「最初とは、全体の半分である」~オマケの取得を目的にしない仕事姿勢。
<ヨコのつながりとコネと業界と>
昨日街をぶらぶらしてましたら、20代後半くらいの若い人たち、そう、見たところ勤め人風の男女混合6名が立ち話してまして。
その中で、特に女性たちが口角泡をトバして力説しておりましたことには、
「なんだかんだいってあの業界もヨコのつながりがモノをいうらしいから」
「アタシもやっぱコネがないとダメだと思ってて。まずはスクールに一所懸命通って、なんとかキッカケを掴みたいんだ」
「会社でのスキルアップに語学短期留学を考えてる。まずは行動することが大事だと思うんだ」
などと口々に力強く、展望を語っておられました。具体的には分からなかったけれど、どうもクリエイティブ系ギョーカイにこれから転職したいっていう会話だったみたい。
アクティブだよねー前向きだよねーさすが今ドキの若い女性は勢いがあるよねー、、、という話ではない、んであります(ちなみにぼくは47歳)
このみなさんだけでなく、若い人は「ヨコのつながり」とか「コネ」を得ようと、専門学校行ったり、人脈交流会みたいなのに顔出したりして名刺バラ撒いて、目指す業界になんとか取り入ろう、もぐり込もうと躍起になってる人が多いみたいだ。
留学してハクを付けるとか、あとは裏ワザみたいなのをリサーチするのにもご熱心。
僕が若者だった28年位前も、自分も周囲も大体同じようなものだったなーって思い出しましたね。あんときの花形はテレビ業界とか、広告代理店だったけど。
時代背景関係なく、ちょっと自分に酔う時期ってあるんですかね。由々しき時期です。
<何をしたいんだろう?>
上に挙げたコネとか留学とかは、それはそれで方策のひとつなのかもしれないけど、あえて偉そうに言わせてもらえば、そんなの順番が違うよね。まったく逆だよね。
本来はまず自分が光らないと。外部の威光に頼るのは、戦略としてはアリだけど、そんなのは最後に近いくらいあと回しだ。
自分が光る、とは、「いつもキラキラ輝く自分でありたい」とかってことじゃなく、その業界にまつわる(あるいはまつわらなくても)「何か」を、自分が率先して立ち上げ、あれこれ試行錯誤するなりして注目され、そのあげくに業界の方からラブコールが来るくらいじゃないとっていう意味。大人なんだからそういう発想の順番になるのが当たり前だと思ってます。
その業界の中で単なる小間使いで終わるのじゃなくて、中核を担いたいって思ってるんなら、なおさらそうで。
というか、そこまで出来るんなら業界に「入る」必要すらもないかもね。
だいたい「業界」って何?そんなものは後付けの幻想に過ぎないのでは?
現存するのならそれは単なる互助会組織とは違うのか?…
…などと、ここまで思えるくらい実績面でも到達できて初めて、晴れて「業界」入りが認められ、その恩恵を享受できる日がやってくる。
矛盾してるようだけど言いたいのは、それくらいの独立心が始めっからナイとダメだろうってこと。
逆にその「業界」の重鎮の立場になって考えてみると、そこまで突き詰めて事を捉えてない、いわば本末の転倒した人材には、まとわりつかれるだけ迷惑なんじゃないかな。
<Don't worry ,Be happy>
さて、先ほど「何か」を自分ひとりで立ち上げて、っていう話をしたけれど、ここで現代の皆さんに超朗報ですw
お金もさほどかからず、すぐにローンチできて、直球で勝負できる手段がいまはあるわけで。
そう、WEBだ動画だSNSだ。
それをどうするのか、どう使っていくのか?、どう拡散させていくの…?
具体例は知らんぜよw、あとは自分で考えたらいいんじゃないか。
この世界なら何度失敗したってやり直せるし、そもそも本当の意味での「失敗」なんてない世界ですから。自分自身の裸の実力を思いっきり出そうじゃないですか。
すると「そんなこと言われたって」とあなたは言う。
★Webで発信するものなんか自分には何もない
★HTMLなんかやったこともないからできっこない
★それがスイスイできれば苦労も悩みもしないんだって
★毎日忙殺されてて時間がないんだよ。効率よくやらないと。
★そんな時間のかかることウダウダやってたらアッという間に三十路だ四十路だ
★何にしろ周到な準備が大事だから、そっち方面のスクールに通ってまずは勉強から…
とかとか…
そんな風に思うんだったら、その業界に対する情熱もその程度だったってことなんでスッパリあきらめ、別の方面を検討したらいいんじゃないかなぁ。
もしあきらめきれないんだったら少し角度をズラしてみるとか。陳腐な例を挙げるとプロのミュージシャン→×なら、PAやステージ照明のオペレーション技術→○とか。
あと、そもそもあなたは「業界に入ること」をやりたいのか?それとも「そのことそのもの」を、しかも本気でやりたいのか?ってことだと思うけど。
「最初とは、全体の半分である」って言葉を聞いたことがあって、その通りだと思った。
取り組み始めたら最後、損得も打算もなく、毎日毎日寝食を忘れ打ち込む「何か」が才能につながってやがて仕事になる。そしてその「何か」の基礎の大半は、後から振り返れば初期衝動の中にすでに存在していて、「初心、忘れるべからず」という言葉が身に沁みる。
そうした「何か」は誰の中にでもあって、あなたが見つけられてないだけ。僕もふとしたキッカケでたどり着いたものが、いま仕事で役に立ってる。
することはふたつしかなくて、その「何か」を自分の中から掘り起こすことと、それを育てること。ありもしないコネを探すヒマと努力は、そっち方面に使おう。
(ほんとうの「コネ」があるとすれば、それは探すもんじゃなく、あとからついてくるオマケだ)
(了)