RPN電卓の現在
概要
このページを見ているということは少なくとも逆ポーランド式の電卓について何かしら興味があるということなんだろうと思う。
RPN電卓について口々に「これしか使えなくなる」と言うが、筆者の感想から言うとたしかに依存性はあるがカシオの数式自然表示方式の電卓と併用しないと結論からは不便だった。
現在学生として授業で使用している2機種
(CASIO_fx-JP900,SwissMicros_DM42n)を得意不得意や思想の違いなどから評価していこうと思う。
まず読者はRPNについて知りたいと思うので、先にこちらについて綴る。
本論
逆ポーランド記法はちょっとした計算には速度的な大きく有利である。工作機械の回転速度などの式では数式自然表示方式の半分の時間で計算ができる。
また数字を簡易的な集計で足し合わせる際に値を確認したり、計算以外にも気温や気圧などの環境測定をノートに移す前にメモをするのにも使うことができる。
電源を切っても数値が消えないので安心して途中でトイレなどに行けるのは以外に便利だった。
プログラムも基本がわかれば簡単に作ることができる。よく使う式はプログラムにしてまとめたがとても便利である。
操作感についてもマニュアル感が強く以下のような電卓で回答が分かれる式もどうして答えが1か9になるのかが明確に説明できるのは以外に大きなメリットであった。
6÷2(1+2)
実験で式や計算の意味を問われる場合があるので、数式自然表示方式の「勝手にやってしまう」動作が時々足を引っ張る事があったが、そのことを意識しないで逆に今の設定や内部34桁の結果などを見て考えられるのはとても安心感が得られた。
ここからはデメリットを綴ろう。
まずリプレイがない!まだ"LAST x"が使いこなせていないのもあるが消してやり直したほうが早いことも多い。特に以下のような長い式を入力している中でやり直すとなると、ため息が出そうになることが何回もあった。
複数回同じ式を繰り返す場合にはCASIOのCALC機能を用いるほうが速度が上がる場合もあったため、他に関数電卓があるならCALC機能があるかどうか調べておくのは有益なことだろう。
次にソルバーが使いづらいということだ、数式の穴をひとつ埋めてもらいたいだけなのにわざわざ数式を変形したプログラムを書かなければいけないのは時間がかかってしまう。その代わり回答を出すのはCASIOの30秒近い待ち時間と比べ、ボタン電池なのにARMのパワーでゴリ押して一瞬で解けてしまうのは感心したため、CASIOで時間がかかるとわかっていてかつよく使うというなら大きなメリットが得られるだろう。
総括
現代の学生生活においてRPN電卓は説明の透明性という意味でのメリットを持っていると考えられる。
CASIOの現行機種fx-JP500CWでは関数電卓としてはふさわしくない変更が数多く行われていると聞いている。その中で、計算順序の仕様変更は教師や生徒同士でもすれ違いが発生するリスクが大きく「お前は電卓のしもべか!(実話)」と言われて不快になるよりは慣れるのが大変のほうがまだましだと筆者は考える。
デメリットとしてはリプレイがないので間違えたときの心理的ダメージが大きめであることやソルバーなどでは数式と変数を数式的に入力できないと使いにくい機能があることである。
また述べてはいないものの価格が安くて1万円からかつ海外製であることから入手性が悪く、敷居が高いという問題がある。
よって総括としては両者併用といったところが現代でのRPN電卓の立ち位置であると筆者は考える。
これを執筆中に思いついたことなのだが、もしLISPで入力する関数電卓があったらどうなるのだろうか?いつか書いてみようと思う。