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人生の扉#08 困難とチャレンジー8階建て新本社ビル(当時)へ土日1回で移転せよ(1989年)ー

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【連載「人生の扉」について】
FOSC名誉会長の小山さんに、どのような会社人生を歩んできたか、そしてそれを支えてきたものは何かを「人生の扉」というシリーズで語っていただきました。
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さて#07で取り上げた新本社ビルの件で。

オフィス延床18,000㎡、有効面積12,000㎡の新本社へ、1,200名の移転を計画したある日の午前中、当時のO副社長へ報告しに行った上司のお供で同行した際、1か月での移転計画を説明すると、なんと副社長から

土日1回で移転を完結させろ

との指示がありました。

上司である部長は即答せずオフィスに戻り、私に「どうしたらできるか」の検討指示。すぐにプログラミングを開始。什器を積んだ大量のトラックをどこに待機させるか、什器メーカー、日通と打ち合わせ。芝浦ふ頭待機が可能との結論。

次に、移転予定日のタイムスケジュールを作成。前日の金曜日の18時までテクノフェアという技術交換会が行われており、その撤収には夜中の12時までかかる。移転の時間管理はそれからが勝負となります。

撤収後のフロアから什器のレイアウトの墨出しを開始し、同時にプレの床下配線工事が追いかける。3基のエレベーターを使って順次、什器・備品の搬入を開始し什器の設置と電気配線、LAN、電話回線を敷設。そのように段取りを進めていくと、日曜日朝からは移転部門の荷物の搬入が可能との結論に至る。

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上司の部長に「Go!を出しても大丈夫です」と報告すると即、副社長にアポイントを取り、今回の移転を土日1回で完了させますと報告。

最初に無理難題と思われる指示を受けたときに「NO!(そんな無理はできない)」と言わずに戻ってきたのは上司の冷静な判断でした。

ところが移転開始の金曜日の夜中に5階で思わぬアクシデントが。
オフィス内2か所ミニキッチンを設置していたのですが、ここの1か所で給湯配管のサヤ管が外れて、5階フロアが5センチほど冠水。幸いにもOA床のカーペットは殆ど濡れておらず、水を抜き乾燥させ一部剥がしたOAフロアをもとに戻すのに一日要しましたが、何とか移転を間に合わせることができました。

この移転計画で学んだこと。

・仕事はNOではなくどうしたらできるかを考えることからスタートする。
・撤収物量、搬入物量を正確に把握しエレベーターの交通計算を行うこと。
・物流トラックの待機場所を正確に把握すること。(一般道路に駐車させない)

良い勉強になったとともに、上司から私への信頼はより一層厚いものになったのではないでしょうか。

続く
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