アクティブ半生紀#03 『日本興業銀行』という世界〈リース会社への出向〉
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【連載「アクティブ半生紀」について】
FOSC理事の岡田さんに、今までのキャリアについて語っていただきます。
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興銀リースでの経験は、私が「やりたい仕事」と思っていたものではありませんでしたが、「やるべき仕事」に取組んでゆくうちに、段々とその面白さを感じるようになりました。
一つは、アセット・ベースド・ファイナンスやプロジェクト・ファイナンスの領域です。航空機、船舶、ホテル建設等へのファイナンス技術や、企業の信用力とは別視点でのプロジェクト・キャッシュフローでファイナンスを提供する技法です。
二つ目は、Tax Oriented Financeと呼ばれる税制を考慮しながら仕組金融を提供する分野です。レバレッジド・リースと呼ばれる金融技法は、元々米国で開発されたものですが、日本にも移入されてきました。
三つ目は、グローバル視点からのクロスボーダーファイナンス!
国際リースと呼ばれる分野です。
契約書も英語で、交渉も英語! 隣の国際部門のプロフェッショナルが、カッコ良く英語で仕事をしている姿に憧れました。
自分もいつかは!との思いを抱いて、陰で英文契約書の読み方を勉強していました。
四つ目は、企画・事業支援・教育分野です。
当時は地方銀行や生命保険会社が、リース子会社を設立し始めていた時代です。
リース会社設立の支援のため、地銀リース会社の方々に実務指導や会計・税務の視点からの営業アドバイス等を行う仕事です。
更に、自ら培った経験を書籍化してもらう経験が出来たことも喜びでした。
そして最後の点は、金融技法やストラクチャリングの実務ではなく、「世間の広さ」を学んだことです。
興銀本体だけの経験では知り得ないような世界!
建設・土木機械(ブルドーザーやショベルカー等)のリースや、中小零細会社や家族経営会社に対するファイナンス...
興銀の顧客とは異なる様々な事業者との取引経験は、私の社会視野を広げ、多様な価値観を学ばせて貰いました。
4年半の出向を終えて興銀に復帰したのは1987年の9月でした。
発令は「本店営業第八部」を命ず!
漸くの本店勤務となりました。
今は再開発で取り壊されましたが、丸の内の軍艦ビルに出社した時の興奮は今でも記憶に残っています。
本店での3年余りは、バブル期真っ只中での「虚構の金融」世界を体験する事になります。。。
続く
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