日本の宝。羽生選手はやはり一流のアスリートだった。その芸術的な美しさに涙してしまう。
4月9日、お昼ご飯を食べながらテレビをつけ、番組表を見ていました。
すると、昨年末に青森・フラット八戸で行われた、プロ転向後初めての羽生結弦選手の単独アイスショー「プロローグ」の千秋楽の様子が放送されることを知りました。
これは見るしかない! そう思い、読書の予定を急遽テレビ鑑賞に変更。
まず、驚いたのが90分単独ショーであるということでした。
通常のスケートショーでは、複数の選手が登場し、一人の選手が披露する演目は長いショーの時間内で数本だと思いますが、それを全部一人で見せるというのは相当な体力が必要とされると思いました。
さらに、演出やプロデュースまで手掛けていると知り、羽生選手の卓越した才能に感心するばかりでした。
◎SEIMEI
オープニング。
競技の際に行われる6分間練習から始まります。
こんな斬新な始まり方ってあるでしょうか!?
その表情からは、競技の際に見せるあのピリピリとした緊張感すら伝わってきます。
一曲名は「SEIMEI」
18年平昌五輪で金メダルを取った代表作です。
「1番、羽生結弦さん」のアナウンスから始まる、これまでのアイスショーでは見たことのない演出です。
もちろんリンクサイドには、ぷーさんもいます。
競技さながらの緊張感の中に、高い技術力を惜しげもなく披露するその美しい演技に見入ってしまいます……。
演技後はテレビの前だというのに、自然に拍手をしている自分に気づく。
◎CHANGE
2曲目は「CHANGE」
ジュニア時代のエキシビションの曲だそうです。
ここ数年のにわかファンの私は、ジュニア時代にこんなワイルドで激しい曲を演じていたことに驚きました。
生の三味線の音に合わせ、情熱的な滑りを披露します。
きっとジュニア時代とは異なる、大人の羽生選手の色気を感じる演目だったのではないかと想像。
演出にも凝っていいて、芸術的センスも非凡なるものを持つ方だと感じました。
◎Otonal(秋によせて)
この後のリクエストは「Otonal(秋によせて)」でした。
いくつも演目を持っているにもかかわらず、リクエストにさっと応えられるのもすごいなと思いました。
単独ショーなので3曲の演目を終えた後は、マイクをもって自らスピーチもこなすわけですが、並みの体力ではないと思います。
◎SingSingSing
千秋楽バージョンで「SingSingSing」も披露。
冒頭の「SEIMEI」とは違うリズミカルな楽曲も楽しい。
優雅さも、力強さも、どんな曲も自分のものとして見事に表現してしまう才能と努力に感動してしまいます。
次の「悲愴」との間に、12月7日のお誕生日を祝うサプライズもありました。
Happy Birthday!
◎悲愴
「悲愴」は八戸にゆかりある曲で、どうしても滑りたかったプログラムだったそうです。
「心に抱えた傷はそれがあったことの証」という言葉には、深い思いがあふれていたように思いました。
スケートを続けていいのかと葛藤する中で、自分の演技を見て喜んでくれる人がいることに喜びを見出したというまだ10代の少年の、前に進む覚悟や思いを垣間見たような気がしました。
◎ロミオとジュリエット
「ロミオとジュリエット」は衣装も美しい。
震災後の葛藤を乗り越えて作られたプログラムは、大人の男性の怒りや悲しみが見事に表現された、美しいプログラムでした。
男性にしては非常に柔軟性が高いと評判の羽生選手ですが、どんなポーズをしても美しいですね。
またプロジェクションマッピングにも挑んだプログラムも、とても幻想的でした。
途中、練習風景なども公開されましたが、妥協を許さない姿勢や、それでいてスタッフへの気配りなども垣間見え、本当にこの人は20代の若者なのだろうかと思うほど、人間ができていると感じ入りました。
あらためてこの方は日本の宝だと思いました。
◎いつか終わる夢
「いつか終わる夢」は幻想的な青い光の中を流れる映像とリンクする、とても美しいプログラムでした。
◎春よ来い
「春よ来い」では演技とプロジェクションマッピングの映像がリンクして、氷上が美しい絵画のように変化しましいた。
◎パリの散歩道
アンコールは「パリの散歩道」
ソチオリンピックのショートプログラムで世界最高得点をたたき出した伝説のプログラムです。
◎最後に
全ての演目を一人で滑り切るという、とんでもないことを成し遂げ、また一つ伝説を作りました。
「生まれてきて幸せ」「生きてきて幸せ」というその後ろには、怖さがあったという羽生選手。
それでも前に進むことを選んだ勇気に感動を覚えました。
これからの活躍にますます期待してしまいます。
テレビ画面を撮影したので、写真は美しくありませんが、羽生選手の美しさは十分伝わってくれることと思います。
競技を退いてプロになりましたが、あえて羽生選手と書かせていただきました。
競技から退いても、挑戦を忘れないその姿勢。
観客を魅せ続けようと、決して妥協しない美と技術の追及。
そんな姿勢は、選手時代と変わっていないと感じたからです。
羽生選手自身も、アスリートでいたいという思いから「選手」と呼んでほしいと言っているそうなので、今後も羽生選手と呼ばせていただきます。
ひとつの演目が終わるたびに、私は感動で涙していました。
ひとつひとつの美しさに、心が浄化されていくようでした。
羽生選手、本当にありがとう。
これからも応援しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
久しぶりに羽生選手を拝見し、やはりその卓越した技術と芸術的な美しさにため息がでました。
どこまでも謙虚で、人間としても本当に素晴らしいお人柄だからこそ、世界中の人を魅了するのだろうと思いました。
まだ28歳とは思えない落ち着きの中に、ときおり見せるあどけない表情や力強さもまた、羽生選手の魅力だと思いました。
久しぶりに心が浄化されたひと時でした。
涙を流すほど美しいものを見ることは、心が安らぐものですね。
世界中が心安らぐ日が訪れますように。
読んでくださってありがとうございます!もし気に入っていただけたらサポートいただけると嬉しいです。猫さまのために使わせていただきます。