「当たり前はない」ということに気付いて(2年 #85 造酒 明音)
今回のnote企画は、2年生。FORZA2年目を迎え、2度目の九州大会を終えた彼らが何を感じ、これからどう行動するのか、そんな彼らの思いが綴られています。ぜひ最後までお読みください。
3人目は #85造酒明音 (みき あかね)です。
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7月、私たちは九州大会で負けた。私はベンチメンバーに入れなかった。
当たり前に岸和田に行くんだと、九州大会は優勝できるだろう、みたいに思っていた。
負けたのはチームで、選手の頑張りとか、技術とか、情熱とか、そんなことは勝敗に関係なかったんじゃないかと思った。
4月末くらいから、私はこの部活を辞めたいと何度も考えるようになった。
あんまり表情には出ないし、周りに言ったとて軽い感じで話していたので、きっと話題のきっかけやみんなもそうだよね、と共感を求める話題程度にしか思われていなかったと思う。
でも、自分がチーム目標の達成のためにできていることが何も思い浮かばなくなって、チームにいる意味が分からず自信をなくした。
それが去年の地チャン後ぐらい。
その時期は、新シーズンの部員紹介として、毎日画像や文面を編集し、マネージャーアカウントで毎日12時に予約投稿する。
今思えばどこからその熱量が湧いてくるのかわからない、機械のような生活を送っていた。
前期が始まってすぐ、自動車学校に通い出したり、1年次はなかった実技科目の練習をしたり専門科目をもっと学びたい欲に駆られ、ぱったりと投稿を辞めてしまった。
今シーズン初めの九州リーグも帯同できなかったため、自分はただインスタを更新しているだけでチームに何も貢献できていないと思った。
それが自分の忙しさにかまけて投稿もしなくなったら、もうただ練習に行くだけのマネージャーになっているなと感じた。
自分はチームに貢献できていないし、このままなあなあになるなら辞めようと何度もよぎった。
私がFORZAにいて一番好きな瞬間は、試合に勝った選手の笑顔を見た時と、高揚感を抱く時。
これはアイドルを推していても受け取れない感情で、最高の努力の賜物だと思っている。
特に去年のクリスマスの県リーグと1月末の全日本選手権九州大会は、その場で涙が出てくるぐらい嬉しかったし、最高だった。
何日も写真や試合動画を見返しては「みんなかっこよかったな」「全力でいい試合だったな」「このプレー湧いたなあ」と、余韻にじわじわと浸るほど。
九州大会まで、いやそれを終えてからも、これを超える高揚感と自分がチームに貢献できている実感がなかった。
多分、部活に懸ける時間や熱量が減ってしまったから。
一番熱量が薄れてしまったのは自分だと思っているけど、正直に言うとチーム全体として『大学日本一』を目指す熱量が低くなったと思う。
読んでくれているあなたへ、プレーもしないマネージャーが何を言っているんだと思ったらすみません。
シーズン頭に行われたミーティングでは、みんな口を揃えて「目標は『大学日本一』にしよう」。去年5位タイで終わったから、届かない位置では決してないと誰もが思っていたから。
じゃあ届かなかった目標に届くためになにか変わったのか?というと、事務的な仕事を除くと、私は部員が増えたことぐらいしか分からなかった。
何度監督に言われても、雰囲気も変わらないように見えた。
シーズンオフに頑張って動いたけど、ベンチに入れなかった腹いせもあるかもしれない。ガキですみません。
だから、当たり前に勝つと思っていた九州大会で佐賀大学に負けた時、ピッチにいる選手はうなだれて、スタンドで一緒に応援していた3年が涙を流している中、私はスタンドで涙も出ず、そんな自分に嫌気がさしてピッチも選手も見れず、負けたという事実を受け止められなかった。
受け止めたくなくて、Twitter(X)を開けば優勝した北九大のマネージャーさんがあげている楽しそうな投稿が目に飛び込んできて、苦しくて開かなくなった。今でも嫌で目を背けている。(書きながら結局悔しいという感情があったことに気付きました)
ずっとネガティブな感情を書きなぐってしまったけれど、これが九州大会を終えた私の現状です。
チームに貢献できている自信がない、どうすればまた『大学日本一』を目指すチームになれるのか、そのチームのマネージャーに私はふさわしいのかとぐるぐる考える日々。
考えすぎて、車校の指導員に吐露したときに「でも辞めてもあなたは結局フットサル部に戻りたいと思うんじゃないの」と言われた。自分では気づけなかったけど、部外で関わってくれた大人にFORZAが好きだと気づかれているほど、今はまだマネージャーとしての自信はないけどこの部が好きだという自信はある。
最近は高校の時の担任の先生が「あなたたちが馬で、俺らが調教師だったら、俺らは水飲み場まで連れていくことはできるけど水を飲ませることはできない」と言っていたことを思い出す。
当時はよくわからなかったけど、今なら半分ぐらいは腑に落ちる。
だから私は、励ます言葉だったり、プレーを褒めたり、選手が全力でプレーできる環境を整え続けて、モチベーションを維持できるようなマネージャーになっていこうと思う。
インスタも、選手が嬉しくなったり、見知らぬ人がふらっと発見のページで投稿が出てきたときに「お、かっこいいな」「この大学生たちいいな」と思えるような投稿をして、プレー外でも選手が自信を持ってくれたら私も嬉しいし自信に繋がるはずだ。
選手・スタッフ全員で『大学日本一』にふさわしいチームになろう。そして来年は絶対に、大好きなFORZA全員で、あの岸和田に戻りたい。