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とある一家がバカンスで訪れたビーチリゾート。ホテルのスタッフに勧められるがままに普段は立ち入り禁止になっているプライベートビーチに行くと、そこは急激に歳をとる恐怖のビーチで大変という映画。

ホラーサスペンスの”シックス・センス”でお馴染みのシャマラン監督らしく今回もホラーでありサスペンスでもある。

ホラー面については、あの人があーなってこーなるというビジュアル的ホラー(その最たるシーンについては、もはや笑いも生まれるというのもホラーとしての醍醐味か)と、この前”マッドハウス”評でも触れた精神的ホラー、つまり「出られない」という「不自由」から生まれる絶望感に加えて、時間を扱った映画らしく「期限がある」というスリリングさの両方が(どちらかと言うと後者の比重が大きい)散りばめられた作品に仕上がっている。

一方でサスペンス面については、そんなクレイジーなビーチとは一体なんなのか、どうやったら出られるのかという謎解きがメインになってくる。これについては、そこに至るまでにスーパー分かりやすい伏線がビンビンに出てきちゃっているという点において、やや見劣りしてしまうかも(シネフィルなら序盤で大体分かってしまう)。

とは言え、ホラー面についてのショッキングさ、絶望感とスリリングさは観ていて飽きないし、それどころか引き込まれていかざるを得ない。さらに主人公の一家を通して描かれる家族像は、涙無しには観ることは出来ないかも。(みんな加速度的に歳をとるので、それも加速度的に展開したカタチで描かれる)。

あと歳をとる演出について、子供はキャストが入れ替わればいいけど、大人はシワが増えたり見た目に徐々に歳をとるわけで、それに連れて声のトーンやスピードを少しずつ落としていく演技は脱帽。さらに大人の老化をカメラや音響で効果的に表現することで、1発で「老いた!やばい!」と理解させる技法は見もの。

当面ビーチには行きたくなくなるくらいのこの地獄のビーチを訪れるのはアリだと思います。

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