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わたしの愛用画材:透明水彩絵具編 #1



(23/11/28 追記)

はじめに

今回は「わたしの愛用画材」と題して、個人的な画材愛をとりとめもなく書き綴ってみました。備忘録も兼ねた画材小話といったところです。
気ままに、楽しく更新していければ。

第1回は、私が透明水彩を始めた頃からずっと愛用している絵具の一つ、クサカベ透明水彩から!


クサカベ透明水彩が好き

国内メーカーのクサカベ。ホルベイン同様、高品質な絵具をお手頃な価格で購入することができるので、愛用されている方も多いのではないでしょうか。
私がクサカベで最初に手に取ったのはライラックアクアブルーといったパステルカラーでした。その色味の可愛さに魅了されて、全色セットも購入。今でも一番愛用している絵具です。


個性的で可愛い色が多い

クサカベは個性的な色が豊富です。
クサカベの透明水彩は単一顔料よりも混合顔料が多く、それゆえにメーカーの個性が色濃く反映されています。

単一顔料の透明で鮮やかな発色も水彩には必要不可欠ですが、混合顔料は珍しい色味や、「唯一無二の色!」と思うものもあり、メーカーごとの個性が出ていて絵に合う色を選ぶのがとても楽しいです。

W&Nやマイメリブルーなど、単一顔料を中心としているメーカーも多い中、クサカベはそれとは違うアプローチをしているところが独自で面白いと思います。「有毒物質を含まない」というのもクサカベの推しポイント。

私の場合、王道(だと個人的に思っている)のW&Nから透明水彩の世界に入ったので、クサカベの個性はとても新鮮に感じた覚えがあります。

そして素敵なお値段。気兼ねなく思い切りよく使えるところも魅力的です。


シックで和風な色合いがおしゃれ

クサカベ色見本

クサカベの絵具には、一つ一つに和名がついています。
マゼンタは”紅梅”、ウルトラマリンは”瑠璃”、コーラルレッドは”珊瑚”、ベネチアンレッドは”栗茶”などなど……
どれも素敵な色名のラインナップになっていて心惹かれます。グッとくる色名が多いです!

この和名は個人的にとても実用的だと感じていて、和名のおかげで「このモチーフの色はこれ」というのが直感的に選べるものも多く、色の選択や組み合わせを考える時の参考になるかと思います。

実際の色も和名の通り落ち着いた色合いが多く、私見ですが「クサカベの魅力はシックな色にあり」と思っています。


驚きの蛍光色

クサカベは落ち着いた色調の良色が多い一方、鮮明で美しい色もたくさんあります。

特筆すべきは、透明水彩には珍しい蛍光色

クサカベの蛍光色を見た時、その鮮烈な発色にとても驚かされました。
透明水彩の中には、そのままでは鮮やかすぎて扱いにくい色というのもありますが、クサカベの蛍光色は使いやすく、私は下塗りに多用しています。

特にフレッシュピンクオーロラピンクパッションオレンジは蛍光色の中でも汎用性があって色々なところで活躍してくれます。
混色して下地に使っても◎、色をそのまま活かしたビビットな表現も可能で、お気に入りの色です。


わたしの推し色7選

クサカベ透明水彩全90色の中から、個人的にお気に入りの色を厳選してみました。

193チェリーレッド

とにかく可愛い色。ジュワっとしたみずみずしさを感じる赤です。色の印象がやわらかく、何にでも使いやすい色だと思います。他メーカーではあまり見かけない顔料のカラーです。


041アクアブルー

クサカベの傑作色の一つ(主観)
下地にも差し色にも◎
この色を塗るだけでポップで華やかな雰囲気になるのが好きです。
パステルカラーの中でも使いやすい色ではないでしょうか。


085サップグリーン

表情豊かな色。絵具を濃く溶くと明るい黄緑色、水を多く含むと黄色みが強くなり、一色で表現できる幅が広い色です。植物を描くのに重宝します。


192パッションオレンジ

蛍光色は画面上での再現が特に難しい色。実際はもっと鮮やかです。

クサカベが作った魔法の色。夕焼けを掬い取ったような色味と輝きが素晴らしいです。よく下地に使っています。


216ブラウンマダー

”蝦茶”の和名の通り、エビ(の尻尾)を思わせる色味です。焼けたような赤茶色で、深みがあります。


093グリニッシュイエロー

こちらも”枯葉”の和名のごとく、渋い色合いがたまらない色です。濃淡で色の印象が変わります。


209バーントアンバー

クサカベのバーントアンバーは他のメーカーの同色に比べて赤みが少なくシックな色味です。
クサカベの茶色はどれも良色で、使いやすいラインナップになっています。



以上、わたしの推し色7選でした。
大好きな色はまだまだいっぱいあるので、機会があればまたお話しできればと思います!


おわりに

他のメーカーの絵具にも大好きなものがたくさんありますが、質感や色調などを比べると、クサカベ透明水彩の個性がよくわかります。
日本画を思わせるシックな色合いは感覚的にしっくりきて、これからも長く使っていきたいと思う色ばかりです。

クサカベはよく、絵具の感触が硬いとか溶けにくいと言われますが、実際に全色使ってみると、固めても溶けやすい色も多かったです。ただ一部溶けにくい色というのは確かにあるので、その点は好みが分かれるかもしれません。ドットカード等だとなおさら硬く感じやすいのではないかと思います。

ちょっと前に「 ”パレットにチューブ絵具を出して固めて使う” というのは実はメーカー非推奨」ということを知って驚いたのですが、それ以来クサカベに限らず、溶けにくい色や濃くのせたい色はその都度チューブから取って使うようになりました。
少々手間ですが、チューブから出したての絵具は当然柔らかく溶きやすいためストレスフリーで作業でき、色の伸びもいいので気に入っています。
絵具の硬さが気になる場合はおすすめです。

クサカベと言えばパステルカラーのイメージが強い印象があるのですが、他にも良い色がたくさんあるので、個人的にはパステルカラ―以外の色の良さももっと推していきたいと思っています!


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