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ロバート・アルトマンのニクソン嫌い

『ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男』(Altman、2014年)というドキュメンタリー映画がよかった。いろいろ面白かったが、ここで記すのはアルトマン監督とニクソンの話。
アルトマンはニクソン嫌いで知られ、ニクソンへの怒りから『ナッシュビル』を作った。
有名でないところでは、1984年に『名誉ある撤退~ニクソンの夜~』(原題:Secret Honor)という一人芝居劇を撮った。
その『名誉ある撤退~ニクソンの夜~』の1シーンが流れた後のアルトマンのトークが面白かったので抜き出したい。
(40代半ばを迎えた筆者がプチ終活としての本棚の整理をしていたところでこの映画を見たので、なおさら笑えた)

I never met Richard Nixon in my life, but I did have a couple of exchanges with him once.
He wrote a book called Leaders, which was a really big book.
And I was living in California at the time and suddenly in the mail this book, heavy book, comes.
And it was from the Ex-President and it was inscribed in there, it says "To Robert Altman, thank you for your years of loyal support."
And I thought, "Shit, I gotta burn a book."
And I really had a... a dilenmma.
I could have torn out that page, which ultimately I did because I didn't want it to be found in my archives by one of my great grand children and they say, "Oh, Grandaddy was a big Nixon supporter."
(「私はリチャード・ニクソンに会ったことはない。でも一度やり取りしたことがある。
ニクソンが『Leaders』という本を書いた。ものすごく分厚い本だ。
当時カリフォルニアに住んでいた私の元に突然、重い本が郵便で届いた。
元大統領からで中にはこう書かれていた。「ロバート・アルトマンへ。何年も忠実な支持をありがとう」
私は思った。「参ったな。燃やすしかない」
葛藤した末、このページだけ破ればいいのだと思い、そうした。
私のひ孫たちが私の遺品の中からこのページを見つけ出すのが嫌だったからだ。「僕たちのひいじいちゃん、ニクソンの熱烈な支持者だったんだね」だなんて御免だ。

『ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男』




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