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コロナウイルス:スタートアップはロックダウン中でも6億6300万ポンドを調達

投資額は前年同期よりも大幅に増加、しかし投資案件数は減少しており、極少数の手元に集中

スタートアップを対象に行われた最新の業界調査によると、コロナウイルスによるロックダウンが始まってからの1ヶ月間に、英国の新興企業は5億ポンド以上の投資を集めているといいます。

6億6300万ポンド

調達された6億6300万ポンドという額は、投資額が昨年の同時期より34%高いことを意味しますが、取引の総数はというと、39%減の114件となっています。

投資の大部分は既に設立された企業向けで、5000万ポンド強がこれまでに資金調達をしたことがない新興企業に向けてのものです。

投資先は主にテクノロジー部門に属する企業に集中

投資先は主にテクノロジー部門に属する企業に集中しており、フィンテック、人工知能、デジタルセキュリティ、ブロックチェーンの新興企業が最も高額の投資を受けていることが分かっています。

この調査は、コワーキングとイノベーションスペースの企業であるPlexalと、急成長企業に関する英国のデータベースであるBeauhurstが実施し、3月23日から4月27日までの期間に英国の約3万社のスタートアップを中心とした投資活動を分析したものです。

投資総額は増加したものの、取引件数は減少

投資総額は増加したものの、取引件数の減少は投資家の信頼感が低下しているのを示していることは明らかです。

Beauhurstのリサーチ・コンサルタント責任者であるヘンリー・ワーウッド氏は、ロックダウンの一週目に投資額が5年ぶりの低水準になったことに言及し、「ロックダウン後すぐに数字が下落したことがデータで示されていますが、我々の希望は、スタートアップとテクノロジー部門がこの経済的混乱の間も回復力を維持できるかということです」と述べました。

「懸念されるのは、取引件数の減少が投資家の信頼感の低下を反映しており、国内で最も成功しているスタートアップや急成長企業の成長を阻害する可能性があるということです」とワーウッド氏は付け加えました。

調査によると、すでに1,000社近くの中小企業が、行政管理下または清算状態(それぞれ263社、707社)にあることが判明しました。

そのため、英国政府が最近発表した中小企業のための基金「Future Fund」や、Innovate UK (IUK)とBritish Business Bank (BBB)が設けている融資についての発表があったにもかかわらず、この調査結果は、新興企業のごく一部にしか投資が行われていないことを示しており、その大多数はまだ資金調達に苦労しているといいます。

4月22日、Computer Weeklyは、約3万社あるスタートアップの内、過去5年間に民間、第三者の投資家からの株式投資で少なくとも25万ポンドを調達したという基準を満たす企業が5000社しかないという事実から、80%以上のスタートアップがFuture Fund の融資を受ける資格がないことを明らかにしました。

政府は、研究開発(R&D)が最も盛んな中小企業に対し、IUKとBBBを通じて7億5,000万ポンド相当の支援融資を行うことを別途約束していますが、新興企業を救済するにはこれもわずかな額とどまります。

英国大蔵省は、国のイノベーション機関であるInnovate UKは、既存のInnovate UKの顧客2,500社に対して、オプトインベースで最大2億ポンドの助成金と融資の支払いを加速させる予定だと発表しています。

同省はまた、「既存の顧客への支援を増やすために5億5000万ポンドを追加で用意し、現在Innovate UKの資金を受けていない約1200社に総額17万5000ポンドの支援を提供する予定で、支払いは5月中旬までに開始される予定だ」と話しています。

Plexalの専務取締役であるアンドリュー・ローガン氏によると、Future Fund は良いスタートではあるが、スタートアップ企業を保護するためにはもっと多くのことが必要であることは明らかだといいます。

「この調査は、マイナス思考な憶測を切り抜け、新興企業のエコシステムのどの部分が繁栄していて、どの部分が緊急の支援を必要としているのかを確認することを目的としています。」「テック系スタートアップは投資を集め続けるという点で目覚ましい回復力を示していますが、少数のスタートアップの成功が、英国の大多数のスタートアップの苦境を覆い隠してはなりません」と述べています。

資金が広く迅速に分配されるようにするために直ちに行動

更に、「市場を刺激し、資金が広く迅速に分配されるようにするために直ちに行動しなければ、新興企業や起業家の現世代が失われる危険性があります。」と続け、「我々は、今後数週間から数ヶ月の間に、投資取引件数、清算状態、初期段階の投資ラウンドを注意深く監視し、支援メカニズムが希望通りに機能しているかどうかを判断するための正確な指標を提供していく予定です。」と述べました。

多くの新興企業が直面している将来の不透明性は、信頼度の急落にも反映されており、デジタルエージェンシーStudio Grapheneが行った別の調査では、新興企業の経営幹部レベルの社員の54%が、コロナウイルスのビジネスへの影響を「非常に心配している」と答え、37%が「やや心配している」と答えていることが明らかになりました。さらに、47%が民間投資を確保できるかどうかについて懸念を表明しました。

BlexalとBeauhurstの調査は毎週更新され、両社は政府や投資家と協力して、新興企業が支援を受けられるようサポートしていく予定です。

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参考:https://www.computerweekly.com/news/252482340/Coronavirus-Startups-raise-663m-during-lockdown


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