気が重い妊婦健診

45歳3児のシングルマザー、ミソノです。
今、私のお腹にやってきてくれた4人目の子、ミカゲちゃん。(note上の胎児ネームです)

ミカゲちゃんは、お付き合いをしている彼、シクロさん(47歳、未婚)との間に授かりました。


季節柄多忙が続き、前回の記事からだいぶ間が開いてしまいました。

さて、離れの改修についての考え方の違いから、シクロさんに「今回は(出産を)やめときませんか」と言われてしまってからのことを。


「今回は」と言うけれど、次回があると思ってるのでしょうか。40代の自然妊娠確率は約1%、そして40代の流産率は約60%、そんな風に書かれている記事もありました。今回諦めたとして、もう少し時間を置いて、シクロさんが親になる覚悟ができた時に都合よく授かれるわけがありません。

モヤモヤした気分を抱えたまま、妊婦健診の日を迎えました。その日はシクロさんの仕事が休みで、病院に着いてきてくれることになっていたので、彼に車を運転してもらって一緒に行くことにしました。

行きの車内から重苦しい気分が充満していました。無言で何かを考え込んでいるようなシクロさん。先に沈黙を破ったのは私でした。

「あれから色々考えてくれた?」

「…考えたね。めちゃくちゃ考えた。」

「どんなこと?」

「俺はやっぱりミソノさんとは一緒に住めない。ミソノさんちの離れにも住まない。今の家に住み続ける。結婚もしない。子どもはミソノさんの苗字で育ててくれたらいい。子育てにはできる範囲で関わる。それでもいいなら認知はする」

随分勝手なもんだな、と思いましたが、シクロさんらしい答えだな、とも思いました。自分のキャパシティ以上のことはできない、難しそうだなと思ったら無理をしないのがシクロさんです。私はそれでも良いやと思いました。その方が、3人の娘たちは気を遣わず過ごせると思ったからです。

「けど、ミカゲちゃんの両親として私たちが今後も付き合っていくのなら、プライベートのことだけではなく、仕事の面でも私たちはちゃんと話し合わなあかんと思う。」

私たちはプライベートのパートナーでありながら、ビジネスパートナーでもありました。私が数年間かけて育ててきた店(飲食業)の一部分を使って、シクロさんも飲食の仕事を始めるようになってから、少しずつお互いの間に溝ができてしまったように思います。公私共にパートナーであるという甘えから、きちんと話し合えていない部分もありました。

これからは更にミカゲちゃんの両親という新しい関係が始まります。これまで完全に家計が別だった私たちですが、ミカゲちゃんの養育にあたって私たちそれぞれの稼ぎをどのように配分するか、月々どれくらいの費用が必要かなど、話し合うことべきことはたくさんありました。

重く苦しい雰囲気のまま、いつの間に病院に着きました。診察室に入ってシクロさんも一緒にエコーを見てくれました。モニターに映るミカゲちゃんは手足をバタバタと元気に動かしていました。

診察室を出てからも、シクロさんは変わらず静かに黙ったままでした。何をどう感じてくれていたか分かりません。ただ、この妊娠がシクロさんにとって良いものであってほしいと願っています。

私は三人娘を出産し、母親にならせてもらうことで、自分の産まれた家庭でのトラウマを乗り越えることがてきました。シクロさんも親になるという経験をすることで、シクロさん自身のトラウマを乗り越こられるんじゃないかなと期待をしていました。

トラウマ解消のために子どもを産むわけではありません。子育てという人生での経験が、シクロさんにとって大きな喜びと成長をもたらしてくれるに違いないと思うのです。

重い雰囲気のまま、私達は病院を後にしました。








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