

そんな諦めない様子を、英語ではdeterminedと言う。

「determined」は日本語で「決意した」、「何かを達成するために強い意志を持っている状態」を指し、例えばピップのように一度決めたら決してあきらめない姿勢を表す。


このストーリー、少し恋のエッセンスがあるのも大好きだ。切羽詰まった状況で一緒にがんばって調査をしていく同志の存在を好きになっていく。よくあることだし、そんなふうに人を好きになるのはとても自然なことだと思う。

事件のことが気になりながらも、「この二人、すごく良い!」と読んでいるこちらも熱くなってしまう。

ちなみにNetflixドラマのキャストだが、とてもハマっていて最高。

私は本が原作のドラマや映画が好きだが、難点といえば、「このキャスト、小説のイメージと違うんだよなあ」とつい文句を言いたくなってしまうことだ。

自分の頭の中で作り上げたイメージを壊すことなく、そのまま映像として動くなんて、冷静に考えたら無理に決まっているのに、なんだかいつも裏切られたような気分になってしまう。絶対に誰かに「小説とイメージが違うのよ」と愚痴ってしまいそうだ。

けれどこの『自由研究に向かない殺人』A Good Girl's Guide to Murder では、ガッカリするどころかキャストのイメージはぴったり。いやぴったり以上。

特にラヴィの役。私の中のイメージそのもので、それをもう少しカッコ良く、高身長にしたような感じで絶妙に合っている。

主人公のピップに関しては、一緒に観ていたイギリス人の夫に、「私の中ではもうちょっとオタクっぽい、普通の感じなんだよね。ちょっと可愛すぎない?」と聞いてみたところ、

「十分普通っぽいよ。イギリスの田舎町にいる普通の高校生って感じだよ?ウェンズデーの時と全然雰囲気は違うけど」と言われた。

外国の若い女の子を3割り増しくらいで見てしまういつもの癖が出ていたのかもしれない。主演のEmma Myers(エマ・マイヤーズ)の魅力からも、おしゃれな秋のファッションからも目が離せない。


私は、ピップとラヴィが小説からそのまま出てきたようで、とても嬉しかった。シンプルに2人を応援したくなる。

「イギリスの小さな街Little Kiltonって、具体的にはどこなんだろうね?すごく素敵な感じの街だけど」

私はドラマに出てくる、いかにもイギリスらしい風景を見ながら夫に聞いた。

「確かにそうだね。えっと...(スマホを見ながら) Somersetだって」

ストーリーの中では、リトルキルトン(Little Kilton)というのがこの事件の起こる街の名前。調べてみたところ、ほとんどの撮影が行われたのは、AxbridgeというSomerset 州の小さな街なのだとか。イギリスらしい可愛い街並みがとてもおしゃれだ。いつか行ってみたい..

A Good Girl’s Guide to Murder was filmed in Axbridge, a charming market town located in Somerset, England.

Forbes


Netflixで一気に観てから(英語ではbinge-watchと言う)、終わってしまうことがとても残念で、すぐに続編の『優等生は探偵に向かない』Good Girl, Bad Blood を読み始めた。これも面白くて2日ほどですぐに読み切ってしまった。現在三作目の『卒業生には向かない真実』As Good As Dead を読んでいるが、これもすぐに読み終わりそう。(寝不足になっても仕方ない)

ミステリー本(ヤングアダルト)としてページをめくる手が止まらないのはもちろん、適度に軽くて、とにかく読みやすいのだ。ドラマを見ているのと全く同じ感覚で小説を読めるし、実際の会話などは小説の方がより詳しくておもしろい。

小説の続編は、1が終わってからすぐ2が始まる感じで、漫画の1巻2巻のような感じ。間に何年かギャップなどないから、どんどん続きのストーリーを読み進めていける。

だから早く同じキャストで続きのドラマを制作してほしい...! ストレンジャーシングスみたいにキャストが歳をとってしまったり、それぞれが有名になってスケジュールが合わなくなったりする前に、早く三作目までサクサク作ってくれないだろうか。

そしたらまた一気観(binge-watch)してしまうこと間違いない。

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