写真を変えたいなら、行動から変えてみる
こんにちは。写真の先生してます、大野朋美です。
自分の写真を見返してみたとき、「なんだかいつも同じような写真ばかり撮っているなあ」と感じたことはありませんか? でもどうしていいか分からない。もしそんな風に思ったことがあれば、この話をヒントにしてみてください。
行動パターンを見直す
写真を変えたいなら、自分を変えることだ。もしこのように言われたら、「それはそうだけど、そんな簡単に自分を変えられるわけないじゃん。そんなことができたら誰も苦労しないよ。」と思われるでしょう。だからこれから伝えることは、それよりはずっと簡単なことです。
それは、出会いを変えることです。そして出会いを変えるために、行動を変えることです。行動パターンといった方がいいかもしれません。
撮影テクニックを学ぶとか、行く場所を変えてみるとか、そういったことも効果はあるでしょうけど、それよりもっと根本的な、って言えばいいんですかね。もう少し大きな視点で見直してみてはいかがでしょうか。ではもう少し具体的に、提案してみたいと思います。
例を挙げて話します。以前わたしは、写真にアドバイスをするという有料サービスをしていました。それを受けられた方の中に、こういった方がいます。
年配のその方は、もう長いこと写真をされてきたそうです。その場に数冊の写真アルバムを持ってこられていました。拝見すると、さすがにどれも上手い写真なのです。
山がお好きなようで、青空のもと、頂上から眼前に広がる山並みを、センスよくフレーミングしている写真がたくさんありました。でもいまひとつ、もの足らないのです。
基本は分かっていらっしゃるし、構図も上手い。でもその方が希望されているような、コンテストで上位に入る写真だとは言いづらいのです。いったい何が足らないのでしょうか。
そのとき私はこうアドバイスしました。「行動を変えてみてはいかがでしょう。」
じつはその方の写真の多くは、ネイチャー系の観光ツアーに参加して写したものだったのです。山岳写真が多かったのですが、たいていは昼間の時間帯でした。
例えば同じ場所でも、美しい朝焼けと共に写していたら感動を呼んだかもしれません。早朝なら雲海が広がっていたかもしれませんね。
でもそのためには、早朝にそこにいるように自分で計画して、出かけて行く必要があります。雲海が出る可能性が高いのはどんな条件の日なのか調べて、それに合わせるとか。
だから相談された方には、ツアーでなく、ご自分で計画して行かれてはどうですかと伝えました。
こう聞くと、なんだそんなことかと思われた方もいるかもしれません。ここでは分かりやすい例を挙げましたから。でも普段の自分の行動パターンって、なかなか自分では気づけないものです。
繰り返しますが、写真を変えるためには出会いを変える。そのためには行動を変えるといいのです。行動を変えるアイディアとして、もうひとつ挙げてみます。
一般的に、撮影日和と言われると、青空の広がった晴れた日を思い浮かべます。でも意外に雨の日も撮影日和なのです。
「カメラを濡らしたくないし」って理由で敬遠されている方も多いと思いますが、それ以上に収穫も大きいです。それに雨の日って、遠出しなくても、家の近くの見慣れた景色でも十分にフォトジェニックなのです。
雨の日に写真を撮ってみると、何が違うのでしょう。たとえば水たまりが出来ているとか、草木に雨粒が付いているとか。でもそれだけじゃないんですね。雨の日の写真については、私の別のブログにあるので興味持たれた方は「雨の日に写真を撮るコツ」で検索してみてください。長年、検索上位にある人気のブログなので、すぐに出てくると思います。
出会いを広げる
話を戻しまして、出会いを変える、行動を変えるアイディアとして、最後にもうひとつご紹介します。
いつもは一人で撮りに行っている、家族や友人と出かけたときにカメラを持って行って撮影しているという方は、写真サークルや、そういった人たちとの撮影会に参加してみることをお勧めします。意外とたくさんの収穫があると分かりますよ。
自分の行動パターン、撮影パターンに自分で気づくのは、なかなか難儀なものです。でも参加している他の人と話して、いろいろな撮影スタイルを知るうちに、案外すんなりとそこに気づけたりするのです。
いかがでしょうか。読んでるなかで、「そんなこと言われても、なかなかねぇ…」と抵抗を覚えた方もいるかもしれませんね。ともあれ、2023年は「いつもの写真」から脱して、新しい作品を生み出していかれますことを願っています。良いお年をお迎えください。