人生の扉 #10 戦略の重要性 -不動産戦略― / スピード感のあるビジネスチャレンジ
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【連載「人生の扉」について】
FOSC名誉会長の小山さんに、どのような会社人生を歩んできたか、そしてそれを支えてきたものは何かを「人生の扉」というシリーズで語っていただきました。
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今回は、2つの大きなテーマを簡略化して投稿いたします。
戦略の重要性 -不動産戦略―
不動産を
資産として保有し続けるのか
賃借するのか
経営状況の動向次第でその判断は難しいものになります。
当時の総務センターの不動産戦略
会社の戦略は速やかに事業の再構築を行うことを優先すると決めた結果、総務センターの不動産戦略は身軽になることを選択し、多くの不動産を売却することになりました。
御殿山本社跡地、保土ヶ谷中央研究所跡地、大崎事業所、羽田事業所等大きな売却案件が続きました。
このような状況下でグループの生命保険会社は、芝浦新本社(ソニーシティ)を建設しソニーが賃貸することで安定して利回りを確保するというグループシナジー効果も得られました。
総務センター不動産部門は、一部海外案件を含め戦略総務の機能を十分に発揮し社内の期待に十分応える成果を出していきました。
ハイテクベンチマークコンソーシアム 《戦略思考のアプローチに向けて》
2002年、ハイテク10社によるハイテクベンチマークコンソーシアム(現FOSCシニアアドバイザーの井上さんもメンバー)で各社情報交換を活発に行っていた時代のこと。
ソニー、IBM、富士通、HP、マイクロソフト、サンマイクロ、キャノン、オムロン、富士ゼロックス、パナソニックの10社が、
国内/海外の売上と資産、総資産に占める不動産の比率
営業利益と不動産資産比率
のベストプラクティス/ベンチマーキングを行い、共有情報として10社間で各社戦略的に利用可能なことを相互承認しました。
不動産ポートフォリオ戦略を経営会議に付議した際、このベンチマークは自社の立ち位置がわかる客観的データとして信頼され大変役に立ちました。
スピード感のあるビジネスチャレンジ
ハイテクベンチマークコンソーシアム打ち合わせ最終会は、関西各社の見学会、京都での打ち上げ懇親会となりました。
東京組はその翌日、京都散策後帰京し一部のメンバーは品川駅前のウイング高輪内レストランで反省会を開催。
「お疲れさま!」
乾杯のビールを一口飲んだその時、HP社総務部門長のO氏(元FOSC理事)から突然の提案がありました。
懇親会の翌々日、SFM社長に報告・相談。
即刻、スタディ開始のGoのサイン。
3日後、SFM取締役会にて承認。
2週間後、ソニー本体の経営会議にて承認。
ソニーの経営会議の席上、A社長から
「HPに出来てソニーでアウトソーシング出来ない理由が何かあるのか?」
と質問され絶句した記憶があります。
結果、SFMのI社長から、
「今後のソニーグループの総務やファシリティ業務を効率的に行うために、外部の会社の総務業務をビジネスとして受けることはプラスになる」
と回答をいただき、案件は承認されプロジェクトは進めることになりました。
2週間で大きな仕事を決めるソニーGPのスピードにHPのO氏もビックリでした。画して、HP社とSFMとの連携はスタートし、優先契約はその後15年続きました。