ブラックバーン・ローヴァーズ 22-23シーズン個人的総括
はじめまして。現在イングランドの2部、EFLチャンピオンシップに所属するブラックバーン・ローヴァーズを応援しております、たけぽんと申します。
このような記述を残すのは初めてでありますので、もし読んで下さる方がいらっしゃいましたら何卒ご容赦くださいますようお願いします。総括と銘打っておきながら10000字程度の感想文の域を出ない内容になってる事、重々承知しております。
では本題に入る前に諸注意を幾つか挙げておきます。
・各ポジション毎に背番号順でチャンピオンシップでのリーグ戦のプレー内容に関して言及した内容になっております。スタッツはリーグ戦のみの表記です。カップ戦に関しては選手によっては僅かに触れている程度です。
・試合中の詳しいデータに関してはあまり言及していない為、内容は個人のバイアスが過剰にかかっている場合がございますがご了承ください。
・内容は主にピッチ内での出来事に言及しております。ピッチ外の話題は殆ど触れてないです。
では、参りましょう。
GK
#1 トーマス・カミンスキ/Thomas Kaminski
Age:30
28試合出場(先発28・途中出場0):35失点10CS
今シーズンも正守護神として困った時の神セーブは健在だった。しかし勝ったり負けたりを繰り返す不安定さに少々引っ張られた形も…守備面での脆さは今に始まったことでは無いので彼1人の責任とは言い難いが。年明け後に負傷離脱して膝の手術後、完治してもペアーズが出続ける意外な展開に少々驚きを隠せなかったが、ペアーズが安定したパフォーマンスを見せていた事を鑑みると無理をさせない判断をしたと考えるべきだろう。
来季はきっと正GK争いが熱くなるはず。どちらになるのか、楽しみにしたい。
#13 エインズリー・ペアーズ/Aynsley Pears
Age:25
18試合出場(先発18・途中出場0):19失点5CS
カップ戦で安定したプレーを見せ、カミンスキの負傷離脱で出番が回ってきてからはここ数シーズンに見られた不用意なミスが殆ど無くなり、安定したパフォーマンスでシーズン中盤のチームの快進撃を支えた。派手なセーブはそう多くなかったものの、相手のシュートを正面で捉えるシーンが目立った印象。逆にほぼノーチャンスのシュートは失点に繋がっていたのでチャンピオンシップでも傑出したGKを目指そうと思うともうひと伸び欲しいところ。
契約も2027年まで延長し、来季は飛躍の年になる事を期待したい。
DF
#2 カラム・ブリテン/Callum Brittain
Age:25
27試合出場(先発15・途中出場12):0G1A
降格したバーンズリーから移籍してきたRB。加入当初からウィガンに移籍したナイアンべの存在を完全に過去の物にしたと言っていいプレーを見せ、自信のあるドリブル突破や質の高いクロスを武器に主に攻撃面での貢献が多々見られた。ヘッジスと共に形が定まらないシーズン序盤の攻撃面を支えたのは少々昔に感じるかもしれない。守備面でも特に大きなエラーがなく期待以上の活躍を見せてくれた。シーズン中盤の長い負傷離脱から復帰してからは後述するJRCの台頭もあり出場機会が減少したものの、左右どちらのFBでもプレーできるチームの戦力として欠かせない存在に。少々稼働率が気になった点以外は間違いなく獲得して正解だったと言えるだろう。
#3 ハリー・ピカリング/Harry Pickering
Age:24
40試合出場(先発39・途中出場1):1G2A
今シーズンも不動のLBとして起用され続けたが昨季と比較しても主に守備面での貢献が大きく、対人守備の強さには頼もしさすら感じたほどだ。(最終節ミルウォール戦でのミスが意外に感じたのは自分だけではないと思いたい…。)とはいえ元々定評のある攻撃面でも機を見た攻め上がりやパスセンスは勿論、偽SBのロールもこなしたりと総合的に堅実な成長を見せたというのが実態に即した評価だと思う。去年以上の稼働率を見せたのも大きく、シーズン通してLBの不在が頭を悩ます展開は少なかった。
ハイライトはやはりこの、チームのGoal of the seasonにも選ばれたシェフィールド・ユナイテッド戦の先制ゴールだろう。
#4 ダニエル・アヤラ/Daniel Ayala
Age:32
25試合出場(先発23・途中出場2):1G1A
アジャラだったりアヤラだったり迷う所だが現地のコメンタリーでは専らアヤラと呼ばれるので僕もアヤラと呼んでいる。シーズン途中まではハイアムと並んで先発出場が多くスピードの欠如から若干対応に苦慮する場面も見られたが、空中戦の強さは健在でプレーも安定していた。しかし細かい負傷と2月末の長期離脱で再び難しいシーズンに。クラブは契約を更新せず今夏での退団が決まっており、残念な形になってしまった。
#5 ドミニク・ハイアム/Dominic Hyam
Age:27
39試合出場(先発38・途中出場1):1G2A
今シーズンにコヴェントリーから移籍してきたCB。ミドルズブラに移籍したダラー・レニハンの抜けた穴を十分に埋めてくれるいい働きを見せてくれた。負傷離脱が多かったDF陣の中でも地上戦・空中戦共に安定しており、若干怪しいかもしれないボール保持を除けばチーム1のCBと言っていいだろう。
シーズン通して大きなミスは殆どなかったものの、アウェイのプレストン戦でのオウンゴールは彼にとって唯一の不運だったと個人的には思う。それでも彼の活躍が色褪せることはない。チームのPlayer of the seasonに選ばれたのも納得だ。
#7 タヨ・エドゥン/Tayo Edun
Age:25
8試合出場(先発1・途中出場7):0G1A
シーズン当初は途中出場も少ないながらしていたものの、年明けのカーディフ戦を最後にリーグ戦での出場機会は0に。LBやCMFのバックアッパーと見られていたがブリテンが左でも遜色ないパフォーマンスを見せてからはほぼベンチ外になってしまった。それくらいピカリングやブリテンの牙城は崩し難いものだったという事でもあるが…。現状チームでの将来が不透明であると言わざるを得ないのは苦しいところ。
#11 ジョー・ランキン−コステロ/Joe Rankin‐Costello
Age:23
24試合出場(先発24・途中出場0):2G3A
今シーズン、大きな成長を見せてくれた選手。通称JRC。
リーグ戦開幕から殆ど出番がなく冬にローンの噂も出ていたものの、RBができる選手が続々と負傷離脱した12月に出場機会を得てからは安定した守備を披露し昨季からの成長を見せた。だがさすがにそこからの活躍を予想出来たローヴァーズのサポーターは、果たしてどれくらい居るのだろうか。
RBの先発に固定されて暫くすると、主に右ハーフスペースで躍動。セントラルで起点になるパスを出したかと思えばサイドに流れて突破力を見せたり、はたまたエリア内に入ってSTの動きを見せたり…と元々持ってるオフェンス面での能力を各ポジションでフルに発揮する八面六臂の活躍ぶり。ハイライトは…彼が得点に絡んだ試合全てと言っていいだろう。彼がFWとして最も期待できると感じた試合が多かったのは、奇しくもFWの駒不足を予感させる事になるのだが…。
懸念があるとすれば、若干負傷がちな事と来季はどこで使うのかという事くらいか。このままRBとして使うのか、最終節ミルウォール戦の後半で見せたようにCMFに置くのか。攻守に貢献できる希少な選手だと思うので来シーズンもピッチでマルチな能力を発揮する彼を見たいものだ。とりあえず目下の希望は契約更新すること。
引き分けに終わったFAカップでのバーミンガム戦だが2得点に絡む活躍を見せた試合。出色の出来を見せ始めたのはここからだった記憶。
#15 クリントン・モラ/ Clinton Mora
Age:22
4試合出場(先発1・途中出場3):0G0A
夏にシュトゥットガルトからローンで加入した左のCB。パフォーマンスは悪くはなかった…と思うが突出していたとも言い難く、バックアップ的な起用にとどまった形になった。LBとして見ても先述のエドゥンと同じく起用し得るまでに至らなかったこともあってかベンチ入りもままならない状況で、残念な結果に。
#16 スコット・ウォートン/Scott Wharton
Age:25
22試合出場(先発17・途中出場5):1G0A
昨季の出来を考えるとCBの2番手若しくは3番手になると思っていた。序盤は昨季の安定した出来を維持していたものの、負傷やシステムの都合もあり出場機会が減少。カーターに遅れを取る形になったのは個人的に少々予想外だった。守備固めに試合後半起用される形になったのは本人にとっても不本意だとは思うが、来シーズンもポジション争いは続くはず。奮起を期待したい。
#17 ヘイデン・カーター/Hayden Carter
Age:23
30試合出場(先発24・途中出場6):1G0A
シーズン当初はRCBやRBのバックアップ、若しくは3CBの一角での起用が見られたものの守備面で若干不安を見せるシーンがあったが、シーズン中盤にかけてハイアムとCBコンビを形成するようになってからはファーストチョイスに。走力もあり守備面での力強さを見せるようになると、得点が欲しい場面で昨季ローン先のポーツマスで見せたような敵陣に入っての攻撃参加も発揮して面白い成長を見せた。
ボール持った時のプレーを見てると元々攻撃が好きなんだろうなと思ってはいたがタッチが不器用に見えるのに器用なプレーを見せるのがこの選手の魅力。このまま攻守で存在感を見せる不動のCBとして成長していって欲しい。
#33 アッシュ・フィリップス/Ash Philips
Age:17
8試合出場(先発5・途中出場3):0G0A
僅か17歳でトップチームデビューを果たした長身のCB。起用された試合は少ないものの、将来を期待するには十分といったところか。あまりリスクを取らないプレーが多い印象だったが、ポジションがCBだけに慎重になるのも致し方なしと考えると本来の個性がより見られるのは来シーズン以降になりそうだ。しかしこうやって若き才能を次々と出てくるのは、このチームを見ていて楽しみな事であるのは間違いない。
MF
#6 タイラー・モートン/Tyler Morton
Age:20
40試合出場(先発30・途中出場10):0G2A
リヴァプールからのローンで加入した選手。主に左のディフェンシブなCMとして出場し、初出場から落ち着いたプレーと状況判断の速さを見せ若さとは裏腹に攻守において堅実な印象を与えたのは驚きではあったがさすがリヴァプール産といったところか。プレースキッカーも務めたのはキッカー不足に悩むローヴァーズにとっても大きかった。シーズンが進むにつれて不用意なプレーも見られたものの、大怪我で離脱するまでは最も安定したCMFと評価して差し支えないだろう。JDTが重用していたのも頷けるかもしれない。
惜しむらくはゴールに絡む頻度といったところか。まだ発展途上での選手である事を考慮すると、再びチャンピオンシップで顔を合わせることがあるかもしれない…。
#8 サミー・シュモディクス/Sammie Szmodics
Age:27
34試合出場(先発27・途中出場7):5G2A
ピーターボロから移籍してきたCAMでありロスウェルが居なくなった後の新しい8番。シーズン前半はやや戸惑いが見られ負傷離脱が少々多かったものの徐々にチームにフィットし、球際での攻防も厭わない運動量の豊富さでダイナミズムをもたらし決定機を創出したかと思えば、ポジショニングの良さを見せフィニッシャーとしての存在感を発揮するプレーもありと…前線からのプレス強度と攻撃力を保持する上でチームに欠かせない存在になった。ファイター気質があるのもグッド。なんでそこで追わないんだよ!と激高するアクションを見て一気に彼の事が好きになった。
シーズン当初と終了後で印象が180度変わった選手の1人。来シーズン以降はより目に見える結果が付いてくる事を期待したい。
見事な飛び出しからエリア内でのフィニッシュ。チーム内でこの動きが1番上手かったのも彼だったと思う。
#21 ジョン・バックリー/John Buckley
Age:23
21試合出場(先発17・途中出場4):0G1A
今シーズンは、彼にとって飛躍の年になると思っていた…というのが正直な感想である。一発のパスは長短問わず優れたものを提供していたとは思うがシーズン前半はやや安定感に欠け、判断の遅さや悪さから失点のきっかけになる展開が見られると徐々にモートンに出場機会を奪われる事に(とはいえ、ミスに関してはチームの構築中にあったというのも原因かもしれないが)。年明けからやや復調の気配を見せたものの3月に大怪我で離脱したのはチームにとっても痛手になった。
CMFのポジションは後述するアダムやギャレットも控えており層はあるが、質が少々薄い所。来シーズンもポジション争いが激しくなると思うが活躍を期待したい。
#23 ブラッドリー・ダック/Bradley Dack
Age:29
27試合出場(先発13・途中出場14):4G1A
3部から昇格した時のヒーローが今季限りで退団する事になった時に、涙を流す事が止められるだろうか。僕は泣いた。
今シーズン始まってからは先発出場の機会が少なく、まだ本調子ではないと感じることもあった。しかし年明けにかけてチームが完成系を模索する中で彼本来の強さ・巧さが戻ってきたプレーを見ることができたと思っている。とりわけチームのPlayer of the Monthに選ばれた1月の彼は素晴らしかった。また再び負傷で離脱してしまったことは残念でならないが…2部に復帰してからもチームを引っ張り続け、2度の靭帯の怪我から戻ってきた彼が例え一時期であっても彼らしいプレーを見せてくれた事に私は拍手を贈りたいし、賛辞の言葉をいくら送っても足りないだろう。ただただ、ありがとう…。次の旅の幸運を、祈ってます。
FAカップのレスター戦でダックとブレレトンがゲストコメンタリーに招かれた際の一幕。このデュオがもう見られないのが残念。
#27 ルイス・トラヴィス/Lewis Travis
Age:25
42試合出場(先発39・途中出場3):2G2A
今季からレニハンの後を継ぎキャプテンとして臨んだ今シーズン。手薄になったRBに入ったりと少々疑問符がつく起用もある中で、チームとしても発展途上なビルドアップの際に狙われがちな点が目立ってからは控えに回る試合もあったものの、中盤の強度を保持する上で間違いなく必要な選手だった。彼がいないローヴァーズの中盤はより脆弱になってしまう…チームのボール保持が形になるようになってからは決定機を演出する事もあり、持ち直したか。
点を取りに行く必要がある展開で下げられる事が多くなるのは仕方ないかもしれないが、できれば常にピッチに留まって欲しい…と考えるのは少々我儘かもしれない。
この開幕戦での彼のゴールは、新チームの船出としては期待を抱くには十分だったはずだ。
#30 ジェイク・ギャレット/Jake Garrett
Age:20
8試合出場(先発4・途中出場4):0G0A
今シーズンにトップチームデビューを果たしたディフェンシブなCMF。出場機会はそれほど多くはなく、長所とされるボール奪取力も含めてまだまだ経験が必要と感じる選手。ただボールの出し方や持ち方は思った以上にテクニカルな所がある印象なので上手くいけばバックリーとトラヴィスの中間のような選手に…まだ想像の域を出ないが、このまま経験を積んで戦力になる事を期待したい。
#36 アダム・ウォートン/Adam Wharton
Age:18
18試合出場(先発12・途中出場6):2G1A
恥ずかしながらスコットの弟であるCMFのプレーヤー…というのが当初私が持っている印象だった。今シーズンからトップチームデビューを果たすと、背面からのプレスも簡単そうにかわす身のこなしやそこに通せるのかと思わず驚くような質の高いワンタッチプレーやパスセンスを武器に、才能溢れる選手である事を瞬く間にサポーターに知らしめた。攻撃面で寄与する機会が多いもののバックリーとはまた違うタイプの選手。バーミンガム戦やミルウォール戦でのゴールも衝撃を与えるには十分すぎただろう。そして利き足は左である。魅力を感じずにはいられない、新しく現れたローヴァーズの若きスター候補だ。
とにかくもっとプレーを見たいと思わせる選手だがまだ身体の線も細く、何より彼は僅か18歳である。守備面で堅実なプレーも見せるようになるのか、より見るものを圧倒させる創造性を見せるのか、はたまたその両方か…。成長の行く末が非常に楽しみな選手だが、一個人としてはできれば少しでも長くローヴァーズのユニフォームを着ている事を願いたい。
プレー集。初ゴールのパフォーマンスには驚いた。あと気持ちハル戦が多いような…(気のせいです)
FW
#9 サム・ギャラガー/Sam Gallagher
Age:27
34試合出場(先発27・途中出場7):8G2A
起用法は昨季までと大きく変わらなかったものの、やや中央でプレーする機会が増えたが細かい負傷で波に乗り切れなかったのが残念。CFの駒不足を感じる要因でもあったが、試合に出れば圧力を感じさせる存在であっただけにもう少し先発出場して欲しかった…というのが正直な感想。ブレレトンと同時に先発起用されると勝率がいい、なんていうデータもあったくらいだし。
基本守備時にはWGの位置に下がる事もあって攻守に負荷がかかるプレーが多いのも負傷の遠因かもしれないが、得点を取る事に集中できれば…と思いたい。全力で下がってきてボールをクリアするシーンなんかもあったけど、それギャラガーにやらせてたら駄目やろと…。
#10 タイリース・ドーラン/Tyrhys Dolan
Age:21
40試合出場(先発21・途中出場19):4G6A
正直に言うと、評価の難しいシーズンに。前線からのプレスは概ね質が高く、ボールを持ち過ぎるプレーが少なく球離れが良かった試合は総じて及第点以上の出来と言って良かったのだが、チームが大失速した後半は再びボールを持ち過ぎる点が目立ち、あらゆる展開でプレーに自信を失ってる印象だった。シーズン中盤は一貫していたと思うが、後半は少々ブレーキになってしまったか。
来シーズンはブレレトンが居なくなったLWで輝きを見せるのか、それとも…。まだベストポジションが何処か不明瞭な所もある事を考えると使い方に難儀しそうだが、とはいえ去年よりも成長を見せていたとは思うし、パフォーマンスが一貫すれば先発出場も自ずと増えるはずだ。
#14 ジョージ・ハースト/George Hirst
Age:24
9試合出場(先発2・途中出場7):0G0A
レスターからのローンで夏に移籍してきた長身のFW。出場機会を得るまで時間がかかり、また中央よりもサイドでの起用が多かったこともあってか脅威になる場面をほぼ見せられなかった。おそらくギャラガーのようなプレーを期待されていたのかもしれないがそうはならず、冬にローン先をイプスウィッチに変えチームを離れることになったのも致し方なしか。
#14 ソルバ・トーマス/Sorba Thomas
Age:24
17試合出場(先発11・途中出場6):0G2A
冬にハダースフィールドからローンで加入。早速試合で使われるとワイドで幅を取りながら多彩なクロスを見せた。サイド攻撃に可能性をもたらしたのは随分久しぶりだった気がする…。ここ数シーズンにクロスから点が入る展開ってあまり想像できた記憶がないのは、僕だけではないはず。しかもキッカー出来るし。しかしチームが大失速した時期はあまり彼の出来も良くはなく徐々に出場時間が減っていった事を鑑みると、買取オプションが行使される可能性は低いか。
個人的には好きな選手ではあるが…今いるサイドの選手とは少々スタイルが異なるタイプである(髪の話ではないです)ので可能なら居てほしいのが本音。
#18 ディラン・マーカンデイ/Dilan Markanday
Age:21
1試合出場(先発0・途中出場1):0G1A
途中出場で出た試合での動きは悪くなかったがリーグ戦の出場機会はその1試合にとどまることに。もっと出る試合があっても良かったとは思うが強度やコンディションが不足していたとの判断だったのかもしれないが。冬にローンでスコットランド1部のアバディーンに移籍したもののこちらでも出場機会は少なく、来季もローンが既定路線か。
#19 ライアン・ヘッジス/Ryan Hedges
Age:27
43試合出場(先発27・途中出場16):4G4A
主にRMやCAM、非常時のRWBとしてプレー。昨季の冬に加入してからやや評価を落としていたものの今シーズンは序盤の快進撃を支えた存在に。序盤のチームの攻撃の形はほぼ彼とブリテンが創出していたと言ってよく、3CBを採用した試合では突如RWBに入ったかと思うと、JRCがやってたポジションを序盤は彼が担っていたりするなんて事もあった(振り返って見るとあれは彼がブレイクする布石だったのかもしれない…。)。JRCが台頭するようになりトーマスが加入してからは若干出場機会が減ったものの、途中出場等で結果を出してからは再びRMの先発に収まるように。苦しいチームの台所事情を埋める形でも貢献を見せ、チームの下支えになった選手。昨季よりも十分に戦力になってくれていたと思う。
アウェイでのプレストン戦は苦い記憶になったと思うが、来季はきっとあの時の経験を活かしてくれる筈。
#22 ベン・ブレレトン・ディアス/Ben Brereton Díaz
Age:24
43試合出場(先発39・途中出場4):14G4A
昨季に大ブレイクしチリ代表でも活躍するこのスター選手とは2023年夏で契約が切れ去就が注目されていたが退団が決定的な中、ほぼ開幕から全ての試合に出続けており、序盤はスーパーな得点をコンスタントに決めていたものの中盤から終盤にかけてパフォーマンスが徐々に低下した印象は拭えなかった。とはいえ、攻め手がない試合で彼に負担が集中したのも事実。WBA戦のATでのFK弾や、最終節ミルウォール戦で彼らしいゴラッソを見せてくれたのは大きな喜びだった。
そして当たり前の事ではあるが昨季、今季とチームが成績を残せたのは間違いなく彼のお陰と言っていい。内容が良くなくても勝利できた前半戦は彼がいなかったら成り立たなかった筈だ。寂しくなるが移籍先でも活躍する事を願っている。ゴール後のDIAZコールはいつだって最高だった…
#29 ジャック・ヴェイル/Jack Vale
Age:22
15試合出場(先発6・途中出場9):0G0A
彼も今季トップチームデビューを果たした1人。開幕戦で先発起用には驚いたが、いかんせん起用法が片道燃料に近く前プレやポスト役に奔走してゴール前でのプレーが少ないというのが率直な印象。両カップ戦ではゴールを決めてリーグ戦の初ゴールも期待されたがシーズン後半に負傷での長期離脱でチームはCFが不足することに…もう少し出場機会が見てみたかったところ。
#38 ハリー・レナード/Harry Leonard
Age:19
4試合出場(先発0・途中出場4):0G0A
シーズン後半にCFの負傷離脱が重なり駒不足に陥る中でトップチームデビューを果たすことになった。1点が欲しい場面での途中出場のみだったがエリア内での動き出しやフィニッシュまでの流れなど、個人的にシーズン中CFに起用された選手の中でもストライカーらしさを感じたので来季も出場機会がある事を願いたい1人だ。ただでさえブレレトン・ディアスやダックが抜けて得点力に懸念があるローヴァーズに、点取り屋候補は何人居ても良い。
監督
ヨン・ダール・トマソン/Jon Dahl Tomasson
Age:46
かつてデンマーク代表でFWとして活躍した事は記憶に新しいだろう。JDTと呼ばれることも。直近では20-21シーズンにスウェーデンの1部、アルスヴェンスカンに所属するマルメFFの監督を務めていた。そして1年の空白期間の後にローヴァーズの監督に就任する事になる。シーズン当初はプレス強度に重きを置いた昨季までのチームの戦い方を引き継ぎながら、徐々にボール保持の手段を植え付けていき主導権を握りながら戦うスタイルに着手していく。
開幕3連勝でゲームを上手くクローズできるローヴァーズが今年は見られるかもしれない…と期待していたらそこから3連敗と勝ったり負けたり、リーグ戦28試合目にして初めて引き分けるなど不安定で不思議な結果を手にしながらなかなか形になるまで時間がかかったものの、シーズン中盤から後半にかけてようやく実を結びつつあった。
チームを新たな形に変化させ、結果を導き出した点は十分評価できると言っていいし、前監督同様に若手を起用して希望を見出した点からも来シーズン続投を望むのは当然だ。気になる事があるとすれば、ファーストプランが崩れた時の次善の策に乏しいと感じることだろうか。リーグ戦で逆転勝利が僅か1勝(しかも最終節の土壇場)である事や、先制されて浮き足立つチームがなかなか立ち直れないシーンを見続けていればそう考えるのは自然ではないだろうか。
チームは37試合終わった時点ではプレーオフ進出圏内に位置していたが、そこから8試合で勝利がなくATに同点に追いつかれる試合が2戦連続で起こるという悪夢のような展開もある中で最終的には7位でフィニッシュ。残念ながらプレーオフ進出を逃した格好になった。
来シーズンには今年のスタイルはそのままに、より堅実さや勢いを兼ね揃えたチームを編成できることを願いたい。オフシーズンの現在引き抜きの噂も挙がっており、去就が注目されているが何としても留まって欲しいところだ。
あとがき
いかがでしたでしょうか。長い長い感想文は以上になります。なんというか…今シーズンの自分なりの総括を何かしら形に残しておきたかったんですよね。例え稚拙な文章であっても、自分が感じたことやこのチームの記憶を残しておきたいと思った。長くチームで活躍したスター選手の退団もあり、新たな才能の発見もあり…それが率直な理由です。盛大な予防線とも言います。
本職でない方々たちがシーズン後の総括をされてるのはこれまでも拝見していて、いつかやってみたいというのはあったんですが…自分の質は言い回しや詳細に触れる内容に偏りがあってそれまで見てきた物とは雲泥の差です。読める文章を残すって、すごいことだなと。またこういう機会があるかは分かりませんが、このシーズンは…!というのがあったらやってみたいですね。
尚完全に余談になりますが僕がブラックバーンというクラブに興味を持つ入口になったのは、実は小野伸二とフェイエノールトなんですよね…そうあのUEFAカップを制したときの。まぁこの話の詳細は話すかどうかはひとまず置いといておきます。んでその時のメンバーに…トマソンいるじゃないですかと。なんでトマソンが監督就任の話が持ち上がった時(しかもリアルタイムだとなかなか監督が決まらない中降って沸いたように噂が出た)には大層喜びましたね!!!好きと好きが繋がる瞬間てそれはもう何物にも代え難い感情が込み上げてくるわけですよ…。
…と最後に大きく脱線してしまいましたがこれにて失礼致します。ありがとうございました!