シューズを投げ出し、薄い生地のドレスで踊り出したマリー ~3人のマリー②~
こんにちは。
(というか今日はもう夜になってしまったのでこんばんは。)
あゆみです。
今日は暑すぎて、溶けそうです
太陽さんがんばりすぎです。
さてさて、
まもなく宮廷バレエの時代が終わりの方に差し掛かってきております!
そして、前回から「3人のマリー」にフォーカスを当てております。
今回は2人目のマリーを紹介します。
どんな性格で、どんな特徴のあるマリーなのでしょうか…!
それではスタート!!
旅芸人の一家に生まれたマリー
2人目のマリーとして紹介するのは
マリー・サレ Marie Salle 1707~1756
ダンサー/振付家
イギリスの旅芸人の一家に生まれたマリー・サレ。
長内頃から、ダンスや演技を習いました。
9歳の時、ロンドンにて舞台デビューを飾りますが、
その内容はバレエではなく「パントマイム」だったと言われております。
その後フランスに渡り、舞台に立ち続けながら王立バレエアカデミーでバレエと演技を学びました。
1727年にパリ・オペラ座での初めての舞台に立った後、サレは爆発的に人気を集め、同じくマリーと名のつくマリー・カマルゴ(1人目のマリー)のライバル的存在になりました。
「技術者としてのカマルゴ、女優としてのサレ」
と呼ばれたように。同時期に活躍していたマリー・カマルゴ(が女性で初めてアントルシャ(※)を行うなどテクニックを売りにしていたのに対し、
マリー・サレは小さい頃から女性らしい優雅さと豊かな表現力を売りにしました。
(※アントルシャ:男性が主にやるステップで、両足で踏切垂直に跳び上がり、空中で足を交差させて、着地するジャンプ
→前回のnoteに動画があるのでよければ見てみてください。)
史上初!自ら振り付けをした女性ダンサー
表現力豊かなダンサーとして人気を集めたサレは、
そのうち自らも振り付けに携わるようになります。
サレ以前のダンサーで振り付けに携わっていたのは、男性ばかりでしたので、
女性として初めてサレは振り付けに取り組みました。
コルセットを脱ぎ捨てた!?
1734年2月14日、ロンドンにて、
サリは自分で振り付けた『ピグマリオン』という作品を披露します。
(この時、サレがイギリスにバレエを伝えてという説もあるみたいです。)
観客は大反響を起こしました。
その理由は、彼女が着ていた衣裳。
なんとサレは、
肌が透けるような薄い生地のシンプルなチュニックとサンダル姿で舞台に立ったのです。
しかもコルセットはつけず、髪は垂らしたままで。
まだ宮廷バレエの時代に、
豪華な衣装、足を隠すような長いスカートやヒールに頼らず、
サレは、持ち前の表現力で勝負するために、
シンプルな衣裳を選んだのです。
なんと現代的。
そして、ある意味挑戦的。
一説によると、この『ピグマリオン』は数回しか上演させてもらえなかったのだとか。
大反響の裏には、もちろん批判する声もたくさんあったみたいです。
そりゃあ、女性は着飾って体をコルセットで縛り上げてなんぼの時代。
そんな時代からしたら肌が透ける生地のチュニックで踊るなんて、
肌着で踊っているのと同じと思われても仕方がないですから…
ましてや、彼女が死んだ後のロマンティックバレエの時代ですら、
胴にはコルセットが使用されていたのですから、
当時の周りの人には理解できないのも仕方がないですよね。。。
サレのその後
サレは、バロック時代に活躍した音楽家の
ヘンデル(ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル)
などと親しく交流があり、
ロンドンで一緒に創作をしたりしていました。
一方パリでは、
モリエールが台本を書き、ジャン=バティスト・リュリが作曲を手がけた「コメディ=バレ」(舞踊喜劇)にダンサーとして出演して好評を博しました。
サリは、ヘンデル以外にもさまざまな芸術家にインスピレーションを与えたダンサーで、
彼女を題材にした肖像画や詩などが残っています。
また18世紀後半にバレエ改革目指した
ジャン=ジョルジュ・ノヴェール
もサレの存在に触発されたとのヴェールの著書
「舞踊とバレエについての手紙」
の中で書き記されています。
(ジャンと彼の著書についてもまた今度触れる予定です。)
まとめ
今日は3人のマリーのうちの2人目
マリー・サレ
について書いてみました。
当時は、現代ほど自分の意見を自由に発することができなかった時代だと考えられますし、
その時代にも関わらず、自らの感性とやりたいことを突き進むサレは
すごく素敵だなと個人的に思います。
最後に触れたジャン=ジョルジュ・ノヴェールは、
ぜひ名前を頭の片隅に置いておいていただきたいです!
バレエ界に新しい考え方をもたらした人物なので、そのうちまた紹介します。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。
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それではまた〜