【講座レポート】おはなしクイーンと親子で楽しむ絵本の扉
講座概要
ドラァグクイーン・ストーリーアワー
おはなしクイーンと親子で楽しむ絵本の扉
講師:マダム ボンジュール・ジャンジさん
(ドラァグクイーン/パフォーマンスアーティスト)
日時:2023/8/27㈰ 13:45~15:00
対象:3~8歳の子どもと保護者15組
会場:静岡市女性会館(アイセル21)3階 大音楽室
内容:読み聞かせ・工作・フォトタイム
参加費:無料
講座の目的
「男の子らしさ、女の子らしさってなんだろう?」
「おはなしクイーンと親子で楽しむ絵本の扉」はキラキラメイクとドレスを身に付けたおはなしクイーン(ドラァグクイーン)による子どもたちに向けた絵本の読み聞かせプログラムです。
このプログラムの中では、ドラァグクイーンはありのままの自分を肯定する存在として、自分らしくあることの大切さと幸せを伝える存在です。
そんな、自分らしさ全開のドラァグクイーンと出会うことで、「男の子らしさ」「女の子らしさ」を飛び越えた「自分らしさ」を受け入れ大切にすることの幸せを体験してもらおうと企画されました。
当日の様子
2023/08/26(日)13:45~15:00
当日は、子どもたちが床に座り自由に動き回りながらおはなしクイーンの読み聞かせを聞くという形で行われました。
まず、Drag Queen Story Hour TOKYO(以下DQSH)の活動の趣旨についてのご説明を団体の方から頂きました。
DQSHはアメリカから始まった活動で、子どもを対象に読み聞かせイベントを開催し「自分と他者との違い」を理由にした差別やいじめのない社会を目指しています。
子どもたちの元気な声に呼ばれておはなしクイーンのマダム ボンジュール・ジャンジさんが飛び出すと、子どもたちはそのカラフルな髪型や服装に釘付けになっていました。
読み聞かせでは、おはなしクイーンが絵本を合計3冊読み、その間には体操など身体を使ったレクリエーションを行いました。
みなさんも良く知っている「はらぺこあおむし」から始まり、ジェンダーや「女の子らしさ」「男の子らしさ」に関わらず、自分と周りのことを尊重するための絵本が読まれました。
レクリエーションの中では、自分の気持ちをしっかりと相手に伝えることと、自分と異なる価値観や見た目の人を受け入れることの重要性を知ってもらうため、「イヤ!」「OK!」といった言葉を身ぶり手ぶりを交えて教えていました。
おはなしクイーンの元気な声に惹かれ、子どもたちが身を乗り出すようにして読み聞かせを聴く様子や、クイーンと一緒に声を出して楽しむ様子が見られました。
初めは緊張していた様子だった子どもたちも、読み聞かせが終わるころにはすっかり和やかな空気となっていました。
その後、ブースを移動し自分だけの王冠を作る工作の時間が始まりました。王冠の形の紙に自由にデコレーションをし、各々が好きな色やシールを使って世界に一つだけの王冠を作り上げました。最後に自分で作った王冠を頭にかぶり、おはなしクイーンとの写真撮影会が行われました。
参加者の声
参加者のアンケートでは
・子どもたちも楽しそうで、クイーンもやさしく、自分を大切にすることを伝えていただき参加してよかったです。
・子どもたちが興味深そうに読み聞かせに聞き入っていた。
・お話だけではなく工作もあって体も動かして全体のバランスがよくて楽しかったです。
・人と違ってOK!!の絵本がとてもよかった。
といった声が寄せられました。今回の講座が子ども達にとって、「自分らしさ」を考えるきっかけになるといいですよね。
講座に参加してみて
今回、私はインターンシップ活動の一環としてこの企画のお手伝いをさせて頂きました。
私自身、クイーンの服装や髪型を初めて見た際は、お花のたくさんついた大きな髪や様々な色が使われたドレスにとても驚きました。
メイクを落とすためにとても時間が必要であるというお話をクイーンからお聞きし、大変な中、子どもたちのために読み聞かせをして下さっているのだと知ることができました。
おはなしクイーンのジャンジさんが飛び出してきた時には少し緊張した顔をしていた子どもたちも、会場の明るい雰囲気につられて笑顔になっていき私も安心しました。
ドラァグクイーンという普段は接することのない方とお会いできたこと、子どもと関わる企画に参加できたことで、LGBTQ+に関する接し方について新しい視点から見るきっかけとなりました。