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『四つの約束』第1章 飼い慣らしと地球の夢 vol.1
いよいよここから、本文に入っていきます。
第1章では、この本で使われている言葉の独特な意味を
説明しています。
私たちが普段使っている言葉ですが、意味が独特なのです。
著者が語る「夢」とは
冒頭から、トルテックの世界観全開で語られます。
あなたが、たった今、見たり、聞いたりしていることは、夢なのである。
それ以外のなにものでもない。あなたは、今、この瞬間、夢を見ているのだ。あなたの脳は目覚めているが、あなた自身は夢を見ているのである。
私たちが寝ている間に見る夢だけではなく、
私たちが昼間、起きて生活しているときに
自分の脳が生み出している
「仮想現実」のことも
この本では夢といいます。
自分の目に映るものに対して、
私たちが想像したり、
判断を下したりすることで、
作られるイメ―ジ。
そのイメージを、著者は「夢」と呼んでいるのです。
「地球の夢」とは
寝ている間に見る夢は、
自分1人だけの夢ですが
昼間見ている「夢」は、
自分だけの夢ではありません。
私たちの家族、共同体を含んだ「地球の夢」を
私たちは全体で創り出している
と著者は言います。
その「地球の夢」には、
社会の規則や、信念、宗教文化、政府、
学校などにおける
たくさんのルールが含まれます。
例えば、社会での振る舞い方、
「こんな時は、
こうしなければならない」という常識、規則。
しかも、これらは私たちが生まれる前から
存在しています。
「飼い慣らし」とは
私たちは、この社会での振る舞い方、
規則を小さいころに学びます。
社会や親たちが、しつけや訓練を通して
子どもの心に教え込むのです。
それは、「注意」を惹きつけること、
言葉を使うことによって
教え込まれます。
小さかった私たちは、
大人の言うことにそのまま合意します。
無条件に信じてしまうのです。
それをトルテックでは「信念」と呼びます。
生まれたばかりの私たちは
自由に泣いて、笑って、食べて、遊んでいたのに
物心つく頃には、
社会のルールやしつけを無条件に受け入れ、
それを信じこみ、信念にしてしまうのです。
「注意」がもたらす結果
「注意」というのは
私たちが知覚したいと望むものを区別し、
焦点を当てる能力のことを指しますが
小さいころ、家族に
「親の話を聞きなさい」と
親に注目するよう育てられた私たちは
逆に、
自分にも注意を払ってほしいと思うようになります。
よく、子供が
「ママ見てみて~」と要求しますよね。
実はそれが、大人になっても続きます。
そして、注目してもらえないと
見放されたのではないかと不安になります。
これは、私たちにとって
注目されると褒美になり
注目してもらえないと罰となる、
懲罰のシステムを生み出します。
私たちは見放されたくなくて、
親を喜ばせようとしたり、
よい子になろうとしたり、
自分以外のもののふりをします。
そうして私たちは、いつのまにか
本当の自分ではないものになっていきます。
この一連の流れのことを、著者は
「人間の飼い慣らし」と呼んでいます。
最初は、家庭や学校で「飼い慣らされ」ていた私たちも
やがて、自分で自分を飼い慣らすようになります。
たとえば、
学校で自分の本当の気持ちを隠して
先生がクラスメイトが喜ぶような
生徒になろうとしたり、
親に叱られる前に、
自分から親の期待に沿うような選択をしたり。
そして最後には
大人や周囲に合意した信念どおりの
「良い子」である自分に褒美を与え
信念に従えない自分に対して
自分で罰を与えるようになります。
あなたの「飼い慣らし」は?
あなたは親や先生に言われたことを
今でも気にしてしまうことは
ありませんか。
「食べ物を残してはいけません」
「人前でそんな格好をしないで」
「もっとがんばりなさい」
お腹がいっぱいなのに、食べてしまう。
人からどう思われるか気になって落ち着かない。
疲れているのに、休めない。
今では誰も、
あなたにそんなことは言っていないのに
過去の「注意」が
あなたを縛っているのかもしれません。