見出し画像

営業組織を変革させる第一歩

フォーバルの赤羽です。現在コンサルティング事業推進本部で副部門長兼コンサルタントとして活動しています。

外部要因の大きな変化などで中小企業の経営者から、これからの営業について相談されることが増えてきました。前回は「強い営業組織の構築」と題して、自らの経験と現場の声などを踏まえた内容を紹介いたしました。

今回は「営業組織を変革させる第一歩」と題して、前回同様にまとめております。1つでも悩み解決のヒントになりましたら幸甚です。

成功体験

「成功体験」は二つの側面を持っています。

一つは、自分の成長につながるプラスの側面です。例えば勉強やスポーツで結果が出た時などの成功体験は、自分自身の大きな自信につながり、成長を加速させてくれます。

もう一つは、成功体験自体が足かせになるマイナスの側面です。成功体験を捨てきれず今までのやり方に固執した結果、自らの成長を止めてしまった時などです。例えば人のアドバイスを聞き入れず自己流を貫いたため勉強やスポーツの結果が出なかった時などです。成功体験は使い方によってはいい薬にも悪い薬にもなる、ということでしょう。

営業組織の世界でも同じことが言えます。景気がいい時やビジネスモデルが上手く回っている時には成功体験はプラスに作用しますが、ひとたび不景気になったりビジネスモデルが陳腐化した時はマイナスに作用します。企業は絶えず外部環境の変化に適応していかなければ生き残っていけないにもかかわらず、過去の成功体験に固執するあまり気が付いたら競争力を失っていた、そのため市場から撤退せざるをえなくなった、などという失敗例はとても多いですね。

このように市場とビジネスモデルのミスマッチによる競争力低下は、通常はゆっくりと進行するため、経営者はその変化に気づかないことが多いです。売上や顧客が少しずつ減少していても根本治療をしないため、気づいたときは重大な局面を迎えてしまったりということはよくあることです。いわゆる「ゆでがえる現象」というやつです。

しかし、今回のコロナのようなインパクトのある外部変化により業績が急激に悪化した場合は、大きく営業のやり方を変えていかなければならないことに嫌でも気づいたはずです。誰しも世の中の大きな変化から気づくことは出来ても、小さな変化からは気づきが得られないのです。

変革の種火

それでは自ら気づき、自ら新しい市場に合った営業スタイルに変革していくにはどうしたらいいのでしょうか?その答えは「顧客」にあります。

顧客に直接ヒアリングをかけたりアンケートを取ったり、顧客が当社をどのように見ているかを調査することが重要です。商流が複雑なBtoB市場において、競合と比べても製品力に大きな違いでもない限り、顧客は取引先をコロコロ変更することはしません。なぜならスイッチングコストが高いからです。

しかし、中長期的には取引先を徐々に変えながら次第に離れていく可能性はあります。すなわち顧客離れまでにはまだ時間的余裕があるのです。顧客離れの予兆を察知するためには、顧客の生の声を聴くことが一番有効です。経営者は顧客の声には敏感のはずです。変革の種火は顧客の声に潜まれているのです。

目的の共有

そして変革の必要性を最初に察知するのは経営者です。なぜなら顧客の声がすべて集約されたものはまず経営者の耳に入ってくるからです。この顧客の声は、言い換えれば「顧客ニーズ」。これに沿ったビジネスモデルを再構築するだけで市場とのミスマッチは解消されるのです。

しかし、経営者がそれを認識していただけでは駄目であり、組織を動かしていかなければ変革はできません。そこで必要なのがVTRでも述べている「目的の共有」なのです。目的の共有は強い営業組織構築のステップ0です。まずはここから始めてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?